氷の上のさかな

氷の上にディスプレイされたさかなの様にセカンドライフをキラキラとさせる為に今を頑張ろうといったシュールなお話。

大正13年創業「太田屋本店」の最後の『カレーライス』

過去の経験上、マイナス16℃までは耐えられると豪語していた自分だが、寄る年波か最近では摂氏5℃でも耐えられない。やはり暖かいのはいい。暖かさが恋しい。でも布団や椅子は冷たい方がいい。こればかりは人様の体温で温められるよりも自分の体温で温めたい。おっさんが座って温められた椅子なんて言語道断である。


やっとカブリエーラの季節がやってきた。原付きはいい。駐車場所を選ばない。歩いてならば横断歩道どころか歩道だって通行できる。その気になればバーベル代わりに筋トレもできる。なによりも車にはない機動力であちらこちらへ移動できる。


予てより一度行ってみたかった場所へとこの機会に行ってみた。「太田屋本店」だ。

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存在自体は大昔から知っていたのだが、ついぞ足を運んだことがなかった。理由はただひとつ。駐車場がないからだ。歩いていくには遠すぎる。とはいえわざわざ有料駐車場を使ってまでも行こうとは思わない。それもその気になればいつでも行けるだろうという安心感があったからだ。


外観に同じく、店内も中々年季が入った趣だ。

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先客が3名ほどいたが、いずれも常連客らしい。店主と軽口をたたきあっている。「中華そば」にするか「カツ丼」にするか、いっそのこと「黄色いハンカチ」の高倉の健さんよろしく両方を注文するか。

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決めあぐねた結果、間をとって「カレーライス」にしておいた。味で店を評価したくない時はカレーライスが好都合だ。スイーツに同じく不味いカレーライスというのを今まで口にしたことがない。


オンテーブルされた「カレーライス」は如何にも下町の食堂のカレーライスという感じのオーソドックスさで間違いなく美味かった。

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自分もまた岐阜の仁なので当然、カレーにはソースをかける。安心したまえ。ちゃんとオンテーブルされてたよ。

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帰り際、いつもの様に女将さんに話しかけてみた。

「以前から来てみたいと思っていた店だったんです。美味しかったです。ごちそうさまでした」

「あら、初めてでした?ありがとうございます」

「始められてどれくらいになるんですか?」

「大正の終わり頃よ」

「ということは大正15年ですか?(大正15年=昭和元年・我が父親の生年)」

大正13年から」

「ということはもう98年。凄い!」

「でも、もう私達でおしまいなの。跡継ぎがいないから」

「僕が継ぎましょうか?」

「はははは」

本気で言ったのだが、どうやら誠意が足りなかったみたいだ。


住所が知りたくて「太田屋本店 岐阜市」でググってみた。岐阜市真砂町とある。それよりも気になる二文字が先ず目に飛び込んできた。「閉業」?


虫の知らせが働いたか。閉じる前に行けて良かった。

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