氷の上のさかな

氷の上にディスプレイされたさかなの様にセカンドライフをキラキラとさせる為に今を頑張ろうといったシュールなお話。

「お好きな格好でどうぞ」と言われても…

月曜日、要するに明日、坊主の就職先の会社説明会が行われるという。

 

「どんな格好して行けばいい?」

「いや、おれに聞かれても…」

 

何せスーツ姿で仕事をしたことなど、大学1年生の時の「岐阜高島屋」催事場でのアルバイト以外、後にも先にも一切ない。就職先では普段着が許されているらしいが、自分で判断出来ぬならば電話をして聞いてみたら?とアドバイスをしておいた。それが1週間前の話だ。

 

「で、どうだって?電話した?」

「いや、メールをしておいた」

「電話の方が手っ取り早いんじゃねぇの?」

「IT系は電話を鬱陶しがる」

「そんなもんなんかねぇ」

ということらしい。

 

もらった返事は

「お好きな格好でどうぞ」

だったらしい。ただ、

「過去には皆さんスーツ姿でした」

だと。

 

「要するに『スーツで来い』ってことじゃんね」

「まぁ、そういうことなんだろうな。ところでネクタイ締められるのか?」

 

「わたしもそれ訊こうと思っとった」

満を持してご登場は坊主の母親だ。

 

「お父さんもね、あ、わたしのお父さんね。擁するにあんたらのお祖父ちゃんもネクタイ締める仕事じゃなかったからわたしも締め方わからんのやて」

父親がネクタイを締める仕事ではなかったから娘のわたしもわからない、という理屈が通るのか通らないのかは別にして、締め方を知らない女性の方が世の中の大多数を占めると思うのは自分の認識不足だろうか。

 

「あのね、お父さん、あ、今度はあんたらのお父さんね、結婚したばかりの時、お父さんの叔父さんが亡くなられてね、一緒に高山市まで葬式に行ったんやて」

 

あぁ、あの話か。もう、何を言い出すのか想像がついた。

 

「その時にね、お父さんがネクタイを自分で結んていたら、お祖母ちゃん、要するにあんたらのひいお祖母ちゃんに『なにボーッとしとんのやさ。結ぶの手伝わんとだちかんさ『何をボーッとしてるの。結ぶのを手伝わないと駄目でしょう)』って怒られたんやて」

「ふぅ~ん、ほんで?」

「そんだけ」

サザエさんでも波平さんのネクタイをフネさんが結ぶシーンを見たことがある様な気がしたが、そういった時代背景に生きてきた人にとって言わずにはいられなかったのだろう。むしろ人に結んでもらう方が抵抗感がありはっきり言って嫌だ。

 

「で、締められるのか?」

「一応、学校で習った。忘れたけど」

まぁ、何度も失敗を重ねながら覚えればよい。結び方にしても今やネットで動画配信の時代だ。「メンズクラブ」や「男子専科」で覚えた自らの中学生時代が懐かしい。

 

で、話の内容には全く関係がないが、夜の現場仕事明け、深夜の西友わず。

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24時間営業はこんな時にとてもありがたい。

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