氷の上のさかな

氷の上にディスプレイされたさかなの様にセカンドライフをキラキラとさせる為に今を頑張ろうといったシュールなお話。

そろそろ市場での仕入れも始動するよ。

久しぶりに市場に顔を出した。お盆の真っ最中に休場日であることを忘れて訪ねてしまったので厳密にいえば五日ぶりだ。仲買のスタッフもお客の顔ぶれも相変わらずで久しぶりの再会を抱き合って喜びあった(あくまでもイメージです)。

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特に買うものも無かったのだが、ではなぜ赴いたかといえば、

「月曜日からそこそこ仕入れるからね。中途半端なものをお薦めするんじゃないよ」

と圧を掛けるつもりだった。まぁ、長年通い詰めた仲買なので、その辺りは言わずもがなの覚悟が出来ていたようだ。


「任せてください!」

よぉし。お手並み拝見といこうじゃないか。でも安くなくちゃダメだお。


その足で八百屋に寄る。此方こそ特に買うものも無かったのだが、前職でお世話になっていたからには蔑ろには出来ぬ。ところが挨拶に赴いたものの、社長は愛人と雲隠れしたらしく姿が見当たらなかった。仕方がないので一番、やる気のなさそうな仲買スタッフから「ニンニク」だけを仕入れ帰路につく。


場外でも長年お世話になっていた老夫婦が営む八百屋に寄ってみる。枝豆のシーズンには農家直の良質で見事な鞘の枝豆が手に入ることから、初夏からこのシーズンにかけてよく利用したものだ。挨拶がてら自分用に枝豆を買っていこう


と見るとシャッターが閉まっていた。

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ひょっとしたらひょっとして…。お向かいにある同じく場外で営んでいる八百屋に尋ねてみた。


「お向かいの尾藤さんはひょっとしてやめられたのですか?」

「あぁ、やめたね。まだ元気やけどね、あかんゎ。もう、車の運転が出来んで」

「あぁ、そういうことか」

まだ存命であることを聞いてちょっと安心した。


確かに見ていて不安がある運転技術だったことはその通りだ。年齢も既に80後半に差し掛かっていたことだろう。会話がずれて成り立たないことも多くあった。挨拶が出来ず残念だったが、いつまでもお元気でいて頂きたいと切に願った。

 

 

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