熟女の誘い@「日之出食堂」で「トルコライス」
高校の後輩を騙(かた)る熟女からランチの誘いを受けた。高校時代に後輩として存在していた事実を知らない。ひょっとして国内ロマンス詐欺か?と思ったら、高校時代にお付き合いしていた女性と放送部で一緒だったという。仕方ないから後輩として認知してあげることにした。
食い意地がはった女なので、どこかオシャレな店にでも連れて行ってくれるのかと思ったら、行き先は開業して60年にもなる老舗の大衆食堂「日之出食堂」だった。
オマケに自分から誘っておいて長良川を越えて迎えに来いという。仕方がないから迎えに行ってやった。因みに「日之出食堂」は長良川の北にあるものだから、せっかく渡った川を再び渡って戻らなければならない。食後に送っていくことを考えると2往復させられることになる。
まぁいい。いや、よくない。
二人っきりでは新種のマルチにでも勧誘されそうだったので、「日之出食堂」のすぐ近くで店をかまえるハ…、もとい高血圧を悩みその処方薬として「飲むミノキシジル」を服用したところ副作用で乏しかった頭髪が以前よりも増えたと喜ぶお抱えの酒屋も誘ってみた。
学年は違えども同じ高校ということで多少は話題が合うことだろう。
さて、「日之出食堂」だが、長らく欠けてそのままになっていた看板文字がマニュファクチュアな方法で修繕されていた。
天文学的ネーミングだった「日食堂」からやっと元のネーミングに戻ったということだ。店内は相変わらず老夫婦のみで切り盛りしている。ご主人であるお爺ちゃんは、自分が「日之出食堂」に通い始めた頃からお爺ちゃんで、お爺ちゃんじゃなかった試しが未だかつてない。いったい、いつからお爺ちゃんなんだろ?謎が謎を呼び謎が深まるばかりだ。
デカ盛りとしても有名な店だが、中でも「肉の天ぷら定食」はデカモリアンに人気らしい。さすが大食漢、件の女子はなんら躊躇することなく「肉の天ぷら定食」を注文していた。因みにハ…、もとい「飲むミノキシジル」は「焼き肉定食」、自分は「トルコライス」を注文した。
トルコ風呂は改名を迫られたが「トルコライス」のネーミングには波風が立たなかったのだろうか。別に食べ物だからいいのか。
ふとメニューの営業日を見ると、手書きで木曜日が追加されていた。つまり今までの火・水に木を加え3連休というわけだ。二十歳で店を始めたとしても創業60年で80歳。そりゃ、大変だゎ。今のうちに行っておかないと、近い内に二度と行けなくなる様な気がする。というわけで、まぁまぁ有意義なランチタイムだった様な気がする。
お支払いは完全割り勘だったことを付け加えておこう。