氷の上のさかな

氷の上にディスプレイされたさかなの様にセカンドライフをキラキラとさせる為に今を頑張ろうといったシュールなお話。

サイボーグな朝食

サイボーグの燃料ってなんだろ?ふと気になってググってみたら三菱のミラージュサイボーグがトップに躍り出た。なんだ、ガソリンだったのか。もう、おバカさん。

 

そうじゃない。自分が知りたいのは「サイボーグ009」みたいなサイボーグの事。そういえば「サイボーグ006」は中華の料理人だ。ということは普通の人間と同じ食事でもいいのか。

 

などとくだらぬ事を考えたのにも理由がある。かつては深夜2時まで働き朝は早朝から市場で仕入れをこなし昼一番で仕込みに入るという生活を連綿と続けていたことがあったし、それが出来るだけの体力もあった。故にその頃は例えの良し悪しは別にして「サイボーグ」と呼ばれていたもんだ。

 

ところがそれが30、40と年齢を積み重ね50もそろそろ終わりを告げようとする年齢になり無理は利かぬものだなと認識し始めるに至った。金曜日の晩も帰宅したのは深夜1時半。4時半には起床し5時には市場に出かけなければならない。シャワーを浴びPCの前に座り他店から寄せられる注文を取りまとめオーダーを流す。それからやっと就寝という流れになる。ところが案の定、途中で気を失ってしまった。そして椅子に座ったまま4時半のアラームで起こされる。

 

それはまぁいい。望んでそうしている事には意志の力が働くのでまだ精神的にカバーが出来る。ただ、内蔵の方はそうもいかずで身体を動かす為の絶対的なエネルギーが不足していると朝っぱらから強く感じてしまった。普段は1日に1食。就業前の昼食しか取らない。ただ昨日の朝はどうにも腹が減りまさしくハンガーノックアウト寸前にまで陥った。そこで市場の帰り道に慌てて飛び込んだのが「なか卯」だった。

 

市場では無料のコーヒーを既に4杯飲んでいる。もうそれ以上、コーヒーは飲みたくない。となれば喫茶店のモーニングサービスよりも「なか卯」の朝定食をと考えたわけだ。

 

入店したのはきっちり午前8時だったが、ものの見事に貸し切りだった。

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土曜日という曜日が悪いのかも知れない。どうせだから朝でしか食べられない朝ならではの商品をお願いしてみましょう。

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ご飯という糖質をセットにしたことがダイエッターには多少の背徳感が認められるものの背に空腹は代えられぬと「朝そば竜田揚げセット」390円を注文した。

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目の前に登場した「朝そば竜田揚げセット」はご飯と蕎麦の配置が左右逆になっていたことが唯一気がかりなところだったが、想像以上にボリューミーで食べごたえがありそうだった。

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加えて朝っぱらから温かい蕎麦が食べられること自体、滅多にないことなのでこの上なく充足感が味わえる。そして紅生姜も食べ放題。

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満腹に満足し店を出るといざ帰宅とハンドルを握る。血糖値が上がった所為か急な眠気に見舞われる。そのまま「なか卯」の駐車場で小1時間ほど寝込んでしまった。結局、この日は唯の一度も布団で横になることが出来ずに終わってしまった。が、思いの外、元気だったのでまだまだサイボーグは健在しているという証となったかも知れない。

 

しかし、改めて考えてみるとほぼコーヒー代といえる390円でそこそこ美味い食事がしっかりとれるって凄いことだよね。目に見えぬ企業努力の賜物なんだろうな。えらいぞ「なか卯」。

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(チーズ+チョコレート)÷2≦ラムレーズンではなかろうか?

コンビニをよく利用する人には様々な思惑がある。ある時は昼食の用達であったりコーヒー1杯でひとときの安らぎを得る目的もあるだろう。飲食店が時短営業を強いられた時には重宝もされただろう。

 

一方、自分の場合、主目的としてトイレを拝借することが多い。先日も車を運転している途中で急に便意を催し慌てて最寄りのコンビニに飛び込んだことがある。一応、言っておくが大ではない。小だ。さすがの自分もコンビニで大はいささかハードルが高い。

 

もちろん、利用するにはそれ相応の代償が必要だ。借りるだけ借りて何食わぬ顔で出ていくという不躾は真似など自分には絶対に出来ない。ただ、大抵の場合「ミンティア」で済ませることが多い。その日も勿論そうするつもりだった。

