氷の上のさかな

氷の上にディスプレイされたさかなの様にセカンドライフをキラキラとさせる為に今を頑張ろうといったシュールなお話。

「両替」と「バス」にまつわる物語

 

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話は少し遡る。月曜日の夜に不慮の飲み会が入った。そんな時はいつもの様に一旦、自宅に車を置きに帰る。その後、帰宅はバスを利用するため片道約11.5kmをランニングにて再び通勤する。ただ、生憎その日は雨模様であったため、さすがにご辞退申し上げた。

 

となればバスを使っての通勤となる。消費税が増税され、今まで470円だった運賃も480円に値上げされた。たかが10円。焼け石に水と思われがちだが、バス会社にとっては積算すればきっと大きな金額となるに違いない。

 

そんな中、ふたつ先で齢70はあろうかという、中期高齢の女性が乗車してきた。信号待ちの間に運転手に近づき、何やら会話をしている。どうやら10,000円札しか持ち合わせがないらしく、その両替をお願いしていた。

 

「お客様の中で10,000円両替出来る方はいらっしゃいませんか?」

バス内にアナウンスが広がる。バス内にある両替機で使用出来るのは1,000円までだ。

 

実はこの光景を見るのは自身、二回目となる。以前は学生風の男子だったが、その時は運良くお客様の中に両替が出来る紳士がいらっしゃり事なきを得た。ただ今回はその「お客様の中」の「お客様」が、自分を含め2名しかいなかった。残念ながら万札は財布からはみ出るほど大量に保持していた自分であったが、支払いは全て万札で済ませ「釣りはいらない」といつも断っているので、5,000円札どころか1,000円札の持ち合わせも無かった。ただ右の手の平にはしっかり片道の運賃480円は握り締められている。

 

「じゃ、次回お乗りの時に今回の分もお支払い下さいね」

えっ?そうなんだ?そんな事でいいんだ?と一瞬は思ったものの、考えたみたら自分も同じ経験をしたことがある。飲み会の帰りのバスで降りるはずのバス停を乗り過ごし終点にまで行ってしまったことがある。470円で済むはずだった運賃が520円に跳ね上がってしまった。ところが財布を探ろうも両のポッケを探ろうも40円しか余分に持ち合わせがなく10円足りない。

「じゃ、次回利用することがあったら10円余分に入れておいて下さい」

と運転手様の温情を受けたことがあった。

fish-on-ice.hatenablog.jp

 

ところが、昨日こんなTwitterを取り上げたニュースが目に飛び込んできた。

「さっき久々に整理券式バスに乗ったら、『どなたか万札を崩せませんか?』と車内放送。千円札を沢山持ってたワイ、すぐ名乗り出たら、運転手さんがニコニコしながら何度もお礼を言ってくれたんだけど、当の万札しかなかったおじいさん、なんでずっとこっちを睨んでたんだろう。コワイワー」

 

これに対し、

「古典的な手口」「払わずに降りたかったのでは?」「無賃乗車を目論んでいたのでしょう」などという意見が寄せられた。

 

その後、何度か運転手の「お客様~」に呼応したご婦人の乗客に両替してもらうことができ事なきに至ったのだが、そういった詐欺まがいの事が出来るということを初めて知った。当然、運転手さんもそうは思いたくなくとも無賃乗車を疑っている節はあるんだろうな。その老婦人は何度もペコペコと頭を下げていたので、けしてその様な方とは思いたくはないのだが…。

 

ところで肝心の飲み会だが、調子に乗りすぎてあろうことか終バスに乗り遅れてしまった。一生の不覚。やむなくタクシーで帰ったのだが、バスならば480円で済むところが4830円もかかってしまっただよ。本当に何をやっているのだろうか…。

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