歯科医難民ふたたび
車を運転していたら携帯が鳴った。Bluetooth経由でハンズフリー電話に出る。その時点で相手のことは全くわからない。だって、うちのナビ、お馬鹿さんなので相手の名前が出ないんだもん。
「もしもし?」
「恐れ入ります。◯◯歯科ですが」
なんだ、歯医者か。一応、掛かりつけの歯医者だが、いったい何の用だ?
「実はもうしわけないのですが、3月いっぱいで閉院することになりまして…」
「えぇっ!マジで?」
「それで5月2日に予約が入っているじゃないですか」
「はぁ」
「4月いっぱいはそれ以降にご予約頂いている患者さんを診ることが出来るのですが如何いたします?」
「そうですか。ではお願いします」
ということで、4月良日に予約を入れ直した。
またかよ…。以前、通っていた歯医者が同じく閉院し、此度は家の近所でと思い通いだしたのだが又しても閉院とは。コロナ禍に耐えられなかったのだろうか?
しかたない。それでは岐阜弁丸出しだが美人の歯科衛生士さんに最後の挨拶をしに行こう。せっかく仲良くなれたのに残念だ。
と思ったら、既にいねえでやんの。助手の女性はまだ残っていた。ひょっとしたら院長の奥方だったのかも知れない。衛生士がいないとなると、必然的に院長が全てをこなすことになる。とはいえ、お掃除だけなので院長でなくとも事足りる気がしないでもないのだが、そこはやはり専門家でなければいけない決まりでもあるのだろうか?
「はい、これで最後の治療です。お疲れ様でした」
「はい、ありがとうございます」
もう、最後ということなので手に入らないと思い、例の歯周病予防の秘密兵器「ペリオバスターN」という戦隊モノのヒーローチックな名称のアイテムをまとめて購入。
「本当にすみませんでした」
とわびの品として試供品の「デンタルラボ」と同じく試供品のポリデントがもらえた。
そして、又しても歯科医難民になってしまった。