氷の上のさかな

氷の上にディスプレイされたさかなの様にセカンドライフをキラキラとさせる為に今を頑張ろうといったシュールなお話。

サバイバルでは多分死ぬ、を実感した雪山登山@「谷汲山華厳寺・妙法ヶ岳」

「今日は用事があるから車で出かけるので車を移動して下さい」

と嫁からのLINE。自分の車を嫁の車に被せて駐車していたから、それを移動してくれという事だ。我が家はご近所3軒が所有する私道の袋小路にある。よってこういった事が可能となる。が、道交法上では保管場所として認められてはいない。

 

仕事が休みの日はいつも彼女が長女を学校まで歩いて送っていく。昨日に限って用事があるから自動車で送っていくという意味らしい。慌てて車を移動しに向かうと、

「なんで今日はここにとめてあるの?」

と聞かれたので、

「いや、オレも出かけようかと思って」

と答える。彼女が休みの時は無理やりにでも出かける用事を作る事にしているからだ。

 

「何時に帰ってくるの?」

「午前中かな?」

なんだ、そんな短時間か、とは言わぬまでも、明らかにそういった表情を浮かべ物言わずに長女と一緒に出ていった。

 

いや、何時に帰ってこられるなんて正直わかんないし。なにせその日、初めて登る山なんだもん。はい、出かける用事はつまり山登りの事でした。今回は岐阜の人には馴染みが深い、文化庁の日本遺産に選ばれた「西国三十三所観音巡礼」の三十三番目終活の地「谷汲山華厳寺」を擁する山、「妙法ヶ岳」を攻めてみた。「みょうほうがたけ」と読む。

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ここのところ雪も降っていないし天候も良い。山頂の状況はわからぬが、少なくとも麓には仏閣の屋根の上を除いて雪は残っていない。それでは観音様に無事を祈り行ってみよう。

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お賽銭は入れなかったけどね。

 

本堂から約1.8km、標高にして260mの位置に「奥の院」がある。

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そこに至るまでも雪が残っている道はあるにはあったが、踏跡も多く安心して登ることが出来た。問題はそこからだ。思った以上に雪が残っている。行けるのか?てか行くしかないだろ。雪中行軍を覚悟して一歩ずつ歩を進める。

 

いや、めっちゃ埋まるんですけど。膝まで普通に埋まるよこれ。ブーツカバー付けてなかったからブーツの中に雪は入って来るは足を取られて何度もコケるわでいや、もう大騒ぎよ。

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ただただ自分に向き合い、叱咤激励しながら登ること約1時間半。とうとう標高667mの「妙法ヶ岳」山頂を攻略するに至った。

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わーいわーい。

 

さて、まだお昼時には少々早いし座るとこも無いけれど、お決まりのカップ麺タイムと参りましょう。ストーブを用意してぇ、鍋をストーブに乗せてぇ、鍋に水を、水を、えっ、水?ない、水。嘘!水を持ってくるの忘れたー!マジかー!マジ山マジ男かー!

 

慌てるな。慌てるんじゃない。ほら、周りを見回してごらん。そう、雪。雪があるじゃないか。そこで急遽、鍋の蓋を使って雪をホリホリ。なるべく大気に侵されていないであろう雪を鍋に放り込み沸かして見ようと試みた。

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再び鍋をストーブに掛けて蓋を、えっ!蓋、ふたー!蓋が滑り落ちてくー!止まれ止まれ!止まってくれー!

 

止まった。でもそこまで約10mの未踏の距離を取りに行かなきゃいけない。ひょっとしたらオレ遭難するかも。案の定、膝上までズボズボと埋まりながらの10mを進むことになる。たかが10mだが、心境としては平地の1kmに匹敵する。なんとか辿り着くと蓋を持ち帰り、やっと雪をストーブで溶かす作業だ。

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ただ甘かった。雪って思ったよりも全然溶けないんだね。それに鍋いっぱいの雪でも水になればほんの少しでしかない。カップ麺が食べられるほどの水を得ようと思ったらガスボンベが空になるわっ!

 

という事で諦めてすごすごと引き返しましたとさ。必然的に午前中に帰ることが出来なくなってきっと喜んでいる奴がいることだろう。でもホント、帰ってこられてよかったよ。

 

今回の教訓。「雪山は1人で登るものではない」

 

おまけ

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