Meet With「であい」で昭和を堪能する
「えっ?あれ?やらかした?」
二十数年、市場へ通い、市場休場日など身体が覚え込んでいると自負していたのだが、長い間の休業でどうやら勘まで鈍ったらしい。久しぶりに市場に顔を出すと休みだった。
考えてみたらお盆じゃん。全ての人が自分のようなプータローとはわけが違う。まぁ、せいぜい思う存分、安らかに休んでくれたまへ。
さて、困った。このまますごすごと帰宅するのも癪だ。よし、ならば久しぶりに喫茶店でモーニングでも堪能しようじゃないか。同じ岐阜市でも市場から正反対の北側にCOFFEE HOUSE「であい」という名の以前から気になっていた店がある。この際だ。行ってみよう。
午前7時のオープンには少々、早いが到着してしまった。
てか、もう駐車場いっぱいだし。その多くは軽トラだ。自ずと畑帰りの方々がたむろする店だと想像出来る。
店の外観は如何にも昭和なレンガ造りだ。
時刻はジャスト7時。扉を開けると案の定、老老介護な面々のほぼ坩堝状態と化している。
見渡すかぎり老人だ。確実に自分は彼らより10~20歳は若い。これはこれである意味、落ち着ける。つまり自分もそちら側に近づきつつあるという、何よりもの証だな。
モーニングは見た目からオーソドックスだがそれで十分。ゆで玉子さえあれば自分は満足だ。
ただ、もうちょっと剥きやすいゆで玉子にして欲しかったけど。
しかし、客層に全く媚びることのないBGMも最高だね。まさかのアース・ウィンド・アンド・ファイアーだよ。その後、プリンスの「パープル・レイン」が流れる。店主の趣味か?
そして、何の趣向がトイレ横には「待合室」が完備されている。
ここをどのように利用したら良いのか聞こうと思っていたのに聞きそびれてしまった。一生の不覚。
帰り間際のレジにてママさんに例のごとく話しかけてみた。
「いい店ですね。何年くらいやられてるんですか?」
「ちょっと、私の年齢を聞かれているみたいで恥ずかしいじゃないの」
中々、ウィットに富んだ受け答えだ。
「50年よ。ちょうど50年」
「50年も!やはり、いい店は息が長いですね」
50年の歳月を経て尚、綺麗なママさんだった。きっと50年前はママ目当ての客で相当、賑わっていたことだろう。それが今に至るってわけなんだな、きっと。