氷の上のさかな

氷の上にディスプレイされたさかなの様にセカンドライフをキラキラとさせる為に今を頑張ろうといったシュールなお話。

噛めまへんがね

午前診療だけだった掛かり付けの歯医者が、やっと午後診療を始めたので治療途中の歯を診てもらいに行ってきた。

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壁の時計が可愛い


別に診療自粛を言い渡されたわけではないのだろうが、自ら午後診療の自粛を選んだのだそうな。

 

これが今までだったら午前中に診療を受けていたから何も問題はなかったはずなのだが、知ってのように弁当屋の朝は忙しい。互いに都合の悪さが重なり前回治療からは随分と間が空いてしまった。

 

前回は奥から3番目の歯を「さぁ抜きましょうね。どんどん抜きましょう」とまるで歯を抜くことが趣味の様に抜かれてしまったのは君たちのことはともかく自分の記憶には新しいところだ。お次はその奥のクラウン、要するに被せ物を外し、その歯と手前の歯を橋台にしてブリッジ治療を施すという。また長い道のりとなりそうだ。

 

「はい、ではこれから外しますが、歯茎にドリルが当たりますから先ずは麻酔をかけますね、グゥエッヘッヘ」

歯茎に当たらないように外すのは難しいのか?よくわからないが、注射針が5~6回ほど歯茎に射ち込まれた様な気がする。

 

ドリルで何度かガーガーするうちに取れたクラウンがポロっと喉元めがけ転げ落ちる。危うくのどちんこでキャッチし(※イメージです)事なきを得たが、あわよくばゴックンしてしまうところだった。

 

「はい、では今日はここまでにしておきましょうね。次回は型をとって仮の歯を作りますから1時間くらいは時間を見てください、グゥエッヘッヘ」

 

「はい、わかりました」

と席を立とうとすると、

「あ、まだ麻酔が効いていますから、ほっぺた噛まないように気をつけて下さい、グゥエッヘッヘ」

 

前回、抜歯した数ヶ月前には一番奥の歯をこの歯科医で抜歯していたのは君たちはともかく自分の記憶にはまだ新しいところだ。要するに、今回は抜歯した歯と歯の間のクラウンを外したことになる。故に左下の奥歯はほぼ無い無い状態だ。

 

「先生、心配には及びません。ほっぺた噛む歯がありませんから」

「あぁ、そうでしたね、はっはっは」

初めて爽やかに笑う声を聞いたが、自分は全く笑えなかった。

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