バイバイキーン!とは中々いかない歯科医での話
「あん子ちゃん、お父さんね、今日8時半から歯医者に行かなくちゃいけないから、今日はお母さんと一緒に学校へ行って」
そう、通っているご近所の歯医者は8時半オープンと画期的時刻に診療が始まる。日々時間に追われる生活を強いられている自分の様な人間にとって、これは実にありがたいことなのだ。ただ、日々楽しみにしている長女との同伴通学が出来なくなるのはわずかばかりではあるが残念だ。
「お父さんと一緒に行けなくて寂しい?」
「別に」
当然、答えがこう返ってくるであろうこと想定内だ。少し意地悪な質問をしてみる。
「お母さんと一緒に行けて嬉しい?」
「うん」
ちょっとーっ!そこは同じく「別に」でしょう!まぁ、自分と一緒ならば歩き。嫁は仕事のついでに車で送っていくのでつまりそういうことなんでしょう。じゃなければお父さんは辛くて悲しい。
ま、それは置いといて、久しぶりに歯医者へ行ってきた。前回が8月11日のことなので、実に約3ヶ月ぶりだ。特別どこかが悪くなったからというわけではない。定期的な歯科検診、つまり歯のお掃除だ。以前、通っていた歯医者は月イチペースでの予約制でそれが普通だと思っていたところ、一般的には3ヶ月くらいなんだって?中には半年に一度というところもあると聞く。何が正しいのかはわからないが、自分にとってはこれくらいがちょうど良い。半年も放っておかれると不安になるし、かといって月イチではあまりにも過保護だ。どこか親子の関係に似ている様で似ていないと思いきや似ている様な気がする。
「じゃ、今回も顕微鏡で歯周病菌を見てみましょうね~♡」
ということで、歯の表面に付着する汚れを削り取り顕微鏡で観察する。
「前回が左で今回が右なんやけど、やっぱり前よりちょっと増えとるねぇ」
美人だが岐阜弁丸出しの歯科衛生士が説明をしてくれる。
「この細長いのってなに?」
画面に映る動きはしないが細長く黒い物体が気になり訊いてみた。
「あぁ、これはカビね」
「口の中にカビが生えるの?!」
「生えるっていうか、『おる』って感じかな?増えすぎると問題だけどこんなくらいやったら誰にでもおるでそう気にしんでもええよ」
「そうなんや」
「ペリオバスターまだある?」
以前にも紹介したが、歯周病菌に絶大な殺菌効果をもたらす薬用液体はみがきのことだ。
「あぁ、ちょうど切らしたからそれも貰っておこうかと」
「じゃ、後で出しとくね」
「しかし、歯周病菌も人間の目に見えるくらい大きかったら掃除するのにも楽だろうね」
「そんなん、目に見える大きさのもんが口の中からボロボロと出てきたら気持ち悪いやん」
確かにそれもその通り。
で、お会計ついでにに今回も必殺「薬用ペリオバスターN」を頂戴した。
診察代と合わせ4,100円を高いとみるか安いとみるかは何年か先にわかることとなるだろう、か?