氷の上のさかな

氷の上にディスプレイされたさかなの様にセカンドライフをキラキラとさせる為に今を頑張ろうといったシュールなお話。

「利益度外視、赤字覚悟でお届けします」

自宅から走って行ける距離に喫茶店のチェーン店が3店舗ある。もちろん歩いてでも行ける。ひょっとしたら泳いででも行けるかも知れない。果敢にもチャレンジしてくれる人が何処かにいないだろうか。少し離れた位置から全力で応援してあげるよ。

 

茶店のひとつは注文した食事やデザートがメニュー写真以上のボリュームで出てくることで有名な店、もうひとつは「サイコロ食パン」と呼ばれるパンの塊がゴロリと出てくるモーニングサービスが人気の店だ。今回、利用したのはこの2つとは違うもう一方の店だよ。

 

駐車場はその場でカーレースが出来るくらいに広い。それもそのはず、「お湯ぴた」で一世風靡した水栓金具会社の本社工場がそこにあったからだ。移転して更地になったところに建てられた。駐車場があまりにも広すぎて車の数が少なく感じられる。店の利用客がまるでいないかの様に思われてしまわないだろうか。杞憂であれば良いとの思いを懐きつつドアを開ける。先客が二組4名いた。ま、アイドリングタイムだからこんなもんだろ…か?

 

季節限定のシーズンパフェなるものが時価でオンメニューされている。この時季は「シャインマスカット贅沢パフェ」がそれらしい。

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「利益度外視、赤字覚悟でお届けします」とメニューに書き添えられており価格は1,080円とあった。

 

 

「高っ!やばいね。諦めるゎ」

「いいよ、遠慮するなよ」

奥ゆかしさが可愛いじゃないか。お父ちゃん、なんでも言うことを聞いてあげるよ。

「うそ、ホント?やったー!私、シャインマスカットって食べたことないんやて」

そうそう、女はそれくらい貪欲な方が独り身になってもこの世の荒波を乗り越えて生きていけるっつーもんだぜ。

 

イチゴ好きな長女は「特製いちごみるく」のかき氷、自分は「コーヒーフロート」を注文した。

 

いち早く「コーヒーフロート」が運ばれてくる。

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「ちょっとちょっと、居酒屋じゃないんだから取り敢えず何か出しとけってのはどうかと思うぞ。普通はこういったオーダーの入り方をしたら時間が掛かるものから作るだろ」

とボーイが席を確実に離れたことを確認すると娘たちに愚痴るも、

「そーゆーもんなの?」

と取り合ってはくれない。だって、「コーヒーフロート」なんて氷入れてコーヒー注いでアイスクリームをポンと浮かべるだけじゃんね。一番最後にしても時間なんてそうそう掛からないでしょ。

 

ストローが付いてなかったということは、ここは直飲みスタイルを推奨しているのだろう。アイスクリームが邪魔で飲み辛かったがひと口すすってみる。えっ?甘い…。アイスクリームが溶け出して甘く感じられるのだろうか?もうひと口。いや、間違いない。甘い。それも大甘だ!

 

その後、かき氷が運ばれて来た時についでに訊いてみた。

「すみません。コーヒーがめちゃくちゃ甘いんですけど」

「あ、はい。当店のはガムシロップが入っております」

「そうゆうもんなんですか?イメージ的にアイスコーヒーにアイスクリームが乗ってるだけでガムシロは別添えだと思ってたんですけど」

「お取替え致しましょうか?」

ご好意に甘えお取替えをお願いしちゃった。ら、今度はストローが付いてきた。なんだ、忘れてただけか。

 

満を持して「シャインマスカット贅沢パフェ」が登場する。

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写真以上とは言えぬがかき氷も含めまぁまぁ頑張った方だろう。

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が、その時既に「コーヒーフロート」は底をついていた。

 

「PayPay使えますか?」

と一応訊いてみたが、やはり現金のみでお願い致しますだった。ライバル店舗は双方ともPayPayが使える。PayPayだけでなく様々なキャッシュレスサービスも使える。色々と残念が重なってしまっている様な気がした。

 

なんか2日続きで店の悪口を言っているかの如く聞こえるかも知れないけれど、けしてそういうわけじゃないからね。これはあくまでも上から目線による叱咤激励なのだよ。店の名誉の為に付け加えておくが、この店の接客は凄くいい。特に女性店員の対応はパーフェクトだ。それにお客が少ないからすごく落ち着くよ。

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