氷の上のさかな

氷の上にディスプレイされたさかなの様にセカンドライフをキラキラとさせる為に今を頑張ろうといったシュールなお話。

大当たり!

なんだか熱っぽいなと感じはしたが、そこで素直に検温出来ないのが昨今の風潮だ。いや、それは違うだろと仰るあなた。それでもし熱でもあったらどうやって取り繕えばいいんだい?とはいえ、試しに測ってみた。

 

37.5℃だった。まだ気の所為の内に入る体温だ。

 

ところがだ、それも夕方を過ぎそろそろ夕食の時間に差し掛かろうという時間になると容態が急変する。ポ、ポンポンが…、ポンポンが痛いの。ただ痛いというだけでは表現として弱い。激痛が波を打って押し寄せる、そんな感じの痛さだ。とても夕食を食べられる余裕などない。

 

改めて体温を測る。39.4℃にまで上がっていた。もはや気の所為では済まされぬだろう。とにかく腹痛が生半可ない。苦しみながらも横になっていると、何部屋からも先から声が聞こえてくる。

 

「コロナじゃないの?」

まるで他人事だ。聞こえよがしに言うところなどデリカシーの無さはさすがだ。

「誰が熱を出しても面白がってそういうけど、ちょっとは心配したらどうなの?!」

次女が噛み付いてくれたお陰で溜飲が下がる。

 

ありがたくもその後、何度も様子を見に来てくれた。

 

とにかく腹痛で寝られない。当初、胃腸風邪とも思われたが、ここまで酷い痛みは胃腸風邪で経験がない。となるとアレだ。アレしか考えられない。同じ経験を20数年前にバリ島でしたことがある。いわゆる食中毒だ。今でこそ、当時と比べかなり安全になってきている彼の国だが、当時は果物でさえ現地の水で洗われているから安易に口に入れるなと言われていた時代だ。予備知識を得て存分に注意をしていたのだが、まんまとやられてしまった。

 

翌朝になり、変わらぬ腹痛に悶絶していると、

「まだお腹痛いの?」

と次女が様子を見に来てくれた。そして、

百草丸飲みゃ」

と水と百草丸を持ってきてくれた。彼女はいつからか百草丸のシンパとなっている。百草丸を飲んで治れば儲けものと素直に頂くことにした。そのお陰が夕方にはかなり楽になっていた。熱も36.7℃と下がった。プラシーボだとしても効果はあった様だ。

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