氷の上のさかな

氷の上にディスプレイされたさかなの様にセカンドライフをキラキラとさせる為に今を頑張ろうといったシュールなお話。

守り神来たー!

不覚にも店で寝落ちしてしまった。就業後のことだ。目が覚め時計を見ると深夜2時。スタッフから「お先に帰ります。気をつけてお帰り下さい」とLINEメッセージが入っていた。慌てて身支度を整え帰宅の途に就く。ただ水曜日は市場が休みなので仕入れの心配はない。即ち朝はゆっくりしていられるので安心、かつ心情的にも楽だ。

 

持病の「頚椎症性神経根症(けいついしょうせいしんけいこんしょう)」がまたぞろ顔を覗かせてきた。左手が痺れ肩から上腕にかけて激痛が走る。今までは首をのけぞらせた時のみ痛みが伴う程度だったのが、今回は何をしなくとも腕に金串を刺したが如くの痛みが常駐している。こりゃ敵わぬと先週の土曜日にかかりつけ医まで車を走らせると世間様に乗じて4連休だと。ざけんなよ!

 

てなわけで急遽、開院している医者を探すと地域NO1私立病院の整形外科で診てもらえると知りそちらに舵を切る。厳密にいえばハンドルを回す。原因は予めわかっていたので症例を告げ薬を処方してもらった。「プレガバリン」という神経痛の疼痛を和らげる薬だ。しかしながらこれが全然、効かねぇんだよ。依然、痛みが止まず軽くノイローゼ状態だ。

 

この薬には副作用があり、眠くなることだ。長々とした前置きにお付き合いありがとうございます。つまり、この薬の副作用が冒頭の寝落ちに繋がったことは疑いようのない事実だ、とこれが言いたかった。

 

帰宅した途端に完落ちする。風呂に入るのも面倒だった。朝の目覚めはいつもどおり早いが、前述した通り早朝の仕入れがないので暫し布団の中でウゴウゴルーガ。そろそろ起きてシャワーでも浴びようと台所前を通過すると、嫁が坊主の弁当を作っていた。後ろ姿に向け

「おはよう」

と声をかけるも返事がない。

 

「挨拶くらいできんのか?」

語気を強めて聞こえよがしに独り言をつぶやくと、それに驚き身震いしていた。

 

「ちょっと!そーっと近づいてくるのはやめてよ!」

そんなつもりは毛頭ないしわざわざ驚かす意図もない。じゃあ、どうすればいいんだよ。

 

「いつも足音が聞こえんのやて。足を上げてドスドスと音立てて歩いてきてよ、もう」

想像してみたが明らかに滑稽な光景だ。

 

「悪いけど上品な俺には無理だ」

文句を言う前にちゃんと挨拶をしろよ。

 

ふと網戸を見るとどこから侵入したのだろう?可愛いヤモリちゃんが遊びに来てくれた。

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今夏はドブ川の横に住みながら一切、蚊の被害を受けていない。ひょっとしたら彼(彼女)が助けてくれているのだろうかと淡い恋心を抱くのであった。

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