 

ふと、店外に貼られたポスターが目に入った。

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「新作スイーツか…」

 

スイーツもいいが先ずはトイレが先だ。店内に入ると店員には一瞥もくれずにトイレへと駆け込んだ。手洗いをしながら「ふぅ」と一息つくとたちまち全身の緊張感が解ける。となれば先ほどポスターで見たスイーツ、特に「ラムレーズン」味が妙に気になり始めた。

 

「ちょっとだけ覗いてみよっかな~」

自分に言い聞かせる様に大胆な独り言をつぶやくと、レジ前のスイーツコーナーへと身を寄せた。すると目的のそれは他のスイーツにマウントをとるが如く目の前の一番目立つ絶好のポジション「新発売」のポップと共に陳列されていた。ミンティアばかりでは芸がない。芸が必要かどうかはともかくとして、たまには自らを喜ばせてあげることは必要だろう。

 

ところがだ、お目当ての「ラムレーズン」だけがないじゃないの。

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そのままスゴスゴとミンティアに流れるのも敗北感に苛まれる。そこでだ。ひょっとしたら(チーズ+チョコ)÷2=ラムレーズンにはなりゃしないかと残りの2つを試しに買ってみることにした。

 

で、買ってみた。

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チーズ

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チョコレート




さっそくご丁寧に各々を二分割し代わり番こに食べてみるとこれがまたあーた。

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チーズはしっかりとチーズだし、チョコはしっかりとチョコレートでこの2つにラムレーズンの要素が全く見つけられなかったことを大発見してしまった。自分で言うのもなんだけど天才じゃなかろうかオレ。

 

ま、ラムレーズンにたどり着けなかったのは残念でならないが、それぞれがそれぞれに特徴的であり甘みも食感も絶妙で美味しかったから良しとしよう。後になって気づいたのだが、半分に割る必要は全く無かったよね。どうせ2つとも一度に食べちゃうんだから。

 

いいこと思いついた。今後、コンビニのトイレを利用するにあたり従量課金制にしたらどうだろうか?やはり小とは違い大には大の代償が必要だと強く感じるのだが皆さんはどの様に思われるでしょうか?今回は代償以上の出費だった気がする。

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ほんと、不在者通知って嫌いやねん

「第10回記念 高橋尚子杯ぎふ清流ハーフマラソンオンライン参加賞」が送られてきた。それも北海道の会社から。なんでもマラソン事務局からの委託を受けた代行業者だとか。

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昨年の応募が1年延期となり、今年の開催に於いてスライド出場出来る予定だった。が、結局、今年の開催は中止となった。さらなる延期ではなく中止だ。ということは、もはや出場が叶わなくなったということだ。更に1年先延ばしというわけにもいかぬのだろう。どこかの大きな大会の縮図を見る思いだ。

 

そんなわけで、ならば出走料を返せ!と息巻いたが、同じく毒を吐く連中を抑え込む作戦としてお次はオンラインに切り替えると封書が届いた。一定の期間中に1日でハーフマラソンを走りきり、それを専用アプリで記録せよといった内容のものだった。

 

ハーフマラソン程度の距離ならば何時でも走られるだろうと高を括っていたのだが、問題はその距離よりも記憶力だったかも知れない。知らない内にその「一定の期間中」が経過してしまい、結局オンラインでの参加を逃してしまった。そしてその事すら忘れてしまっていた先週のこと。冒頭の参加賞が送られてきた。

 

正確に言えば「郵便局に取りに行ってきた」だ。お得意の不在者通知が投函されていた。また仕事が休みの時にでも取りに行こうと思い、その辺りの目立つところにポイと置いておいたはずなのに…、それがいざその時になると何処にも見つからない。覚えのある場所を片っ端からひっくり返そうが全くの痕跡も残さず疾走してしまった。

 

当然、家族で一番怪しそうな人物からも聴取したが、「わからない」「身に覚えがない」の一点張りで埒が明かない。全ての手がかりを失った。仕方がない。直接、窓口でその事を告げるしか無さそうだ。

 

「すみません、実は不在者通知を失くしてしまって…」

お相手をしてくれたのは偶然にも先日と同じ見たことがある顔立ちと目立つ体型の女性だった。よほど自分と相性がよいらしい。

 

