氷の上のさかな

氷の上にディスプレイされたさかなの様にセカンドライフをキラキラとさせる為に今を頑張ろうといったシュールなお話。

敷居を高くされたら蕎麦にしても迷惑だと思う

今は昔、それはまだ子どもが生まれたばかりの時じゃった。新しく蕎麦屋が出来たと雑誌で目にし、では行ってみようと3人で向かった先は古民家を改造した中々おしゃれな店だった。なんでも蕎麦好きな亭主が日本全国の蕎麦屋を食べ歩き研究を重ねた挙げ句、脱サラしてえいやっ!と開業してしまったそうな。口コミでよい噂が広がりそこそこの繁盛店となった。が、何故か突然、店を引き払い遠方に移転してしまう。


時を経て、ショートトリップがてらその店に行ってみようと決行した。久しぶりにあの蕎麦を味わおう。期待に胸を膨らませ到着した先は見た目、普通の蕎麦屋だった。が、以前と異なるのはやたらとしきたりが多い蕎麦屋だったことだ。つまり、自ら敷居を高くしてしまっていた。


まだ2歳の坊主を膝にのせ抱っこしていたら、

「お子様を自由に歩かせないでくださいね」


夫婦で会話をしていたら、

「お声のボリュームを抑えてお願いします」

って、周りを見回しても自分達しかいないんですけど!


つまり貸切状態にも関わらずうるさく言ってくる。価格も超一流店並みとなっていた。もう二度と行かねぇ。と思ったのは自分だけでは無かったのだろう。ほどなくして店ごと消えていた。移転した話も聞いていないので恐らく廃業したのだろう。商品にこだわるのは勝手だが敷居の高さは客が決めることだ。勘違いはよくない。


というわけで、極めてリーズナブルな蕎麦屋へと行ってきた。以前は岐阜県瑞穂市という富有柿発祥の地ということだけが自慢の場所にあったのだが、今は軍用機数岐阜県一という各務原、通称かがみっぱらに場所を移し営んでいる。店名「森そば」だ。

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以前は民家を利用しお座敷や縁側に席を設けてあったのだが、此方は明らかにそこらにある店だった。いや、全く問題ない。逆に正座や胡座が苦手な自分にとっては椅子席の方がはるかに嬉しい。

 

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席に着くと

「券売機でチケットをお買い求め下さい」

と案内される。

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「お待たせしました。中華麺の並盛です」

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そう、ここでは蕎麦か中華麺かのどちらか選ぶことが出来るんだよ。てか、蕎麦を食べにきたんじゃないんかーい!だって、券売機の横に「中華麺の方お知らせください」なんて書いてあるんだもん。食べてみたくなるよね?


頭が痛くなるほどキンキンに冷やされた中華麺はシコシコとした歯ざわりで風味も抜群。つけダレには動物性の出汁(たぶん鴨)も加わりおいしゅうございました。


「お待たせしました。中華そばです」

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また中華かよ!はい、冷たいものを食べると温かいものが食べたくなるじゃないですかぁ?だったら「かけ蕎麦」にしろよ!どうどう、抑えて抑えて。この「中華そば」がまた鰹出汁が効いた実にオーソドックスな「中華そば」なのだが、少々太めのストレート麺との相性もよくあっさりと頂ける。それにまるで「チャーシュー麺」かのような大ぶりのチャーシューが3枚もトッピングされ600円というのならばかなり安いんじゃね?お会計は2食トータルで1050円だった。小洒落た蕎麦屋だったらざる蕎麦1枚にも届かない価格だよ。次回、訪れた際は真面目に蕎麦を食べることにするね。

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