氷の上のさかな

氷の上にディスプレイされたさかなの様にセカンドライフをキラキラとさせる為に今を頑張ろうといったシュールなお話。

日本一のうなぎ(自称)@大津市・逢坂の関所「かねよ」

うなぎの名店は数々あれど、そのメニュー価格故に名店の殆どを知らないと豪語する自分ではあるが、それは自らを名店と名乗らない謙虚さをバロメータとして店選びをしているだけだからだ。あとは価格ね。金額は1、2、たくさん、とそれより上の数字は十把一絡げで相手にしない。

 

とは思うものの、自ら「日本一」を標榜するうなぎ屋が大津にあるとしたならば、せっかく大津くんだりまで来たんだもの、多少の贅沢もしてもいいよね?ね?というわけで行ってみた。因みに「くんだり」と表現してみたものの、人口こそ岐阜市より少ないが都市としての魅力は遥かに岐阜市の上を行っている。高層建築物が立ち並ぶ発展ぶりも然るにだ。市電が街中を優雅に走っている。岐阜市は本当に勿体ないことをしたものだ。

 

目的のうなぎ屋は関西の箱根と呼ばれている「逢坂の関所」があった地、大津市大谷町にある「かねよ」だ。明治5年創業というからかれこれ149年の歴史がある。けして歴史の長さが味覚に反映するとは思わないが、長く続く店ほど時代に即した味付けに変わっていくとそれこそ鰻のタレを例に教えてもらったことがある。

 

Googleせんせに案内されて駐車場にたどり着く。あとで知ったのだが駐車場は複数あり、自分はその中でも一番店から遠いところに止めてしまった様だ。店の玄関までは50mほどある。

f:id:Croquis009:20210618184057j:plain

飛び出し坊やがうなぎ


まぁ、いい。食後の運動にもなるだろう。ドキをムネムネさせながら余計なところまで膨らませ門前にまでたどり着く。

f:id:Croquis009:20210618184218j:plain

 

定休日の看板が立っていた。

f:id:Croquis009:20210618184240j:plain

 

おいおいおいおい!(怒)おいおいおいおい…(泣)

なんだこれは。どういうことだ。滋賀県にも祟られているのか、オレは?それとも滋賀県在住民にオレを恨んでいるヤツでもいるのか?うん、ひとり心当たりがある。

 

ただ、看板には救済的文言が書かれていた。「和風れすとらん かねよ」をご利用くださいませ、と。同じメニューをいただけるのか?恐る恐る斜め向かいにあるそれらしき建物に入っていくと、「いらっしゃいませ」と一番奥にあるテーブルに通された。メニューを拝見するもどうやら内容は同じらしい。

 

要するに本店はいわば料亭の雰囲気を持つ店で、お座敷から中庭を眺めながら鰻を食し、その後は池の鯉にパンパンと手をたたき餌をやる店らしい(想像)。

f:id:Croquis009:20210618184323j:plain

門が開いていたので覗いてみました


長年、その様な雰囲気で店を営んていたとなれば、絶対に悪い奴らも利用しているに決まっている。非の打ち所のない良心の塊とさえ陰で揶揄される程の自分はむしろこちらのレストランの方が向いていると自ら確信的に思う。

 

頂いたのはこの店の名物「きんし丼」だ。鰻の上にだしまき玉子が乗っている。

f:id:Croquis009:20210618184431j:plain

どーん!

f:id:Croquis009:20210618184454j:plain

どどーん!



見た目にはボリューミーだがその分、だし巻きで隠れた鰻は少量だ。まぁ、いい。意表を突いた料理など殆どがそんなもんだろ。

 

味は…。おぉっ!これこそ京滋特有の味付け。恐らく中京圏の鰻に慣れた舌からすれば味が無い。それほどまで上品に淡い味付けだ。上に乗っただし巻きも然り。肝吸いも味が淡い分、出し汁の味が濃厚に感じられる。汗だくのガテン系には間違いなく物足りない味付けだと思われるが、自分にとっては丁度良かった。

 

ほら、誰だったかこんな素敵なことを言っていた人がいたじゃんね。「最初のひと口で美味いと感じる味付けよりも、食べ終わった後にまだ食べたいと思える味付けを目指せ」と。誰だったかな…。あぁ、そうだ、オレ。オレだよオレ。たまにはイイこというじゃんね、オレ。

にほんブログ村 オヤジ日記ブログ いきいきオヤジへ
にほんブログ村