「何色でしたか?青?白?」

「あー、確か青だったかと」

「ちょっと見てみますね」

と他の職員にも助太刀を頼み捜索すること約10分。

「ごめんなさい。やはり見つかりませんでした」

返ってきた言葉は実に切ないものだった。

 

「見つかったらお電話します」

「お願いします」

二人だけの契りを交わしすごすごとその場をあとにする。

 

翌日となりさっそく電話が掛かってきた。

「見つかりましたが引取期限が7日になっていますので、お早めにお願いします。その期限を超えると返送されることになりますから」

半ば、脅しともとれる内容だったがオンラインマラソンの期限は忘れても此方は忘れるわけにはいかない。貰えるものを要らないと言える程のお人好しではない。直様、足を運んだ。

 

窓口はまたまた同じ女性だった。もはや運命ではなかろうか。そうして紆余曲折の末、やっと手元に参加賞が届くこととなった。ただ、先に述べたようにオンラインマラソン参加してないんだけどな。ま、いっか。個人的にはこの歴代の大会で貰った今までのどのTシャツよりも優れたデザインだと思う。

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それ、気づかんのやのうて見えとらんのやないか~

「魚はあるか?」

開店と同時にひとりの男性が入店。そして自分の目の前のカウンターに座る。

 

「はい、色々とありますよ」

毎朝、市場へ仕入れに出向いている。こと魚に関しては地域でもナンバーワンを自負している。それを記した「本日のおすすめ」を渡すと距離を10cmほどに縮めジロジロと見ていた。近視なのだろうか?

 

「じゃ、『もずく』をもらおうか」

それ魚じゃないです。とはいえオーダーはオーダー。快く「ありがとうございます」と謝意を述べつつ伝票に書き加える。

 

「免停くらってまってな」

盛り付けをしているといきなり話し出す。自分に向かって話しているのか?

 

「人、跳ねてまってさ」

どうやら相槌を打った方がよさそうだ。

 

「それは大変でしたね」

「婆さんやったけど、こっちも気づかへんし相手もこっちのこと気づかへんもんでな、お互いに気づかんままバーンってやってまって、あ、こりゃ、死んだなと諦めたら生きとった」

「それは良かったですね」

「ほりゃ、ほんと良かったて」

初対面の相手にする話か?話は続く。

 

「その前は自損事故や。煽られてな、ハンドルを切ったら山林にドカンや。で、人身事故とで合せ技一本や」

「あぁ、なるほど」

「で、留置所に2日間入れられたゎ。ただ、あかん、留置所は。飯っていったらパンが2個しか出てこんのやぞ」

「それではお腹が減りますね」

「ちゃうちゃう、そういうことやない」

何が言いたいのだろう?

 

「パンっていったら糖質やろ?さっき、おれ薬飲んどったやろ」

確かに薬が飲みたいからと最初に水を要求された。

「あれ、糖尿病の薬なんや」

「そうなんですか。だからパンがダメなんですね」

「ほーや」

でも、ビール注文したよね?

 

白内障とか大丈夫ですか?」

ひょっとしたらと思い訊いてみた。

白内障、入っとる入っとる。だからメニューもよう見えんのや」

目を近づけて見ていたのはそれが理由か。

 

てゆーか、それが事故の原因なんじゃないの?自分も白内障が最近の悩みとなっている。出来るだけ早めに手術をしようと背中を押された。

 

糖質はカットする時代から活かす時代へ。現在、お試し中(笑)

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不在者通知もたまにはいいじゃないの

帰宅して郵便受けを見ると不在者通知が投函されていた。日曜日のことだ。自分は娘たちと出かけていたので確かに不在だったが、でもおかしい。嫁と坊主は在宅だった筈だ。

 

「不在者通知があったけど居なかったのか?」

「いや?いたよ」

「じゃ、なんで通知が置いてあるんだよ」

「知らんやん、そんなの」

「ちっ、めんどくせーなー」

 

通知は郵便局からのものだ。クロネコは頼まなくとも再配達をしてくれることが殆どだし、帰宅すると玄関先にちょこんと置いてあることもある。防犯上、云々いわれる方もいるだろうが、自分にとってはこの方が楽でいい。ただ郵便局の場合はそうはいかない。わざわざ再配達をお願いせねばならぬ。それ自体は面倒なことでもないが、再配達をお願いする以上、確実に在宅していなければならないことが面倒なのだ。となれば必然的に此方から取りに行くことになる。

