氷の上のさかな

氷の上にディスプレイされたさかなの様にセカンドライフをキラキラとさせる為に今を頑張ろうといったシュールなお話。

「面食い」って死語なの?

食卓におかずが入った弁当箱が並べられていたので、

「なんだ、これ?」

と訊ねると

「今日、あの子、弁当を忘れて会社に行ってまったんやて」

 

…といった事らしい。高校時代にもそういったことはあった。その時はわざわざ嫁がデリバリーをしたのだが今の職場はあまりにも遠過ぎる。といったわけで忘れ去られた弁当が晩の食卓に飾られた。ただ一人前なので量は多くない。

 

「で、昼飯はどうしたって?」

「さぁ、近くのコンビニででも買ったんじゃない?」

 

当の本人がドアのさんを潜るようにして「のそ~っ」と現れたので訊いてみる。

 

「あ”?カフェで食べた」

職場のあるオフィスビルには生意気にもオシャレなカフェがある。

 

「なにを?」

「生姜焼き定食」

カフェの割にメニューは庶民的だ。

 

「幾らで?」

「800円」

価格だけは一丁前にカフェ並みだ。

 

「誰と?」

「ひとりで」

相変わらず寂しい奴だ。

 

「お兄ちゃん、早く彼女をうちに連れてきてよ」

と次女が言う。この言葉からして全くブラコンではないことがわかる。

 

「彼女もいないのに連れてこれるわけねぇだろ」

「選り好みしてるんじゃないの?」

次女から見た坊主の顔の評価はまぁまぁ高い。その気になれば彼女のひとりやふたりは簡単に作れると思う、なんて話を坊主がいないところではよくする。

 

「お前、面食いなの?」

と此度は自分が訊ねると、

「面食いってなに?」

「え…」

 

次女も知らないと答える。長女に至っては当然、知らない。

 

嫁に向かって訊いてみる。

「わかるよ」

 

なにか?面食いってのは慣用句かと思っていたが、ひょっとして流行語なのか?確かに「面」を「食う」だなんて無理やり作られた感が強い言葉だとは思うのだが…。

 

坊主をからかっていたつもりだったが、いきなりのジェネレーションギャップにぶち当たり意気消沈してしまった。

 

誕生日に次女が「父」人形を作ってくれたのは自分だけでなく皆の記憶に新しいところだろう。

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ゴルゴの「命」を彷彿とさせる

「それだけではやっぱ足りんよね~」

と机を追加してくれた。

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シンプルだが中々の高級感だ

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仕事内容もよく把握できている。スマホの文字はなに?

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酒瓶と缶ビールが横たわっているところを見れば飲み干したあとだろう。恐らく既に寝落ちしているころかと。




ありがとう。寄る年波もあって涙もろくなって来ているんだから勘弁してくれ。



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