カレーとバナナ
夏の麺類と聞けば「そうめん」や「ひやむぎ」、若しくは「冷やし中華」の名前が一般的だろう。ふふふ、君たちは単純だね。はい、私もそうです。ただ「そうめん屋」や「ひやむぎ屋」なんてのはどこをどう探しても中々見つからないだろう。オンメニューされていたところで概ね「うどん屋」だ。それにうどんは手打ちで提供しているかも知れないが、自家製のそうめんを提供する店など皆無に違いない。間違っていたらごめんちゃい。
散々、うどん、ひやむぎで話を振っておいて昨日の自分はといえば急に「蕎麦」が食べたくなった。それも本格的な手打ちそばだ。ご近所にもそば屋はあるがせっかくその思いに達したのだから少々、自宅からは遠かろうが行ってみようと思った。場所はかなりわかり辛い住宅街にある。店名は「淡々(たんたん)」という。近隣県からもその味を求めて訪ねてくるお客がいると聞く。
店休日だった。
なんかね…。本当にオレって運が無いよね。これ、持ってる証拠なんて言う人もいるけど、けっこう本人、真面目に落ち込んだりするわけですよ、ほんま。
仕方ない。近くに別のそば屋はないだろうかとググってみたら、約2km先に基本うどん屋だが蕎麦もオンメニューしている「角浅」という店があった。行ったことは無いが名前はよく聞く。中々の秀逸な料理を提供しているということだ。
「角浅、お前もか」
飲食は水曜休みが多いので、わざわざ火曜日を狙っていったにも関わらずなんたる仕打ち。因みに「淡々」までは自宅から12km。約30分の道のりだ。
ところで「淡々」から「角浅」に向かう途中で気になる看板をみつけた。「カレーとバナナ」と書いてある。
もう、いいや。わかんないけどそこにしちゃえ。
「いらっしゃいませ~、当店、先にお会計をお願いしております。ご注文がお決まりでしたら此方でお伺いしますぅ」
ココリコの田中みたいなおかっぱ頭の男性スタッフから説明を受ける。先に会計?ショッピングモールのフードコートみたいだな。店頭に「カレーとバナナ」と書いてるからには「バナナ」が売り物なのだろうか?素直に従い「バナナミルクカレー」を注文してみた。キャプションには「まさかの組み合わせが奇跡を起こした」と書いてある。
して、登場したカレーはカレールーの上にフレッシュなバナナが浮かんだ冗談でもインスタ映えするとは言えない衝撃のルックスだった。
恐らくルーの中にもバナナが溶け込んでいるのだろう。カレーとしては辛味に欠けるがバランスの良いまろかやな味わいだった。これはこれでいい。ただバナナだけは別に食べたかった。試しにバナナとご飯を同時に口に含んでみたが、もし機会があったとしてもそれは止めておいた方がいい。
もしかしたらこの店は有名店なのだろうか?次から次へと若い女の子がやってくる。男は自分一人だ。ウハウハだ。
そうそう、店名は「Ba7cafe」
たぶん、「バナナカフェ」だと思う。バナナに対する執着心半端ねぇ。バナナをコケにしたら怒り狂うのだろうか?
次回は別のカレーにしてみよう。次回があったらの話だが。カレー屋にしてはまぁまぁ高いし。