氷の上のさかな

氷の上にディスプレイされたさかなの様にセカンドライフをキラキラとさせる為に今を頑張ろうといったシュールなお話。

きったねぇって言うな!@岐阜羽島「魚勝(うおかつ)」の『うな丼(並)』

「もう!11時半に部活終わるって言ったのに結局、終わったの12時過ぎやもん」

次女が憤慨しながらわざわざ自分の元にまで言いに来た。

 

「お母さん、迎えに来てくれるって言ったのに『待ちきれん』って帰ってまうし」

「え?じゃ、歩いて帰ってきたのか?」

「そう」

そもそも普段は歩いて通学しているのに、部活動の時だけ送り迎えはおかしいだろとは言ってあった。ただ道着を着て防具や竹刀を持っての行き帰りは大荷物だけに大変ではある。といった経緯に加え小雨が降っていたので行きだけは自分が送って行った。

 

「そもそも頼む相手を間違えてんだよ。腹減っただろ?昼飯に出かけるか」

既に12時半を過ぎている。道着を脱ぐと慌てて平服に着替えた。

 

車に乗り込むとナビをセットする。

「どこへ行くの?着時間36分って、何処まで行くつもり?」

「まぁまぁ、ふふふ」

「まった、きったねぇ所に連れてくんかよ」

「あのな、『汚い』じゃなくて年季が入っていると言え。お前の言葉の方が汚いゎ」

 

さて、車を指定時間通り南に走らせると、東海道新幹線で2番めに降車率が低い「岐阜羽島駅」を擁する羽島市に到着。娘たちは二人ともスヤスヤと寝ている。因みに長女が起床したのは午前10時過ぎだった。本当によく寝る子だ。

 

駐車場に車を入れると二人とも自然に目を覚ます。

「おい、着いたぞ」

車窓から外を眺め店の外観をチェックするや否や発した言葉は

「やっぱ、きったねぇ店やんけ!」

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だった。

 

「なに、この店。うおかつ?ぎょしょう?魚料理の店?ん?ちょっと待てよ。この匂いは…。あー!うなぎや、うなぎ!嘘!鰻なのぉ~⤴」

瞬く間にテンションがうなぎのぼりとなった。何気に上手い。

 

創業は明治末期というから何気に100年は超えている。近くに木曽川を渡る渡船場があったことから、渡船を利用する客で賑わっていたとか。周りは田で囲まれており利用客はわざわざこの様な辺鄙な場所にまで足を運ばねばならない。が、到着した午後1時10分で状況はといえば満席だった。店内は相当に広い。歴史を感じさせる木造建築で、情緒のある中庭の池には立派な錦鯉が泳いている。

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恐らく食材となるのだろう。なわけない。

 

入店すると先に受付を済ませてくれと案内があった。

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加えてお会計は前払いだ。JAFの優待制度があったので、会員証を見せると100円の割引があった。全額PayPayで支払う。

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「お席はどちらですか?」

「え?まだ決まってないですが」

「じゃ、決まりましたら番号を教えて下さい」

と97番と書かれた札を渡される。

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システムが今ひとつ飲み込めない。が、しかし、ここで初めて満席であることが確認される。席数は300席あると聞いていたが、見たところ稼働率は50%といったところだろうか。空いている卓がない。

 

店内をぐるぐる回るうちに「東の間」に1卓、空きが出たので先ほどの帳場にその旨を伝えに行く。

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で、注文した「うな丼(並)」は比較的オーソドックスなスタイルだったが、価格は肝吸い付きで1,467円とそこそこお値打ち価格だった。

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山椒無料。大量にふりかける。



ま、うなぎ3切れだから妥当っちゃ妥当か。提供時間は約50分。う巻きにうざく、骨せんべいを肴にとっくりでも傾ける昔ながらの過ごし方を身に着けているものにとってみれば普通の提供時間だとは思うものの、粋なうなぎ文化を知らぬものにとってみればやや腹立たしさを覚えることだろう。文句のひとつも口にせず、ニコニコしている娘たちの前ではおくびにも出せなかったけどね。

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