氷の上のさかな

氷の上にディスプレイされたさかなの様にセカンドライフをキラキラとさせる為に今を頑張ろうといったシュールなお話。

太ったおば、もといマダムの攻勢にもめげない店主@手作りパンカフェ「なゆた」

「なゆた」

 

恐らくは数を表す仏教用語那由他」のことだろうが、その意味は「極めて大きな数量」ということらしい。ではそれよりも更に上の単位である「不可思議」や「無量大数」はどうなるの?

 

「不可思議」は極めて大きな数量よりも大きな数量であり、「無量大数」は極めて大きな数量よりも大きな数量よりも大きな数量、となるのか?残念ながらそうはならないらしい。一説によれば、数としての概念は「那由他」が最高峰で、よってそれ以上の単位は人知が及ばぬ「不可思議」なもので、「量が無いほどに大きな数」ということらしい。わかった様なわからぬ様な…。

 

で、お久しぶりです。ご近所探訪のコーナーです。ねぇよ、そんなコーナー。ということで、今回が記念すべき最初で最後の第一回となること請け合いの触れ合いパン祭りのコーナーです。

 

人知れずひっそりと、小さなパン屋が営まれているという情報をある特殊機関から入手した。名は「なゆた」という。それも子ども達が通う学校の校区にあるらしい。さっそく、その情報を元に訪ねてみることにした。今回の移動手段は車だ。

 

「目印はないが神社を超えて左」

と言われるがまま左折したその道は、先々に草木がうっそうと茂る車のすれ違いができぬ程の細い道だった。

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「本当にこんな所にパン屋があるのかよ」

と大勢いたならば誰もが疑う中、恐る恐る徐行しながら走り続けること数十秒、なんと!左手側にそれらしき店構えを発見。

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さっそく車を止め訪問してみた。

 

戸を開ける。

「あの、もうよろしいですか?」

時刻は午前11時15分。戸の向こうには女性がひとり、例えるならば眼鏡をかけた野比のび太の様な女性だ。。こちらに気がつき慌ててマスクを装着していた。

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自分が訪れると立て続けにひとりの太ったおば、もといマダムがバタバタと店に入ってきた。

「おぉ~くさん、すぐそこ!救急車が止まっとったよ!何があったんかね」

自分の問いかけに対する店主の返事を待たずして、おば、もといマダムが喚き散らしだしたが、それをグイと阻止して、

「はい、もう大丈夫ですよ」

と力強く答えが返ってきた。見た目はそのおば、もといマダムよりも半分ほどの体躯だが、実は中々の強者なのかも。

 

「いつからこの店をやられているんですか?」

との問いかけに、

「そうやねぇ~、もう8年くらいにならへんかね、ねぇ?」

とおば、もといマダムが答える。あなたには訊いていない、が

「8年になります」

と店主から正式な答えを頂いた。

 

長くなりそうだったので、とっさに選んだ2品をカウンターに置き購入。「なすのボロネーゼ風」と「レモン・シトロン」だ。

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「またご贔屓にしたってね」

「はい、また来ます」

最後の最後まで物静かな店主の代わりをおば、もといマダムが努めていた。逆にこういった人が寄る店ということは悪い店ではない証拠だろう。なにせ敵に回すと一番怖いタイプだからだ。

 

味について特筆することはないが、それはどこのパン屋にしても同じことと以前にも言った。逆に悪くなければそれでいい。イコール、良かったということで、今回も店主とのやり取りをも含め立地以外は十分に満足した。

 

※地図を見ると行き止まりになっている様に見えるが、本当に行き止まりだった。Uターンは出来ないし引き返すのが大変だった。

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