美脚を手に入れろ!作戦・地下進行中
昨日、次女が今春から進学する中学校の体験入学があった。
中学校で一体なにをしてくるのかは知らないが、この日のことは以前より楽しみにしていたらしく前日からはしゃいでいた。
げんきんな奴である。
普段は土曜日に学校に行かねばならない時などはやたらとブツブツ文句を言っていたくせに、どういった風の吹き回しか。
自らが小中学校の頃は当然の如く土曜日にも授業があった。ただし半ドンだったが。ただその半ドンが嬉しくてならなかったのは40年以上前の事にしろまだ記憶に新しい。岡八郎と花紀京のコンビを吉本で観るのが楽しみだった。
進学したらバドミントン部に入りたいと言っていた。昨今の日本人選手の活躍に憧れてのことでも何でもない。たまたま自宅にバドミントンのラケットとシャトルがあったからだ。
だが、やめておいた方がいい。
実の親にしてそう言わしめるほどに酷いからだ。バドミントンというよりも、まるでラケットを小道具に見立てた新体操にしか見えない。
そもそも我が家の家系に球技に携わるDNAは受け継がれていない、というか遥かご先祖の時代から存在していないと断言する。自ら然り、坊主然り強く自負してはばからない。
友達も多く入部するからと、たったそれだけの理由で卓球部に入部した坊主だったが、その多くの同級生は経験者だった。超が付く初心者であった坊主は逆に居場所をなくしてしまい、元々なかった卓球への意欲がとうとう干上がり警報を待たずして遁走してしまった。道具やらユニフォームやらを自らの懐から捻出した嫁が激怒していた。
そういった過去の事例を踏まえ、今回は全力で反対してあげている。なによりも自分が惨めな思いをするだけだ。バドミントンにしても野球にしてもサッカーにしてもスポーツ少年団から上がってくる連中と比肩するには余程の練習量と忍耐力が要求されるこだろう。
「じゃ、何がいいの?」
新入生はとにかく部活動に入部せねばならないらしい。体育会系しか念頭にはない様だ。
「陸上競技は?小手先の技が必要な競技も中にはあるけれど、基本、走るか飛ぶか投げるだけだから、お前みたいな単細胞には向いていると思うぞ。それに団体競技と違ってチームの足を引っ張ることもないから責任感も必要ないし、マンツーマンで戦うこともないから気楽なもんだぞ。小学生で陸上競技をやってました、なんて奴はいないだろうから同じスタート位置に立てるしね」
なによりもこの自分が経験者だということが大きく説得力となったことだろう。ついでに、陸上選手は美脚になれる、と空気を入れておいた(詳しく話すと長くなるので割愛するが事実です)。
「えっ、美脚?じゃ、わたし陸上にしよっかな。ローラみたいになれる?」
「あ、あぁん、うん…。なれるんじゃないかな??」
刺すべき釘はいっぱいあるが、それは実際にそうなってから釘打ち機でも使ってさせばよい。まだ2ヶ月少々間がある。子も親も後悔しないことが必要だ。
で、自分はといえば来たるべく春の大会に向けて新ワラーチの製作中。