氷の上のさかな

氷の上にディスプレイされたさかなの様にセカンドライフをキラキラとさせる為に今を頑張ろうといったシュールなお話。

寒い時には「味噌煮込みうどん」でしょ。でも、そこは蕎麦屋ですから~!残念!そばだけに「蕎麦切り」

見ての通り蕎麦屋だ。

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リーチ一発メンタンピン三色ドラドラバンバンと、店名からは雀荘を彷彿とさせるが、残念ながら歴とした蕎麦屋だ。隣には「ゲゲゲの鬼太郎」が出てきそうな墓場がある。

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けして立地条件が良いとは言い難いが、蕎麦に関しては中々の高評価だ。ただ、大繁盛しているといった話は聞いたことがない。因みに通勤路からは丸見えの場所にある。蕎麦好きとしては一度行ってみたいと思っていたのだが、通勤路にあることでそれが阻害されて来た。逆に職場の近くや自宅の近くにあったならば速やかに訪ねることが出来たかと思う。しかし、仕事が休みとあらばそのどちらにも当てはまらない。

 

ただ、問題がある。嫁が自宅にいた。どうやらタイミング悪く仕事が休みらしい。黙って出て行こうかとも思ったが、下手に行き先を詮索されるのも面倒だ。かといって「昼飯に行ってくる」と声がけするのも、「おんどれ一人で行くのんかい!」と僻まれそうだ。となれば仕方がない。

 

「おい、昼飯に行こうか」

と、こう声をかけるしか無いじゃないの。正直、二人きりで食事に出かけるだなんて第一子が生まれてから唯の一度もない。つまり足掛け20年はなかったということだ。

 

「あ、私はいい。行きたくないから。一人で行ってきて」

「はい、そうしま~す!」

 

といったわけで記録は継続されることになった。

 

店に入ると先客が二名いた。各々お一人様で、いずれも男性客だ。テーブル席はガラガラだったが、敢えて店の隅に備え付けられた壁向きのカウンター席に座る。

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理由はといえばただ隅っこが好きだからだ。「すみっコぐらし」も好きだ。ついでに「ぐでたま」も好きだ。

 

「何にいたしましょう?」

お茶を片手に女将が尋ねてきた。非常に愛想が良い。

 

「うどんありますか?」

重ね重ね言うが、そこは蕎麦屋だ。ただ昨日は身も凍る様な寒さだったので、どうしても「味噌煮込みうどん」が食べたかったのだ。

 

「はい、ありますよ」

ほらね。訊いてみるもんだ。

 

「では味噌煮込みうどんを…」

「ごめんなさい。それは無いです」

ガーン!!

 

「じゃ、ざるそばでいいです」

蕎麦屋に来ておいて「ざるそば『で』いいです」とは随分と失礼なことを言ってしまったのではないかと後に猛省したのだが、意にも介さないかの様に再び愛想よく「ざるそば」を運んで来てくれた。

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おっと、刻み海苔じゃなくて揉み海苔だ。

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手打ち蕎麦を標榜するだけあって、これもまたそれを盛り上げる演出となり中々よいではないか。蕎麦の味もまたよし。価格もまた780円と手打ち蕎麦屋にしては家族連れにも敷居が低い。

ただ、どうせならば「かけそば」にしておけば良かった。店の外に出るや否やその寒さに身震いし後悔することとなった。

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