氷の上のさかな

氷の上にディスプレイされたさかなの様にセカンドライフをキラキラとさせる為に今を頑張ろうといったシュールなお話。

憎きはカシューナッツ

カシューナッツを食べていたら「ガキッ」と音がした。口の中に嫌な違和感がある。

 

「あちゃ~」

どうやらまたやっちゃったみたいだ。右奥歯に装填された義歯がどうやら、ではなく確実に崩壊した時に発する断末魔の叫びだった。今までも何度と無く繰り返し経験している。原因は堅いものを噛んだからと勝手に想像していたのだが、翌日、予約無しで向かった歯医者では違うことを言われた。

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因みに以前、通っていた歯医者はコロナの煽りをモロに食らい業績不振で閉院してしまった。たちまち歯科医難民となってしまった自分だったが、もう面倒だとばかりに自宅から最寄りの歯科医に通うことにした。歩いて通える距離にあることは非常に便利と直に感じた。

 

「あなた、噛みしめる癖がありますね」

「はぁ…」

「例えば『はい、口をつむって』と言われた場合、我々でしたら唇だけを閉じるんですが、あなた歯もぐっと噛みしめるでしょ?」

「はぁ…」

自分のことは自分ではよくわからん。わからんことに「はい、そうです」とも言い難いので、どうなんだろ?と首を捻っていると、

「下顎の歯の内側に骨の隆起物が出来ているんです。これは噛みしめる癖がある人の特徴で、そいういった人は下顎の骨が発達してこの部分にコブが出来るんです」

だそうだ。

 

「ここにコブが出来ると下の歯が悪くなって将来的に入れ歯にしなくてはならなくなった時に、入れ歯が当たって痛い思いをするんですよね」

「はぁ…」

 

その後は保険適用外の入れ歯が如何に優れていて良いものかという話を延々と聞かされた挙げ句、壊れた義歯も保険適用外のものにしたらどうかとお薦めされた。

 

「え?今の説明って下の歯を入れ歯にする前提の話ですよね?」

なんだかよくわからないけれど、取り敢えず今、使用している義歯を修理して欲しいとお願いした。

 

それ以上、ゴリ押しされるのであらばもうこの歯医者とはおさらばするつもりではあったが、その後はなにもなく平穏な治療が続いたのでよしとすることにした。ただ商品知識は持っておいて損はないので説明は実に有意義ではあったが、今回の営業にはちょっと無理があったんでないかい?

 

それよりも何よりも、自分に噛みしめる癖があるということを教えてくれたことにより、自身、意識する様になったことは今回の大きな収穫だとそう感じた。もうしばらくこの歯医者とは付き合うことになりそうだ。

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