氷の上のさかな

氷の上にディスプレイされたさかなの様にセカンドライフをキラキラとさせる為に今を頑張ろうといったシュールなお話。

坊主、生意気に有給休暇だってよ。

「あれ?今日って金曜日じゃね?」

 

既にプータロー生活に突入してはいるものの、自分はともかくとして家族のことには心配が及ぶ。娘たちは夏休みだから問題ないが、息子、即ち坊主が出勤の時刻になろうとも中々起きて来ない。いつもならば奴の母親が起こしに来るのだがその気配すらない。

 

そーっと母屋に住む女性陣を見に行った。すると台所にはちゃんと灯りが点っている。

 

「おい、起こさなくていいのか?」

時計を指差しそう言うと、はぁ?という顔つきで、

「そもそも私の仕事じゃないし。弁当は作らせてもらっとるけどね」

 

い、いかん。朝っぱらから不機嫌だ。仕方がない。自分が起こしに行こうと部屋へ向かう。すると

「起こさんでいいゎ。有給とったんやと」

と言葉が追いかけてきた。

 

「なに?有給?まだ新人のくせに生意気な」

「生意気なってもう2年めやん」

「あれ?そうだっけ?」

つーわけに金土日と3連休だと。やっぱり生意気だ。今年に入り休業続きで合算すると既に2ヶ月間ばかり休んではいるが、奴は普通に仕事をしていても年間に130日以上、休みがある。実に羨ましい。今更だが進む道を間違えたと思わされる。

 

で、私だけ仕事な人は不機嫌なまま出ていった。

 

昼飯時になりゴゾゴソと起きてきたので、

「一緒に飯でも行くか?」

と聞けば「行く」と答える。4人が揃った時の行き場は既に決まっている。久しぶりの漫喫だ。

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まだ坊主が高校生の時に中高時代の同級生がここでアルバイトをしていたこともあり、ママさんとは既に顔なじみだ。自分は自分でフリーペーパーに店の広告を顔出しで載せていたこともあり、どこどこの誰々とかなり昔から認識されていた。ジャンルは違えども同業者同士で先行き真っ暗なこのご時世を憂い愚痴をこぼし合ったりしている。そして必ず生まれ変わったら違う職業へ進むと話しを締めくくる。

 

岐阜も5日連続で感染者が300人を超え昨日も過去最多の数字となった様子だ。どんどんと増えてるんだけど、これって来月12日までにある程度は収まるんかしゃん。関係ないけどパラやるのにF1やらんってどゆこと?こっちはどうにも腹に収まらん。関係ないことないか。

 

でもってさすがにこれだけ通えばソフトクリームの盛り付けも上手になるってもんだ。

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