氷の上のさかな

氷の上にディスプレイされたさかなの様にセカンドライフをキラキラとさせる為に今を頑張ろうといったシュールなお話。

枕は逃げることがあるらしい

歯医者の予約のみならず、今回は整形外科にも予約を入れていたことをすっかりと忘れていた。日付を見ると19日。即ち一昨日の予定となっている。予約がなければ診察までに時間が掛かるであろうことは承知の上で翌20日、つまり昨日の午前9時に

「すみません。予約をすっかり忘れてしまってました」

と正直に打ち明け、受付の女性に診察券を差し出した。すると、

「大丈夫ですよ」

と、そう言いながら彼女は僕の瞳を覗き込む様な仕草を見せながらクスリと笑ったんだ。それが僕の彼女との初めての出会いだった。

 

多分、今までもいたにはいたんだけれど覚えていないだけという説もある。正直、どんな顔立ちだったかも今ではすっかり忘れてしまった。

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予約はなかったが比較的早く名前を呼ばれた。先ずは例によって看護師による問診だ。

「どうですか?」

「前回、嘘の様に痛みが消え去ったんですが、それがまたぶり返して来まして」

「前回はレベル3くらいだと仰ってましたね」

「そうですね。今回は5といったところでしょうか?」

因みに痛みの最大を10としてレベルが決められる。然しながら痛みを数値で表すことなど出来っこないので、数字はあくまでもニュアンスのみで実にテキトーだ。

 

「朝が特に痛むんです」

それから数分後、診察室に入ってきた主治医に開口一番そう伝えた。

「う~ん、珍しいですね。普通は午後になり疲れとともに痛みが増してくるもんなんですが」

「実は夜の仕事をしているんです」

夜の仕事と聞いて何を思い浮かべたかはわからぬが、あぁ、と納得した様子だった。

 

「ということは枕が合ってないかも知れませんね。起きた時に枕の上に頭がちゃんと乗ってます?」

「いえ、大抵の場合、胸元辺りにあります」

「あぁ、やっぱり。枕が合ってないと枕が逃げるっていいますから」

枕に足でも生えているのだろうか?

「こう、横になった時に頭が床と平行になる枕にした方が良いですよ」

とその様子を絵にしたフライヤーを取り出し丁寧に説明してくれた。

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「高さをミリ単位でオーダー出来る枕をうちでも取り扱ってますから検討してみて下さい。パンフレットは持って帰っていいですよ」

「あ、はい」

 

そんなところまで気にかけてくれているんだね。で、もって帰りさっそくパンフレットの表紙をペロリとめくる。すると1枚の紙が挟まれていた。そこには

「整形外科枕(ワイドパターン30cm×60cm)44,000円(税込み)」

とあった。

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まぁ、そんなこったろうとは思っていたけれど、非常に興味深くはある。もう少し懐具合に余裕が出来たら考えてみないこともない。考えるだけなら無料で済むし。

 

あと、愛用している枕は抱き枕なのでいつも胸元にあるんだよね。

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