ハピバ!アンコ16歳
10月も半ばとなり、今更だがやっと秋らしい一日を過ごすことが出来た。個人的には秋、それも晩秋と呼ばれる頃の気候が一番好きだ。なんだったら1年中、晩秋でもいい。ただ「常春」と呼ばれる地域はコロンビアやエクアドル辺りにあるみたいだが、残念ながら「常晩秋」と呼ばれる地域は存在しないらしい。ただ日本の面積はアメリカのモンタナ州と同程度ということなので、アメリカ人にすれば季節が変わる都度涼しい所に移動すれば良いと思うだけかも知れないね。ま、なにはともあれやっとオレの季節がやって来たぜ、とそう言いたい。
忘れていたわけでは無いのだが、10月の12日は娘1号、つまり長女の誕生日だった、がお祝いの席もその時もなく過ぎ去ってしまった。坊主と1日違い。つまり坊主の1日あとだ。坊主はともかくとして、長女の誕生日を見過ごすことはこの自分が許さない。なにせ自分の大好物を名前にしてしまうくらいに愛しているからだ。
物欲がないので毎年、誕生日プレゼントは大好物のチョコレートを大量に買ってあげることにしている。この時季はちょうどハロウィンと重なることもあり、各メーカーからはハロウィンバージョンのチョコレートが数々発売される。全く趣旨が違うものの、何となくのお祝いムードにありがたく便乗させてもらっている。
裸で渡すのも色気がないので、元々なにが入っていたか忘れてしまったがプレゼント用のどデカイ布製の袋があったので可愛くラッピングしてみた。
ラッピングゆーてもズタ袋に入れ、口を縛っただけの物だけどね。もらった本人が喜んでくれればそれでいい。満面の笑顔を見ることが出来た幸せをあなたにもチェルシーの様に分けてあげたい。はぁ~かわゆす♡
使用後の袋はどうするかだって?そりゃ、また大事に押入れにしまっておくのよ。来月1日にはまた次女の誕生日が控えている。きっとその時にまた活躍することだろう。
誕生日といえばバースデーケーキだよね。長女はケーキもチョコ派だが、坊主と次女はイチゴに生クリームのオーソドックス派だ。これまでは各々の好みを満足させる為にわざわざ自宅から離れたシャトレーゼで「アソート」タイプのケーキを購入していた。
同伴通学の際に、今年はどんなケーキがいいか訊ねてみた。すると、
「白いイチゴのケーキでいいよ」
と答える。
「だって、お兄ちゃんとあづ紀が喧嘩するもん」
そう、「アソート」に含まれるイチゴのショートケーキはひとつだけなのだ。ただ人の誕生日にも関わらず兄と妹が仲違いし、そのひとつを巡り骨肉の争いが毎年、演じられる。その光景をお祝いされるべき本人が見て心を痛めていたというわけだ。それが…、それが…、なんという…、優しい気遣い心遣いなんだ。全くもって自分だけの娘としか思えない完璧な気配りではないか。父ちゃん、感動して涙が出らぁ。
気遣いには気遣いを。というわけで、ケーキを受け取りに行った際に追加でチョコレートケーキをひとつ購入して来た。
日付は5日も過ぎてしまったが、改めて16歳の誕生日「おめでとう」。しかし人んちの子どもの成長は早いと言われるが、自分ちの子どもの成長も負けず劣らず早いもんだな。
もう職場見学?!partⅡ
「明日、あれ、お願いしますね」
あ…、あれ?
