旬の走り屋「紅葉はどこだ?」@川浦(かおれ)渓谷&モネの池
季節の先を行く男、なんてもんじゃない。10月も下旬の下旬、残すところあと4日しかないというのに紅葉の名所はつれない景色しか見せてくれなかった。いつになったらオレを魅せてくれるんだい?
自宅から約1時間。元は岐阜県武儀郡にあった板取村に「川浦(かおれ)渓谷」と呼ばれる風光明媚な観光名所がある。
今では市民全員が腰に刀をぶら下げ、主食はうな丼と言われる岐阜県関市に併合され関市板取となってしまったが、見た目と中身は相変わらず村のままだ。
因みに住人の6割以上が「長屋」姓で、村として最後の村議会議員選挙では定数12のところ立候補した14名中、13名が「長屋」姓であったことからテレビなどでも取り沙汰されたことがある。
「美濃・飛騨紅葉33選」にも選ばれているこの「川浦渓谷」だが、高さ40mにも及ぶといわれる切り立った崖に掛かった橋から下を覗き込むと、飛沫をあげて流れる川の水面に湛えられたエメラルドグリーンに、赤く色づいた木々の葉が絶妙なコントラストを醸し出し、観るもの全てを魅了すると聞いている。昨日は残念ながらそれに全く及ばなかった。
そうでなくとも美しい景色は十分に堪能出来たので良かったと思うことにしよう。ただ高所恐怖症の長女は橋の欄干に近づくことも出来なかったし、その反面、次女は高いところが煙よりも大好物なのだが、渓谷に沿って建てられたフェンスの至る所に背筋が凍るほどのおぞましい数のカメムシが蔓延っていたため同じく近づくことが出来なかった。確かにこれには虫が苦手でもない自分もかなりドン引きした。
昼食は「森の駅」で蕎麦をすすった。年配の女性ばかりで運営しているこの店だが、期待せず入ったところ、自分ですり下ろす本わさびが添えられていたことに先ずは感嘆し、何よりも本格的で丁寧な作りの手打ちそばに驚かされた。それが5年前の話だ。当時はざる蕎麦に赤飯、惣菜盛り合わせに漬物、デザートが付いて750円だったが、今回は980円に値上げされていた。まぁ、それでもそんじょそこらの高飛車な蕎麦屋よりはお値打ちかと思う。
因みにランチタイムはダダ混みで、そばにありつくまでに約30分も待たされた。5年前はすんなり入れたこの店が繁盛しだしたのも、これより南にある今や観光バスまでもが乗り付ける岐阜県の新名所、誰が呼んだか「モネの池」のせい、お陰?まぁ、捉え方は人それぞれだが、とにかくそういうことらしい。
当の「モネの池」は相変わらず駐車場からごった返していたが、時間つぶしと腹ごなしにと久しぶりに寄ってみた。5年前に寄った時には人っ子一人いなかったのがまるで嘘の様な人ごみで、それを掻き分け掻き分けミーハーにも撮影だけはしておいた。正直、写真に騙された人が来客の大多数かと思う。
これで今週もつつがなく終えることが出来た。さて、帰って飲もう。と、まだ陽も高かったが気持ちは既に夜に向け全開モードで突入した。お疲れ様でした。