氷の上のさかな

氷の上にディスプレイされたさかなの様にセカンドライフをキラキラとさせる為に今を頑張ろうといったシュールなお話。

変なゴキブリ来襲!

仕入れからの事務処理からの一時帰宅、

「ただいま~」

と元気よく挨拶をすると、

「おかえり~」

とこれまた輪をかけた元気な声で挨拶が返ってくる。う~ん、実に気持ちがいいもんだね。子ども達の夏休みが始まったことがこんなところでも実感出来る。

 

帰宅し誰もいないことを寂しいなどと思ったことは一度もないが、気持ちよく迎えられることが嫌いな者はそういないだろう。少なくとも辛気臭い挨拶で迎え入れられるよりは誰もいない方がまだマシだ。これ以上のことについては想像にお任せする。

 

「わたし、友達のうちに遊びに行ってくるで」

「えっ?」

「あかんの?」

「いや、ダメなわけじゃないけど、帰ってくるなり出かけることはないじゃん」

 

まるで自分が帰ってきたから逃げる様に出て行くみたいじゃないか。

「いや、たまたまやって。ヒマやったらこれでも見ときゃ」

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「なんじゃこれニョロニョロか?」

「ニョロニョロってなに?」

「ニョロニョロっていったらムーミンの…まぁいい」

ムーミンに登場することは知っていても正体の説明まで求められると面倒だからやめておいた。

 

「手の描き方の練習」

「なんか気持ち悪いな」

「じゃ、時間ないで行くね」

「はい、行ってらっしゃい」

 

因みに長女はその間、ずーっとiPadとにらめっこしながら画面上でお絵描きをしていた。姉妹揃って絵を描くのが昔から好きだ。恐らく父親のDNAが色濃く遺伝したのだろう。

 

「きゃーっ!!いやぁ~っ!!」

と出て行ったはずの次女の悲鳴が自転車置き場から聞こえてきた。

「お父さん、お父さん、ちょっと来て!変なゴキブリがおる!」

 

変なゴキブリ?ゴキブリに変もクソもあるか。強いて言うならばゴキブリそのものが変だと言えるかも知れない。

 

「どこ?」「そこ」「お?おぉーっ!」「なに?」「どこがゴキブリやねん!」

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実に小学校以来のご対面だ。

「これはカミキリムシだよ。ゴマダラカミキリっていって、昔はよく捕まえにいったもんだ。懐かしいな~」

「ふぅ~ん、ゴキブリじゃないの?」

「おまえに言わせるとカブトムシもゴキブリになりかねんな。というか時間はいいのか?」

「あ、遅刻や。ま、別に家に行くだけだからいいんだけどね。じゃ、行ってきます」

ほんの5~6分の出来事だったが、内容のある5~6分だった、か?

 

因みにカミキリムシは放置しておいたら夕方いはいなくなっていた。またいつかお会いいたしましょう。

 

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