「あぁ、わかった」
取り敢えず返事しとけ。
だいたい、うちのは「あれ」とか「あそこ」とか「それ」とかの指示代名詞が多すぎる。自分も長い付き合いのうちにかなり訓練させてもらったが、如何せん自分自身、記憶がないことにはさすがに「あれ」に対して想像力が働かない。
「あん子、明日は制服着てかなあかんでね」
あぁ、あれか!やっとわかった。
先週に引き続き長女あん子の職場見学の日だ。夏休み中だというのにご苦労様な話だよね。まぁ、彼女は行って見るだけで実際にそこの責任者とお話をするのは自分だけど。それはさておき、といった理由で今回も華美ではない平服という正装でお目当ての作業所を訪ねたのだった。
前回は自宅からはより近いが通う手段が徒歩か自転車、若しくは車による送迎でないと通えない場所にあるが、此度は前回に比べ遠くはなるが最寄りのバス停からバスに乗って通うことが出来るという利便性に優れている。まだ3年後の話なので慌てて職場を決める必要はないが、その辺りは今のうちに考慮しておかねばならない課題だろう。
此方でのメイン作業は「製菓」らしい。つまりお菓子を作っている。お菓子とはいえパティシエがいるわけでもなく、言い方は悪いが素人でも出来る簡単なクッキーやビスケットを制作し、何かしらのイベントやスーパーなどの福祉コーナーで販売しているということだ。ただ、コロナ禍で対面販売が出来ず台所事情はあまり芳しくないらしい。
今回は上辺だけでなく、そういった突っ込んだ話も出来たのは収穫だったかと思う。
ちょうど高校2年生の女子が2名、職場体験に来ていたので、
「どう?楽しい?」
と話しかけるとニコニコしながら「はい」とうなずき恥ずかしそうに両手で顔を覆った。
ごめんね、イケメン爺いで。高校生までもを虜にしてしまうということが今回、判明したところで施設長にお礼を言うと作業所を後にした。
前回もそうだったが今回も仕事をしている姿が極めて恣意的にうつった。何ら強制されることもなくストレスフリーに働く姿を見るとなんだか羨ましくて仕方がない。これで生産性を高めろというのには無理があるかも知れないが、どこかラテン風なノリの良さが感じられた。
もう職場見学?!
この夏休み中に長女の職場見学があるという。
「職場見学?また高1だぞ?」
「そりゃ、そうなんだけど、先ずは親にわかってもらう為じゃない?」
知的障がいがある故にどこでも好きなところに就職出来るわけではない。受け入れてもらえる場所を親も予め知っておくべきだということだろうか。
「というわけで宜しくね」
そう来るとと思ったよ。
「大丈夫。10時からだから仕入れが済んだ後でも間に合う」
そういう問題じゃないだろ。ただ、自分にしても興味深い。今回は積極的に買って出た。
見学場所は此方で選ぶことが出来る。そこで焼き立てのパンを販売しており自身もそこが気に入り以前、購入したことのある施設に打診してみた。受け入れ可能ということだったので予約を入れ、予定日の週明け月曜日に長女を伴い見学に伺った。
その前に、見学に当たり幾つかの注意事項や決まりが伝えられていた。「遅刻は厳禁」。まぁ、それは当たり前のことなのだが、「あまり早すぎてもダメ」だそうだ。「制服着用」は当然そうだ。それに従い、「親も正装でお願いします」とあった。
「このくっそ暑いのにスーツで行かなきゃならんのか?」
「いや、別にふざけた格好じゃなきゃいいんじゃない?」
恐らく昭和世代と平成世代の正装は定義が異なるのだと思う。子どもの頃に経験した授業参観はさながらお母さん達のファッションショーだった。よそ行きの服で着飾った自分の母親を初めて見る子もきっといただろう。その時を知る自分にとっては正装と言われると=スーツ姿としか考えられない。
そういえば坊主がまだ高校生だった頃の個人懇談に真夏のくそ暑いさなか、失礼の無い様にとスーツで伺ったら担任がポロシャツにハーフパンツだったことを思い出した。クダケすぎだろ。
