氷の上のさかな

氷の上にディスプレイされたさかなの様にセカンドライフをキラキラとさせる為に今を頑張ろうといったシュールなお話。

過保護と言われようが好きでやってることなんで

4月8日に入学式を迎え、晴れて高校生となった長女「あん子」だが、春休み中は起こしても起きなかったのが、通学が始まると自主的に早起きする様になった。学生として多少の自覚はある様だ。

 

日曜日の晩のこと、相談があると嫁がいう。端から嫌な予感しかしない。先ずは開口一番、

「金曜日はなんで遅かったの?」

だった。

 

早朝の仕入れから帰宅する時刻が遅かった理由が知りたいらしい。なんのことはない。週末ということもあり系列店舗からの注文も多ければ、いざ仕入れたとて各店舗ごとに仕分けをせねばならない。当然、それだけ手間がかかるわけだ。その後はそれぞれの店はの配送業務が待っている。この配送業務が10分遅れたが為、帰宅時刻がラッシュアワーに重なってしまうこともある。ただそれだけのことだ。

 

何が聞きたいのかもわからずそう説明すると、

「いや、私の出勤時刻が30分繰り上げになったもんだから、あん子を学校まで送っていくとなるとちょっと早過ぎるんだよね」

 

なんだ。そんなことか。要するにオレに送っていけとそう言いたいわけなんだな。しかし、いつもながら回りくどい。が、なんら問題ない。二つ返事で快諾した。

 

「でもそうなるとこの間みたいに遅れて帰ってこられると困るんだよね」

「なんで?その時はひとりで行かせればいいじゃん」

「だって、歩いて行かせるのって可哀想やん」

「は?車で送ってけってこと?」

 

入学説明会の時に聞いた話では、学校のスクールバスを利用している方も自立を促す為にいずれは民間のバスを利用して通学が出来る様にお願いします、とあった。だったら送っていくにしても車でなく歩きでしょ。

 

てなわけでまだ学校が始まって何日も経過してはいないが、一緒に歩いて通うことにしている。片道約1.5kmの距離は中学校への道のりよりも若干長いが、歩いて行ける範囲にあることは非常に恵まれていると思う。

 

特段、会話はない。ただ自分ひとりが喋っている。たまに相槌が返ることもある。それでも自分にとっては至福の時間だ。校門に来て初めて

「いってらっしゃい」

「いってきます」

と挨拶を交わす。

 

そして後ろ姿を影が見守る。

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