氷の上のさかな

氷の上にディスプレイされたさかなの様にセカンドライフをキラキラとさせる為に今を頑張ろうといったシュールなお話。

因縁の岐阜ソウルフード(自分は食べてないけどね)

二週続けての雨の日曜日。洗車を諦めさせてくれたことに感謝はするが、アクティビティな活動に制限をもたらした事には大いに抗議&罵倒をさせて頂く。ざけんなよ。

 

とはいえ、連日の激務に疲弊した我が身を癒すのには絶好の日和と言えるのかも知れない。午前中はこれでもかという程にダラダラと無為な時間を費やした。

 

午後も1時を過ぎたが、まだ雨は止む気配を見せることはない。腹を空かせた娘2号が耐えきれなかったを見え、先日、買ってあげた洋服を身に着けそれをお披露目するかの様に昼飯の催促に自室までやって来た。

 

「よし、そろそろ出かけるか」

どちらにせよ、昨日中にやっておかねばならない買い物が控えていた。で、その前に腹ごなしをば。

 

 目的地までの半ばに、岐阜に於いては超メジャーな蕎麦屋から、暖簾分けをされた店がある。親の店名は「更科」だが、こちらの方はググると頭に「信州そば」が冠せられ、「信州そば 更科」となってはいる。が、門構えはただの「そば処」だ。

 

以前からそこにあることは知ってはいたが、今の今まで行ったことがなかった。雨の日には何気に思い出される店だ。

 

今から約30年前。長良川を車で南下し、忠節橋を渡り切り下りに差し掛かったところで、車の後部に大きな衝撃を受けた。昨日の様に雨が降りしきる日だった。あわてて車から降り確認すると、後ろを走る軽自動車が自分の車にめり込んでいた。いわゆるオカマを掘られたわけだ。運転手は四十路そこそこの女性で、見ると額に大きなたんこぶをこしらえていた。当時はまだシートベルト着用が義務化されていなかったので、恐らく彼女はシートベルトを装着せず、事故の衝撃でフロントガラスに頭から突っ込んだのだろう。

 

正直、車の被害はそこそこあったものの、身体的には自分よりもむしろ彼女の方が圧倒的だった。

 

実はその女性こそが昨日、訪ねた店の女将だった。加害者でありながら怪我人なので、事故に関する渉外はご主人が請け負ったのだが、当時は自分も既に飲食に従事する身だったので、事故の責任云々よりも飲食話に花が咲いたことを覚えている。

 

店に入ると老齢の女性が愛想よくお出迎えしてくれた。自分も記憶は曖昧だが、当時の女将さんに間違いない。ただ、当然と言えば当然。向こうには此方の記憶は一切なかっただろう。

 

岐阜の「更科」といえば、暖簾分けをされた店を含め本店から独立した店に於いても「冷やしたぬき」がメジャーメニューだ。ソウルフードとまで呼ぶ固定客もいるくらいだ。当然、そうとなれば自分もその風潮を踏襲し注文するのが筋というものだろう。



「すみません。カレーそば下さい」

人と違うことを何よりも愛すアンチテーザーなの。演出の為だけに長女には「冷やしたぬき」を注文してもらった。

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蕎麦じゃなくうどんの方だけどね。 

 

で、当の「カレーそば」だが、何故か突出して価格が高い。

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その値段を見て一瞬どころか暫し黙考し、価格付けの意味合いを想像しながらその秘密が知りたくてついつい注文してしまった。さて、どの様なものが出てくるのだろうか?

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結果、いわゆる普通の「カレーそば」だった。

ただ、量が多い!食べれど食べれど中身が減っていかない。

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結局、真相はわからぬままに店を後にした。当然、彼女は自分のことを全く覚えてはいなかったが、リップサービスを含め心温まる対応には娘たちが特に気をよくしていた。

 

ただ、当時のご主人の姿はついぞ見かけることはなかったが、息子さんであろうか?中年域に差し掛かろうといった若い男性が厨房を切り盛りしていた。30年も経てば世代が変わっても当然だろう。ご無事であることを祈りたい。

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