氷の上のさかな

氷の上にディスプレイされたさかなの様にセカンドライフをキラキラとさせる為に今を頑張ろうといったシュールなお話。

ただいま営業中

奢るとは言ったが遠慮をするなとは言ってない

今更ながら宅の坊主も成人式を迎えたらしい。そういえば日曜日だというのにやけに早起きをしていた様子だったし、自分の部屋にのそーっと現れては、 「おやじ、ネクタイの結び方教えて」 と言っていた。教えるのが面倒だったので自分の首に結んでそのまま手…

正しい腰の振り方

1人が好きと言い切る彼は最近、常連となった客だ。毎週、金曜日になるとふらりと現れる。身長が高くカウンターに座っていると両隣に比べ頭ひとつ抜けており、加えて年齢が若く1人で来ているという事が目立つのか、よく隣に絡まれる。ただ、絡まれる事も満更…

夫婦でベロベロ

カウンターとはいえ申し訳程度しか席数のないカウンターに、わざわざ2名で予約を入れてくれた名も知らぬ客があった。まだ、テーブル席にそこそこ余裕があるにも関わらずだ。 説明しよう。電話で予約を直接入れるのならば空席情報を把握出来ないが為、こちら…

ま、物理的には無理っちゃ無理だけど、心情的に空気を読めよ。

お陰様で毎日、嫌になるほど忙しく過ごさせて頂いているのだが、いや、とうの昔から嫌になるほど忙しく過ごさせて頂いているのだが、現場に出たら出たで更に忙しさが重なり肉体的にキューキューと悲鳴を上げ始めている。本当にキューキューと鳴くの?気にな…

酒と泪とクズリとカピバラ

帰宅して時計の針を見たら午前2時を過ぎていた。今の今迄オレはどこで何をしていたんだろう?仕事だよ、仕事!飲食、特にアルコールを扱う業界もそろそろと忘年会シーズンに突入し、曜日の末日にこだわらず平日であっても宴会需要が増してきた。よってここ…

ファンキーな来客者はドギーなマスターでおまけに穏やかだった

絶賛発売中の「タマミヤ観光チケット」というものがある。これを購入すると3,000円で飲み放題になるばかりではなく、3~4品の料理までもがセットで付いてくるという大変お値打ちなチケットだ。 ただし「世界のタマミヤ」と呼ばれる駅前飲食店街の一部店舗…

身を呈して客を引く。これぞ、ザ・プロフェッショナル

「お父さんのところって子連れ客は来る?」 と次女が訊ねる。 「なんで?」 「いや、お酒飲むところだからあまり子どもは行っちゃいけないのかな?って思って」 「別に問題はないけど、店によっては来づらいところもあるだろうな」 系列店でも敷居が高い店も…

持つべきものは業者様

「しまった、アレを買い忘れたt」 面倒だから「アレ」で片付けてしまったが、明確に言うと「糸削り」だ。あとはググれ。これまた面倒だが買いに行かねばならない。とはいえ、専門的な食材であるからにしてそんじょそこらのスーパーで売られている様なもので…

それ、気づかんのやのうて見えとらんのやないか~

「魚はあるか?」 開店と同時にひとりの男性が入店。そして自分の目の前のカウンターに座る。 「はい、色々とありますよ」 毎朝、市場へ仕入れに出向いている。こと魚に関しては地域でもナンバーワンを自負している。それを記した「本日のおすすめ」を渡すと…

クズリとカピバラ

巨大なカピバラに追いかけられた子猫がついには追いつかれ、あわや噛み殺されるかと思いきやカピバラには歯がない。噛めども噛めども子猫はミャーミャー鳴くのみで一向に飲み込まれる気配のないまま咀嚼は続けられる。 これは絶好のシャッターチャンスだ。慌…

リバティなナイスミドルは簡単に落とされる

アイロンは自分でかける。 それが戦闘服、つまり制服ならば尚更だ。 ま、正直それ以外の服にはアイロンなどかけないけどね。なにやら聞くところによればイタリア男子はシャツはおろかḠパンからTシャツ、果ては靴下にブリーフまでにもアイロンをかけるのだと…

店でのこと(若い男女のグループ編)

暫く現場の仕事からは遠ざかっていたので、果たして復帰したところでただの足手まといになりはしないかと多少の心配もあったのだが、いざ服装を整え包丁を握るとまるで包丁に魂が宿ったが如く縦横無尽に暴れまくったら通り魔やんけ!じゃなくて、ちゃんと上…