 

というわけで致し方なくわざわざ取りに伺った。

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時刻は午前8時半。「郵便」「ゆうパック」の受付は既に始まっていたが、「郵貯」に「かんぽ」はまだの様子でちょうど朝礼をやっていた。お客から見えるところでやるんだ?しっかりとは聞き取れなかったが、内容はセクハラとパワハラについてだった。非常に興味深い。

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「すみません」

受付は私服姿からパートさんと思われる。ただ、見たことがある顔立ちと目立つ体型だった。恐らくベテランなのだろう。テキパキとした対応に好感がもてた。ただ彼女に渡されたのはたった一通の封筒だった。

 

こんなペラッペラの封筒一通のためだけに郵便局に行かされたのか、オレは。当然、憤るわけだ。こんなもん、ポイッと郵便受けに入れておいてくれればいいのに。そうすればわざわざ不在者通知を書く必要もない。

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自宅に戻るとさっそく開封する。なんだ?なにか書いてある。

 

「平素は弊社サービスに格段のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。お客様におかれましては(中略)ここに特典となります為替30000円分をお送りさせていただきます」

 

な、なに?為替30000円分だと!

 

は、入ってる!確かに入ってるよ!なになに?

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「ご換金につきましては、大変お手数ではございますが、同封の普通為替証書を郵便局までお持ちいただき、お手続きいただきますようお願い申し上げます」

だって。

 

行くよ、行く行く郵便局!いつでもどこでも誰とでも、行くよ行く行く郵便局!

 

まぁ、郵便局のファインプレーではないものの、初めて郵便局へ行く楽しみを得た、そんな気持ちになれた。

 

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「負」があってこそ「正」が裏付けられるという、そんな難しい話では全くない

正直、ウナギを食べに羽島市くんだりまで行ったわけではない。主目的はまったく違うところにあった。謂わばウナギはついでのことで、近場に激安大衆食堂でもあれば迷わずそちらを選んだことだろう。ならば主目的はなんぞや?

 

そう、この時季限定、言い方を変えればこの時季にしか見られない風景を娘たちにも拝ませてあげたかったのだ。自身にとっても初めての体験となる。

 

「蓮の花」だ。羽島は湿地が多いことから蓮根の生産が盛んに行われている。他にどれほどの市町村で作られているのかは知らないが、県下では1番の生産量を誇るとか。図に乗って「れんこんカツ丼」なるものを名物にしようなどと目論んだ料理店もある様だが、残念ながらその名は全国区に及んでいない。とはいえ美味しそうなのでいつか絶対に食べに行く予定は今の所未定。

 

大賀ハス園」という。てっきり「大賀(おおが)」という地名から取ったものとばかり思っていたら知識不足の勘違い。ここは桑原町前ので大賀の欠片もない。なんでも約2000年を遡る縄文時代の蓮の種が千葉県で見つかり、植物学者であらせられる大賀さんの名前がその蓮に付けられ「大賀ハス」と呼ばれる様になったとか。かなり大雑把に端折ったが、つまりはそういう経緯だ。

 

しかし、泥水から出でし茎の先にこれほどの大輪、それも美しい花を咲かせ尚且つ根っこまで美味いという植物が他にあるだろうか。

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まぁ、知らないだけであるとは思うのだが、それはともかくこの幻想的な風景にしばし見とれていたのは自分だけだった。わざわざ見せに連れて行ってあげたにも関わらず、娘たちはといえば足元のぬかるみにブーブーいうだけで、蓮の花よりも同じ池で釣りをしていた中国人家族に興味津々。

 

「ねぇねぇ、釣りやっとるよ」

「ほんとだな。ザリガニ釣りじゃない?」

「魚じゃないんだ?」

「ちょっと見てくる」

自分もまた興味深かったので見に行くと、案の定、バケツいっぱいにザリガニが入っていた。

 

「どうするつもりなんやろ?」

「食べるんだろ」

「食べられるの?」

「食べられるよ。オレは食べたことはないけれど昭和天皇は食べたことがあるらしいぞ」

あまり適当なことをいうと誤解を生みそうなので「天皇の料理番」というドラマの受け売りと説明しておいた。

 

時間は午後3時。そろそろ甘いものを渇望する時刻だ。狙ったわけではないのだが、幸いにして近くには甘味処がある。「陽湖星」だ。

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「ひこぼし」と読む。これでもか、という程の糖分を打ち込むとのんびり帰宅の途につく。

