氷の上のさかな

氷の上にディスプレイされたさかなの様にセカンドライフをキラキラとさせる為に今を頑張ろうといったシュールなお話。

運の良さと運動神経のはき違え

習い始めたものの、1年を経ずコロナで頓挫してしまった次女が通う合気道だが、この7月からやっと再開されるという。ただ、以前の様に公共の体育館は使わせてもらえないらしく、本部道場で稽古が行われる。

 

待ちわびた生徒もいれば、中には長い休業期間中にテンションが下がってしまった生徒もいることだろう。次女に関しては残念ながら後者に属する。ただ合気道が嫌いになったわけではなく、親の負担も考えてのことだ。今まで送り迎えをしていた自分に仕事の都合上、それが出来なくなった。結果、6月末日をもって辞めさせて頂くこととなった。ただ部活動も始まるしね、身体を鍛えようと思うのならば何も合気道に限ったことではない。

 

さて、その部活動だが、かつては陸上部に入部する旨を口にしていた。父親がそうだったこともあり、オマケに自称現役アスリートだ。よくぞ、父の背中を追いかけて来てくれたものだとその感動物語に全米が泣いた

 

「お父さん、私やっぱり剣道やるわ」

「はっ?」

「剣道でもあん子のこと守れるでしょ?」

動機にブレがない。合気道を習うと言い始めたのも、なにかと不自由な姉のことを守るといった理由だった。

「女流剣士か。いいな、それ!剣道いいじゃん」

知っての通り、自分は格闘技が好きだ。ただ、こと部活動に於いて、まさか格闘技に次女の目が向けられるとは想像もしていなかったので一も二もなく賛成した。

 

「でも、剣道ってお金が掛かりそうだけどいいの?」

「心配するな。多分、大丈夫」

お金掛かるの?その辺りのことはまるでわからないのでテキトーにお茶を濁しておいた。

 

「あんたは私と一緒で運動神経がいいから大丈夫やゎ」

同じ大丈夫でも今、話しているのはお金の話なんですけど。またいつもの如く娘達の母親が嘴を突っ込んできた。

「この間、お母さん脚立から落っこちたやんね」

「うん、そういえば落ちたね」

何をしていたかは知らないが、脚立の最上段から地面に転落したことを言っているらしい。

「でも、全然平気やったやん?」

「そやね」

「それはね、運動神経がいいから落ち方が良かったからなんやよ」

「そうなんや」

 

それは運が良かっただけという。何日も何日も「痛い痛い」と繰り返していたことを覚えていないとは言わせない。それにそもそも運動神経が良ければ脚立から落ちるなんてことはない。素直過ぎるくらい素直な性格な次女なので、与太話を真に受けないで欲しい。

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