氷の上のさかな

氷の上にディスプレイされたさかなの様にセカンドライフをキラキラとさせる為に今を頑張ろうといったシュールなお話。

いやぁ~、オペラって本当にいいもんですね by 水野晴郎風

昨日は鬼の様にクソ寒い朝だった。サイドミラーにこびりついた霜がまるで毛並みの良い親父の白髪頭の様になっていた。量だけを見れば少し羨ましい。

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この日の午後は、観光地などに置かれた顔出し看板で写真を撮ることと、体当たりが必殺技な岐阜を代表する肉体派ソプラノ歌手、日比野ゆう子ちゃんのソプラノリサイタルが行われるということで、手持ち無沙汰なプータローの利点を活かし拝聴に訪れた。

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平日の午後2時30分開演だなんて、普通プータローくらいしか行けない筈だしそうに決まっている。

 

500名が着座出来る会場は、席を間引いて150名限定とされ、しっかりとコロナ対策が行き届いたものとなっていた。しかし、その150席もほぼ満席という活況ぶりで、無料リサイタルということを差し引いてもこれだけの人を「平日に」集めることは中々難しいことだろう。ひょっとしたらジャイアンばりの力技が働いたのかも知れない。それだけの力量が彼女には間違いなくある。それに、自分と同じくプータローが沢山いたことを知ったことでわずかばかり居心地が良い思いが出来た。

 

中3の長女が時期外れの期末テストということで、給食後に帰宅すると聞き、それならばと学校へ迎えに行き、そこでピックアップして一緒に向かった。何処へ連れて行かれるかも知らず終始無言で不安そうだったが、歌が始まると嬉しそうにしていた。何語で歌っているのか、言葉の意味すら全くわかっていなかっただろうが、歌が好きだし歌うことも好きなことだけは確かだ。特殊な音程を駆使して歌うので、聞く人によれば歌だということがわからないかも知れないが。

 

正直、クラシックの歌唱コンサートというのは生まれて初めて経験したのだが、声量といい、その迫力といい、まさに殺人兵器のそれに等しく、映画「ブリキの太鼓」を思い出してしまった。つまりズキューンと胸を撃ち抜かれたわけだ。いや~、実に感動した!

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ただ、自分にとっても何語で歌っているのか、そして言葉の意味もまぁ~ったくわかりませんでしたがね。

 

「どうだった?楽しかった?」

「うん、音がきれいだった」

ほぅ、なんとも哲学的表現だな。

 

歌のもつポテンシャルを存分に味わったところで、かつてはミュージシャンだった己のことを思い出し、「こんにちくしょー」とふつふつ闘志を燃やすのであった。1年後はこの場所でオレも勝負してやる。それまでに負けじと荒唐無稽な必殺技を考案しておかなくては。

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