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「どうだった、今日は。満足したか?」

「うん、満足。部活動が延長したことを除いたらね」

「部活動をきちんとこなして来たからこそ、より充実出来たとも考えられるんじゃないか?」

「あぁ、確かにそうかもね」

これこそ美輪明宏が唱えるところの「正負の法則」というものだろう。知らんけど。



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きったねぇって言うな!@岐阜羽島「魚勝(うおかつ)」の『うな丼(並)』

「もう!11時半に部活終わるって言ったのに結局、終わったの12時過ぎやもん」

次女が憤慨しながらわざわざ自分の元にまで言いに来た。

 

「お母さん、迎えに来てくれるって言ったのに『待ちきれん』って帰ってまうし」

「え?じゃ、歩いて帰ってきたのか?」

「そう」

そもそも普段は歩いて通学しているのに、部活動の時だけ送り迎えはおかしいだろとは言ってあった。ただ道着を着て防具や竹刀を持っての行き帰りは大荷物だけに大変ではある。といった経緯に加え小雨が降っていたので行きだけは自分が送って行った。

 

「そもそも頼む相手を間違えてんだよ。腹減っただろ?昼飯に出かけるか」

既に12時半を過ぎている。道着を脱ぐと慌てて平服に着替えた。

 

車に乗り込むとナビをセットする。

「どこへ行くの?着時間36分って、何処まで行くつもり?」

「まぁまぁ、ふふふ」

「まった、きったねぇ所に連れてくんかよ」

「あのな、『汚い』じゃなくて年季が入っていると言え。お前の言葉の方が汚いゎ」

 

さて、車を指定時間通り南に走らせると、東海道新幹線で2番めに降車率が低い「岐阜羽島駅」を擁する羽島市に到着。娘たちは二人ともスヤスヤと寝ている。因みに長女が起床したのは午前10時過ぎだった。本当によく寝る子だ。

 

駐車場に車を入れると二人とも自然に目を覚ます。

「おい、着いたぞ」

車窓から外を眺め店の外観をチェックするや否や発した言葉は

「やっぱ、きったねぇ店やんけ!」

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だった。

 

「なに、この店。うおかつ?ぎょしょう?魚料理の店?ん?ちょっと待てよ。この匂いは…。あー!うなぎや、うなぎ!嘘!鰻なのぉ~⤴」

瞬く間にテンションがうなぎのぼりとなった。何気に上手い。

 

創業は明治末期というから何気に100年は超えている。近くに木曽川を渡る渡船場があったことから、渡船を利用する客で賑わっていたとか。周りは田で囲まれており利用客はわざわざこの様な辺鄙な場所にまで足を運ばねばならない。が、到着した午後1時10分で状況はといえば満席だった。店内は相当に広い。歴史を感じさせる木造建築で、情緒のある中庭の池には立派な錦鯉が泳いている。

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恐らく食材となるのだろう。なわけない。

 

入店すると先に受付を済ませてくれと案内があった。

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加えてお会計は前払いだ。JAFの優待制度があったので、会員証を見せると100円の割引があった。全額PayPayで支払う。

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「お席はどちらですか?」

「え?まだ決まってないですが」

「じゃ、決まりましたら番号を教えて下さい」

と97番と書かれた札を渡される。

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システムが今ひとつ飲み込めない。が、しかし、ここで初めて満席であることが確認される。席数は300席あると聞いていたが、見たところ稼働率は50%といったところだろうか。空いている卓がない。

 

店内をぐるぐる回るうちに「東の間」に1卓、空きが出たので先ほどの帳場にその旨を伝えに行く。

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で、注文した「うな丼(並)」は比較的オーソドックスなスタイルだったが、価格は肝吸い付きで1,467円とそこそこお値打ち価格だった。

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山椒無料。大量にふりかける。



ま、うなぎ3切れだから妥当っちゃ妥当か。提供時間は約50分。う巻きにうざく、骨せんべいを肴にとっくりでも傾ける昔ながらの過ごし方を身に着けているものにとってみれば普通の提供時間だとは思うものの、粋なうなぎ文化を知らぬものにとってみればやや腹立たしさを覚えることだろう。文句のひとつも口にせず、ニコニコしている娘たちの前ではおくびにも出せなかったけどね。

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