ミシュランの星の味を求めて@下呂温泉「仲佐(なかさ)」
遡ること高校時代の話になるが、定期テストが迫ると必ず一緒にテスト勉強をしようと我が家へやって来る同級生がいた。自宅も近所で何度か同じクラスにもなったことがあった。ある意味、幼馴染といえなくもない。
ある時、土産にとポテトチップ持参でやって来たのだが、教科書と一緒にもうひとつの土産として漫画本を持ってきたことがあった。面白いから読んでみろという。タイトルは「ケンタウロスの伝説」という、とあるバイカーの物語だ。バイク好きの彼に比して、自分は全くバイクに興味が無かったが頂けるものならばと取り敢えず頂いておいた。
自分との勉強の甲斐あって?自分よりもわずかばかり出来の良かった彼だったが、みごと地元の国立大学に受かり、高校を卒業するとさっそく免許を取得し念願のバイクを手に入れた。しかし、その後、自らの過失でバイクによる事故をおこし、わずか19年でその生涯を閉じてしまうことになる。
その彼に貰った「ケンタウロスの伝説」だが、内容は概ねドキュメンタリーで、モデルになった実在の人物が実際にいるということだった。その彼が仲間たちと一緒に横浜から神戸にある喫茶店までコーヒーを飲みに行くためだけに日帰りの高速ツーリングをする通称「600マイル・ブレンド」という話がある。主人公もそれに加わるが、到底ついていけなかったという内容だったかと思う。
そこでだ、600マイルには及ばぬまでも、ブレンドならぬ「蕎麦」を食べに行くだけの目的で日帰りツーリングをしてもいいじゃないかと、ふと思い立ったわけだ。行き先は下呂温泉で名高い下呂市。市のマスコットキャラクターは「げろぐるくん」で下呂警察署のそれは「ゲロッピィ」。いずれもカエルがモチーフだ。そして観光大使を務めるのは青空球児だ(嘘)
そんな猫も杓子も「ゲロゲロ」鳴いている下呂市だが、偉そうにミシュランガイドの一つ星を獲得した蕎麦屋がある。「仲佐(なかさ)」だ。この度はその蕎麦屋を目指し、国道41号を時速300kmで北上した。
11時30分の開店時刻に合わせて向かったものの、11時過ぎと思いの外、早めに着いてしまったのだが、既に開店を今か今かと待ちわびる客もおり、逆に早く着いて良かったのかも知れない、じゃなくて確実に良かった。
グルメ評論家ではないので、論評は避けたいが、いわゆるお上品系の蕎麦屋かと感じた。その気になれば一口で食べてしまえる程の量だったが、鼻に抜ける蕎麦の香りにその歯ごたえや味わいは星を貰うだけあってさすがの拘りが感じられた。薬味がワサビではなく辛味大根というのも乙なものだ。
さて、帰るか。
と思ったのだが、何故か車にはタオルもあったし、なんと!偶然にも駐車場の横に「足湯」なんて洒落たものがあるじゃあーりませんか!ここはちょっと寄り道ならぬ寄り湯しとかなあかんでしょ。ということで、不本意ながら足湯に10分くらい浸かり下呂温泉での旅情気分を満喫したのだった。
あ、そうそう。ついでに「ゆあみ屋」で食べたソフトクリームに温泉たまごがトッピングされた『温玉ソフト』も美味しかったな~♫
メニューにあった『ほんわかプリン』も気になるし。またゆっくり来てみよっと。では、さようなら。
おまけ。
かつて下呂温泉にあったストリップ劇場。