氷の上のさかな

氷の上にディスプレイされたさかなの様にセカンドライフをキラキラとさせる為に今を頑張ろうといったシュールなお話。

ポケッタブルな居場所

今度こそ予定通りの歯科検診に行ってきた。歯科検診って書くとなにか市町村からハガキか何かがきて無料で出来ますよっぽい言い方に聞こえるかも知れないけれど、単に掛かりつけの歯医者に予約してあった日付に行っただけの話しだ。

 

じゃ、敢えてなぜ「今度こそ」なのかと問われれば、度々「義歯が壊れた」所為でイレギュラーに伺う羽目になっていたからだ。

 

ところがだ、前回、予約もなしにイレギュラーで訪ねた際、帰り際に「次回はご予約通りに8月5日ですよ」と言われていたのをすっかりと忘れてしまっていた。翌6日に

「ごめんちゃい。昨日、予約が入っていたのをすっかりとわすれちゃってましたー」

とお茶目に言い訳をすると、

「待っていたんですよ…」

と悲しそうに返されたので真面目に猛省したのであった。ごめんね、ハニー。あ、見た目がプーさんっぽいから勝手に「ハニー」と呼ばせてもらっているの。

 

というわけで、更に翌7日の午前8時半に予約を入れ直し診てもらった。

「概ねキレイに歯磨きもされてますね」

開口一番、お褒めの言葉を賜ったのだが、

「ここに歯周ポケットがあるんですね」

と先の尖った金属でグイグイされた。

 

「ここは中々ブラシが届かないので磨きにくいんですよね。ほら、ご存知の様に歯周病菌ってのは空気を嫌うんですね。だからこういったポケットに入りたがるんですよ」

いや、そんなこと知らんけど。

 

「なにか良い手立てがあるんですか?」

訝しげに尋ねてみると、当の歯科衛生士は左の口角をあげニヤリと微笑んだ。

 

「はい、ありまぁ~す」

そういうと、

「ここに取りい出したるこの歯ブラシ、そんじょそこらの歯ブラシとはわけが違う」

と奇妙な形をした歯ブラシを取り出すと、自分の歯周ポケットに向かいゴシゴシとブラッシングし始めた。

「ピンポイントで効くんですよね~。わかりますでしょ?」

 

結果、お会計時にその歯ブラシを買わされることになった。

「ブルー、ピンク、イエローとどれがいいですか?」

どれでも良かったけれどイエローを選択。因みに価格は300円だった。300円程度ならばぼったくりとしても許される範囲内だろう。

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しかしながら買ったは良いもののまだ使うには至っていない。我が所有物にはそういった物が腐るほど有り余っている。押しに弱いってことが露呈してるよね。

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