まぁ、プロですから
最近、やたらと住宅リフォームのチラシが投函される。近くは数km離れた会社だったり、住所を見たら愛知県の会社だったりもする。おいおい、緊急事態宣言下に県またぎの営業かよ、とこれはまだ可愛い方。どこで電話番号を知ったかいきなり電話がかかってくるケースなどもあった。
先日、自宅の掃除も兼ねてアルバムの整理をしていたら、小学校時代のクラス名簿が出て来た。懐かしさにしばし掃除の手を止め眺めていると、そこには住所、電話番号はおろか親の職業、職場までが書かれていた中に警察官を見つけたので、ひょっとして◯◯組なんてのはないかな?と探してみたがさすがに見当たらなかった。
とそんなことはどうでもよくて、当時と今は全然違う。いや、当時でも良くなかったかも知れないが、なぜ我が家の電話番号を知っている?電話帳にも載せてないのに。
ピンポーン、とチャイムが鳴った。
「ご主人ですか?今、ちょっとこの辺りを回らせて頂いているんですが、屋根を拝見したところ随分と傷んでいる様に見受けられるので修理された方がよろしいかと思いまして…」
名刺を見ると「◯◯◯瓦」とあった。
「そんなんわかるの?」
「まぁ、プロですから。なんでしたら一度屋根の上に登らせて頂いて修理の見積もりでも致しましょうか?」
「それ、タダ?」
「はい、勿論、無料です」
無料ということならばお願いしてみましょう。なにせ築35年になる。所々に傷みが生じてきていることは承知しているのだが、さすがに屋根はわからない。屋根の上をあちらこちらとうろついてカメラでパシャパシャと写真を撮って後ほど見せてくれた。
「かなり手直ししなくちゃなりませんねー。」
「じゃ、取り敢えず見積もりお願いします」
それから1週間後。お次は外壁塗装の会社の営業を名乗る男性がやって来た。
「外壁はまだいいよ。今、先に屋根を修理しないといけないみたいで見積もりを出してもらっているところだし、両方となるとさすがに厳しいから」
とお断りした。
すると、
「あ、屋根ですか?僕でも直せますよ」
と彼が言う。聞けば外壁塗装会社の営業はただのお手伝いで、本職は大工の一人親方だと。
「ちょっと見てみましょうか?」
折角だからと此方にも見積もりをお願いした。
「う~ん、ざっと見せてもらったところ、コーキングで済ませられるところはそれで良しとして、漆喰が剥がれているところは打ち直しをするとして、ざっと40万というところですね。ただ、暫く屋根のことは考えたくないと言われるならば、瓦を1枚ずつ固定しておいた方がいいですね。瓦の数が4,060枚ありますので…、えーっと、合わせて税込みで60万円くらいでどうですか?」
と何となくこんな様なことを言っていた気がした。
「そうなんですね。じゃ、もう1社の方の見積もりが出たらまた連絡します」
とその場のやりとりを済ませた。う~ん、目下無職なのに60万円か。
その2週間後。
「お待たせしました」
と先にお願いした会社からやっと見積もりが出たと連絡があった。一人親方はその場で見積もってくれたけど随分と時間が掛かったよね。さて、オープンザ・プライス!
どど~ん!300万円!厳密に言えば約300万だ。なに、この違い?←で今ここ。
目下のところお悩み中。