氷の上のさかな

氷の上にディスプレイされたさかなの様にセカンドライフをキラキラとさせる為に今を頑張ろうといったシュールなお話。

父、娘を連れて「産婦人科」へ行く

「あのねぇ、今日、用事ある?」

用事があるかと不躾に訊かれてもあるに決まってるじゃん。

 

「仕事があるけど」

「そんなことはわかっとる。午前中の話」

マジ、ムカつくんですけど。いつもの事だけど言いたいことがあったら要件から先に言えよ!

 

「なんなんや、いったい!」

「あん子を医者に連れて行って欲しいの」

第一声がそれだったら話がもっとスムーズに収まるだろ。だいたい、長女のことでオレが断ったことなど唯の一度もないだろ。

 

「どうした?」

「なんかさ、股に出来物が出来たらしくて歩くと痛いんだって」

そこへひょこひょこと長女がやって来た。

 

「あん子、痛いの?」

「うん」

と言いながら洗面所へ向かって歩いていった。太ももをなるべく動かさない様に膝から下を使い歩く姿は実に滑稽だった。

 

「平野病院でいいからさ、多分、8時半から受付してくれるから」

「皮膚科か?」

「いや、産婦人科

「う”ぇ~、産婦人科かよぉ」

 

そこでふと思い出した。以前にも同じ症状で長女を同じ病院の産婦人科に連れて行ったことがある。待合室には当然のことながら女性しかおらず、別に見られているわけでは無いもののそこに居るだけで被害妄想に見舞われる気分を味わった。またしてもそれを味わってこいと命じられたわけだ。とはいえ、愛して止まない長女のこと。ここは致し方なしと腹をくくった。

 

始めこそはガラガラな待合室だったが、診察時刻の9時も近くなると案の定、女性ばかりで埋まった。

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ただ老若男女入り乱れではあったが、以前と違い座席が間引いてあったので前回程の窮屈さは感じられなかった。ほっと一息。

 

担当医は名字のみの表示だったので、男性か女性かは判別出来ない。ひたすら女性であることを祈る。だって医者は特別とわかっちゃいるが、父親としては複雑な気分にもなるでしょ、やっぱり。願いは叶い女性の先生だった。それも若くて美人とあらば願ったり叶ったりと来たもんだ。

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で、結果は

「感染性のものかただのニキビの様な出来物かはわかりませんが、少し皮がめくれていますので抗生剤を塗ってガーゼを当てておきました。これで痛みは軽減されると思いますが、お薬を出しておきますので風呂上がりも含め、1日2回塗って下さい」

ということだった。要するに前回と全く一緒。体質なのかな?

 

その後は学校にまで送り届けると就労時間にまでまだ多少の時間があったので軽く走りに出た。黄色いこいつが悪いわけではないのだろうけれど、「セイタカアワダチソウ」が咲く頃になると外に出ただけで途端に涙が溢れ出す。

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原因不明の花粉症の季節がとうとうやって来た。

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