チーズINハンバーグ&海老フライ【半額】@「ガスト」
天変地異には抗えぬ。まぁ、台風が来てるってんだから悪天候は仕方ないね。一応は走りに出ようかとランニングウェアに身を包んではみたのだが、窓から外を眺めると、いつしか雨が本降りになっていた。雷鳴までもが微かに聞こえてくる。
仕方ない。こんな時は「ガスト」だ。何が仕方ないのかは哲学的事情により説明を省かせて頂くことにする。例によって例のごとく、「スマートニュース」アプリから提供されるクーポンをここらで権利行使させて頂こうと考えたわけだ。
相も変わらずビンボ臭いネタでどーもすみません。
「いらっしゃいませー。お客様、何名様でしょうか?」
「(見ての通りひとりだが何か?)あ、ひとりです」
「失礼ですがマスクはお持ちですか?店内ではマスク着用をお願い致しております」
「(持ってるけどめんどくせー)持ってないです」
「それでは少々、お待ち下さい」
とレジの奥へ姿を消したと思ったら、アベノマスクの倍ほどもありそうな大きなマスクを差し出された。
「ありがとう」
敵方の徹底抗戦の構えにすんなりと白旗を上げマスクを装着し席に着く。
時間はランチオーダー解禁のジャスト午前10時30分。人影はまばらどころか先客は2名ひと組しか見当たらなかった。マスク要る?
オーダーはタッチパネル方式だ。予めクーポン番号を入力するすると、自然発生的にオーダーシステムが稼働する。
「ミサイル発射!」
と呟きながら最終オーダーボタンを勇気の人差し指でポチッとな。あとはオーダーしたものが来るのを今か今かと待ち構えるのみだ。
オーダーしたプレートが来た。ひょっとしたらライスとかスープとかが付いてくるのかも~、なんて期待したが、やはり負の期待通りワンプレートだけの料理が運ばれてきた。
これだけをオーダーする人なんているのかな?なんて思いつつもアメリカナイズされたブランチを楽しもうと決意した。
ハンバーグをパカッと割ってみる。中からドローッとした白い液体が流れ出してきた。
「な、なんだこれは?!」
改めてメニュー名を見ると、「チーズINハンバーグ&海老フライ」となっていた。お、落ち着けオレ。ただ半額になっているという事だけに囚われて、ろくすっぽメニュー名を把握せに注文してしまった己の不明を恥じる。
これしきの量のこと、片付けるのに然程の時間は要しない。ものの10分で皿の凸凹を真っ平らにし、卓上の会計伝票を手にしレジへと向かう。お代はクーポンの提示価格通り424円(税抜)と半額価格だったが、ちょっと冷静になって考えて欲しい。本来ならばワンプレートで上代849円(税抜)だ。税込だと繰り上げて934円となる。ここにライスとかスープを付け加えると、少なくともあと300円は値が張る計算になる。
「ガスト」って今の今まで庶民の味方だとばかり思っていたけれど、意外とそうでもないんだということがよくわかった。半額クーポン使った癖に偉そうに抜かすなと言われそうだが、自分が思う価値観で判断したならば半額こそが適正価格だろう。ファミレスの名称はもはや過去のものとなってしまったのだろうか。