氷の上のさかな

氷の上にディスプレイされたさかなの様にセカンドライフをキラキラとさせる為に今を頑張ろうといったシュールなお話。

毛抜きひとつに見る道具考

目下の悩みはなんですか?と尋ねられたら先日もちょいと触れた秋の花粉症と既に長い付き合いとなった逆さまつ毛と答えるだろう。因みに目下は「もっか」と読み「めした」ではない。

fish-on-ice.hatenablog.jp

今からかれこれ20年前、30代も半ばの頃から40代前半まではコンタクトレンズを使っていた。そう、当時は極度の近視でコンタクトを使っていない時はそれこそ瓶底眼鏡を掛けていた。因みに右が0.01、左が0.03で極端な話、電柱に向かって「こんにちは」の世界である。

東日本大震災で多くの人が眼鏡を失い辛い思いをしたとの話を聞き、もし何かがあった時にこのままではまだ幼き子ども達を守ってやることも叶わぬと一念発起し視力矯正手術、いわゆるレーシックに踏み切った。

術後は確かに視力が回復したものの、かつてはコンタクトレンズで覆われ逆さまつ毛から守られていた角膜が剥き出しとなり、逆さまつ毛がダイレクトに角膜を刺激してそれが原因で傷つけられ、近視が治ったと思ったらお次は乱視に悩まされる事になってしまった。

眼科に行けば抜いてはくれるのだが、そう頻繁に行くほどの暇もなければ何よりもそれしきの事でわざわざ医者に行くのも煩わしい。ならば自分で抜いてやれとAmazonにて10倍鏡を購入。鏡で我が眼球を見つめながらひたすらまつ毛を抜くのだが、これが中々にして難しい。

成人とも言える黒く太々としたまつ毛ならばつまむことさえ出来たならば素直に抜かれもするのだが、これが産毛ともなればつまむことが出来たとしても「プツン」と途中で切れてしまう、そんなことが多々ある。厄介なことに眼球に影響を及ぼす逆さまつ毛のほとんどがこの産毛なのだ。

「それって、毛抜きに問題があるんじゃないの?」
愚痴というわけではなく、友人との会話の中でこの話をしてみたところ、眼科医などが使用する毛抜きは1本につき諭吉を超えるものが殆どだとか。価格が実力に比例するならば百均の毛抜きでは太刀打ち出来るはずもない。

後日、「これ使ってみて」と関市の刃物会社で制作しているという毛抜きをその友人がくれた。

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Tweezerman from ZWILLING


これは毛抜きらしからぬ中々シャレオツな毛抜きではないか。理由もなく全身の毛という毛を抜いてみたくなる。但し他人の。

さっそく10倍鏡を覗き込みながら忌々しき逆さまつ毛と対峙してみる。

 

おぉっ!抜ける、抜けるぞ!

 

軽くつまんでスっと引くだけで、今まで散々苦労してきた産毛をも千切れることなく簡単に抜くことが出来た。

10倍鏡にしてもそうだが、今までも様々な「道具」の恩恵を受けてきている筈だ。実際、職業がら刃物に関しては人一倍、その実力を知り得る立場にいる筈なのだが、こと自分のことになるとついつい投資を惜しんでしまう。毛抜きひとつで色々と考えさせられた。

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