「K(緊張して)F(不甲斐なかった)C(チキン野郎)」
懸念された台風だったが、いざ蓋を開けてみれば思いのほか穏やかに通り過ぎ、本日は台風一過の好天に恵まれる予報だ。というか、そもそも台風を収める器などは存在しないので、開けるべき蓋も存在しない。またどうでも良いことを呟いてしまった。予想最高気温は28~29℃。黄ばみつつある広葉樹も真っ青になるほど一気に季節が逆戻りしそうだ。
天候の回復はもう一歩先の話として、雨があがりもう降る心配もなくなれば週末の繁華街は必然的に賑わうことになる。ここ最近の週末は、コロナの影響などまるで感じさせぬ程、人が戻ってきた感がある。となれば店の方も開店ダッシュが予想されることから、のんびりと食事などに時間を費やしている暇などない。
その様な時に便利などはドライブスルーを擁するファストフードだ。如何にも自分はよく知ってます風を装ってはいるが、ドライブスルー…。正直スルーしたくなるほど苦手だ。何が苦手かといえば注文することが苦手なのだ。
ほら、椅子に座って注文するときってメニュー表があるじゃんね?で、注文がお決まりになりましたらスタッフがお伺いに来るわけよ。中には言葉にする事も面倒くさそうに、メニューを指差して「これとこれ」なんて人も見えるわけだが、これって注文を伺う人にとっては意外と間違いがなくわかりやすかったりするんだよね。加えて「えぇ~っと…。じゃ、この枝豆と、このフランス産フォアグラのテリーヌ トリュフとブッフサレ リ・ド・ヴォとレンズ豆のガトー仕立て頂戴。なるべく早くね。あ、あと熱燗一合」なんてオーダーしてもらえると目と耳で確認が出来るから楽チンだと思わない?
でもドライブスルーって指で差せないじゃん。だから間違ったことを言わない様に、言わない様にってすごく緊張しちゃうんだよ。で、たまたまだ。たまたまとは言ってもあのたまたまではない。偶然に、という意味合いを含めたたまたまだ。たまたま覗いた「スマートニュース」のアプリにケンタッキーフライドチキン、略して「KFC」のクーポンが出ていた。
『チキンフィレサンド+クリスピー+ビスケット』通常価格(税込)¥850→クーポン価格(税込)¥590と書かれている。
おおぉぉ~っ!たまたま見た割りにはお値打ちじゃないの。さっそくドライブスルーのマイク前に時速300kmからの慣性ドリフトで横付けした。
「ご注文はお決まりですか?」
「あ、はい。えぇ~っと、チキンフィレサンド…(+はどうやって言ったらいいんだ?)プ、プラス、クリスピープラスビスケットってのをお願いします」
「はい、チキンフィレサンドクリスピービスケットでよろしいですね?」
「あ、はい。(+はどこ行ったんだよ)」
「チキンフィレを和風チキンカツに変更も出来ますがよろしいですか?」
「(なんだかわかんないけど)あ、じゃそれでお願いします」
「はい、では車を前にお進めください」
ミッションコンプリート!なんだ、たわいもない。指差しなどしなくてもオーダー出来るじゃん。ナァ皆 オレってビッグ (Yeah) よ~し ナァ皆 オレってグレイト (Yeah) よ~し そこんとこヨロシク!てなもんだい!
「ありがとうございます。お会計¥850円になります」
し、しまった!クーポンがあることを伝え忘れた!今からでも間に合うのだろうか。
「すみません。クーポンがあるんですが…」
とクーポン番号を提示すると、
「あ、はい。かしこまりました。お値段変わりまして¥590になります」
ふぅ~っ!あぶねぇ、あぶねぇ、危うく正規の値段で買わされるところだったぜ。それにしてもさすが「KFC」。やっぱ持つべきものは「KFC」だゎ。持てんけど。
というわけで初めて食べた『和風チキンカツ+クリスピー+ビスケット』はボリュームもさる事ながら味も格段に良かった。ま、コスパから来る味覚の迷いかも知れんけど。
そんな事よりも『クリスピー』が商品名なのが今ひとつ納得出来ずにいた。で、案の定、昨晩はアホほど忙しかった。