氷の上のさかな

氷の上にディスプレイされたさかなの様にセカンドライフをキラキラとさせる為に今を頑張ろうといったシュールなお話。

水は無料で飲み放題@岐阜県「高賀山」初登頂

「高賀の森水」といえば高橋尚子シドニーオリンピックで金メダルを獲得した際、給水所で使用したドリンクとして一躍有名になった天然水だが、山岳信仰の山として知られる「高賀山」からの湧き水を誰かがそう命名したものを呼ぶ。岐阜県は関市と郡上市にまたがる標高1,224mの山で「こうかさん」とも「こうがさん」とも呼ばれている。

 

この「高賀の森水」だが、「1億年の眠りから目覚めた名水」のキャッチフレーズで未だにAmazon等で販売されている。じゃ、1億年前は寝とったんか?それお前、見たんか?とコピーライターにそう質したいところだが、山の麓の専用施設でも水を汲みに来た人から初穂料として100円を搾取している。えぇ商売やのう。

 

というわけで、此度挑戦したるはこの「高賀山」だ。江戸を遡るその昔には修験者から非常に人気があった山らしく、それこそ溢れんばかりに修験者が集ったとの文献があるらしい。山に修験者が溢れるという光景が想像出来ないのだが、交通機関もない時代にこんなくっそ田にまでテクテクと歩いて来たのだろうか?あ、修験者って空飛べるんだっけ?でも、空を飛べるんだったらわざわざ山に登る必要ないよね?謎が謎を呼び謎が深まるばかりだ。

 

今回の登山の相棒は「おにやんまくん」です。

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「おにやんまくん、よろしくお願いします」

「よろしくどうぞ」

昨今、登山者に人気な「おにやんまくん」は空飛ぶ昆虫最強説を欲しいままにしているスーパー飛翔型昆虫なのだ。なんと、あのオオスズメバチでさえ捕食してしまうという。顔の周りをブンブンと飛び交う快適な登山の邪魔をするアブやらハエやらも「おにやんまくん」がいるだけで寄ってこない。効果があるとされる首まわりに設置していざ出発。

 

登山道は随分と整備され登りやすい。ほぼザレ場とガレ場、ゴーロからなり沢沿いに道が続く。ところどころに名所や奇跡があり中々飽きさせない。1000m級の山としては初心者でも登りやすい山だと感じた。

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登山道には水が溢れている箇所も

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15cmくらいのカエル

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修験者が修行を積んだといわれる岩屋



山頂まで約800mのアタック地点に到達。なんだ?アスファルトの道路が見えるぞ。後に知ったのだが、そこまで車でも来られるのだと。そこから残りの800mを楽しむ方々も中にはいらっしゃるらしい。山岳信仰で修験者が溢れる山じゃなかったのかよ。なんだか途端に興ざめしてしまった。思い直してラストアタック!

 

おいおい、山頂に近づくにつれ虫が大量に飛び交っているじゃねぇか。

「おにやんまくん、頼むよ」

「顔の周りは大丈夫です」

「なんか、お尻とか太ももにアブがいっぱいくっついてるけど」

「顔の周りは大丈夫です」

「あぁ、腕にも!」

「顔の周りは…」

顔だけは幸いにして大丈夫だった。ありがとう「おにやんまくん」。顔が良ければ全て良し。そしてとうとう山頂へ。

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一等三角点

 

「おもっくそガスとるやんけ!」

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四方八方、どこを見ても真っ白けっけ。ま、しゃーない。気を取り直してランチと洒落込みますか。

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合体カップヌードルをズルズルとすすっていると、やにわに雲が取れ一瞬、山々の景色が覗く。この瞬間を逃す手はない。

「撮って撮って、写真撮って!」

と山頂で同じくランチ中の熟女を捕まえるいつものバックショットをお願いする。

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言っておくがわざわざ熟女を捕まえたわけではない。経験上、山頂で出会う女性はまず熟女か老女しかいない。

 

下りは反対方面のコースをチョイス。山頂に「此方からは下りられません」と書いてあったが敢えて無視。したは良いがのっけから後悔の連続だった。急登に次ぐ急登。足元の見えぬ大笹のジャングルに加え、度重なる沢渡りに辟易とする。とはいえ登山の醍醐味と若干のスリルを味わいたいのならば登りも此方をチョイスした方が面白いかもしれない。

 

ついでに飲料水が底をついたので「ままよ」と沢の水をがぶ飲みしてやった。もちろんタダで。実に美味かった。加えて今のところまだ身体に異常を来してはいない。

 

おまけ

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