ランチ&スイーツの同時進行型@岐阜県山県市「ロータリー松葉」
スイーツとランチを同時にこなすという画期的な手段を見つけました。そんなことは両方の取り扱いがある店で注文すれば済むことじゃないか。そりゃそうだ。たしかに君の言う事は万にひとつの間違いもない。ただ、ちょっと落ち着いてそこに座って話を聞いてくれ。
これを聞けば少しは納得してくれるだろうか?中部地方は多くの方がご存知のようにモーニングサービス文化が著しく発展している。それも過剰なほどにだ。ボリュームや価格設定で抜きん出る店がある中で、言葉そのものを理解出来ていないのではないかと思われる店も中にはある。それが「1日中モーニングサービスの店」だ。
その「1日中モーニングサービスの店」発祥といわれる店が山県市高富というところにある。名前を聞けば郷愁の念に駆られる方も岐阜県民ならば少なからず居よう。「ロータリー松葉」だ。
そう、かつて岐阜県内を席巻するのみならず愛知県をも飲み込もうとしたあの「松葉」グループの生き残りである。然るにこの店の創業は優に50年以上も前の話であり、今現在は2代目が切り盛りしているということだ。
要するに、「1日中モーニングサービス」を提供しているということは、ドリンクを注文すれば1食分がくっついてくる、とつまりそういうわけだ。
「すみません。クリームソーダはドリンクですか?」
「はい、ドリンクですよ」
「だったら、この『メロン』と『イチゴ』をひとつずつと、あとこのチョコレートフロートをお願いします」
「はい、ありがとうございます。サンドイッチかホットサンドをお付けすることが出来ますが」
「ではホットサンドを3つお願いします」
よし、注文は完璧だ。あとはブツが来るのを待つのみ。
「オマタセイタシマシタ」
高校生のアルバイトだろうか?まだ仕事に慣れていないのだろう、初々しさ漂う女の子が手を震わせながらクリームソーダを運んで来た。先ずはテーブルにソーサーを敷き、その上にクリームソーダを乗せる。
一旦、引き返すと、お次はチョコレートフロートを持って現れたのだが、お盆の上に載せたまま躊躇していた。どこを持てば良いのかがわからず悩んでいたのだろう。
「あ、そのまま、そのまま」
と、自分が手を差し伸べてあげ、自らの前にソーサーとともに置く。想像通り自分の手の平はチョコレートのせいで褐色に染まる。
3者ともソーサーが必要だという理由が見た目で理解出来るだろう。
そしてサービスメニューのホットサンドが満を持して登場した時にゃ、アイスクリームのお陰で胃袋がキャパ不足に陥っていた。
が、果敢にも挑戦する。エッグサンドはボイルドエッグのマヨネーズぐちゃぐちゃタイプでそれが溢れんばかりにたっぷりと詰められている。
そこにゆで卵まで付いてくるという、嬉し涙が出そうになるほどの卵地獄だ。確実にキャパオーバーで立ち見が出るくらい大盛況なマイストマックだったが、なんとか全部平らげることに成功した。
今回の反省。スイーツとともにお召し上がりになるのは少々無謀だということがわかった。次回はコーヒーとサンドイッチにしておこうと思う。お会計は〆て2,000円ちょうど也。