「ヒゲを剃って」ともあった。自分は口髭と顎髭を蓄えている。
「ヒゲ剃らにゃあかんのか?!」
ヒゲはある種、自身のアイデンティティと捉えている。つまりヒゲが有るか無いかが他人にとってキムタクかそうでないかの判断基準なのだ。
「生徒の話でしょ。早い子は生えてきてもおかしくないだろうから」
ついこの間まで中学生だった男子のヒゲの心配は尚早ではないかとも思うのだが、どっちみちマスクしてるからわかんねぇじゃん、とも思った。
さて、肝心の現場だが、築4年目ということで随分と綺麗な施設だった。パンの製造販売のみが仕事と思いきや、その他にも自動車のエンブレムに携わる仕事やカレンダーの制作なども多く寄せられるそうだ。
見学ついでにパンを購入させてもらう。相変わらず価格の割にクオリティの高いパンだ。長女がパンを作る姿を想像してみたがまるで違和感がない。とはいえまだまだ先の話なので焦る必要は全くないだろう。
ワンオペ授業参観
「ワンオペ」のことを「ひとりでおっぺけぺー」の略だと思っている人は極めて少ないとは思うが、意味が全くわからない人も大勢いるだろう。だいたいやね、竹村健一。いわゆる和製英語ってぇのが日本には多すぎるんだよ。そもそも「ワンオペ」は「ワンオペレーション」の略らしいが、元はコンビニや牛丼屋などの業務を何もかもひとりでこなさなければならない状況のことを誰かがそう呼んだことから始まったらしい。「すき家」がそのことで問題になったよね。やたらめったら強盗に入られるってことで。つまりはけして良い状況ではないってことだよ。
「あん子の授業参観があるけれど行ける?」
と嫁に振られた。一応は疑問形になってはいるものの、これはつまり「行ってくれ」と同義語だ。
「私は仕事が休めないから行けない」
と、実にサラリとそう仰っておりました。
そりゃさ、行けないことはないよ。午前中ならば確かに時間的余裕は若干ある。但しあくまでも「若干」だ。自分を知る多くの人はご存知のことだろうが、仕事を終え帰宅し風呂に入り、その後も諸々の業務をこなしやっと就寝出来るのは早くとも夜中の1時を過ぎる。そして遅くとも4時半には起床し市場へ仕入れに出かけ帰宅するのは早くて午前8時だ。その後、長女を徒歩で学校まで送っていく。
「いいよ」
そう答えざるを得ない空気感を読み二つ返事で承諾した。これで午前の休息時間が潰れることになる。
ただ、自分にとって運がよいことに学校の所在が1.5km先と比較的近くにある。特別支援校というそれこそ特別な学校だけに普通校の様にあちらこちらにポコポコとあるわけではない。ということはつまり岐阜市の端の端からも生徒たちが集まってくるということだ。これは生徒たちにしてもそうだが、保護者にとっても大きな負担となる。通学に車で1時間なんてこともあるのではなかろうか。
ま、それはともかくとして行ってきました授業参観。
授業というよりこの日は作業。リサイクル関連の実務作業を見学をさせてもらった。毎日、給食で大量に消費される牛乳パックをリサイクルに回すのだとか。
なんだか見ていて地味〜な作業だが、それなりに楽しんでやっている様子が見てとれた。他の保護者が皆、遠巻きに観ている中で自分だけが生徒の中に入り交じり先生や生徒との会話をも楽しんでたんだけど、咎められなかったってことは別にいいんだよね。生徒も話しかけられて喜んでいる風だったし。ただ我が娘には「余計なことをするな」とばかりにキッと睨みつけられたけど(汗)
寝不足で肉体的によりも精神的に辛くはあったが、とはいえ参観出来たことは非常に良かったかと思う。先生たちの大変さを理解することが出来たことも含めてね。
そしてその日、人生で初めて「ユンケル皇帝液」を買ったのだった。
いちご狩りがネタになる筈だったのに…。
かつてファミリーマートで一世を風靡したという「リッチフラッペストロベリー2017」が復活したというネタが朝っぱら、とはいえ恐らくまだ未だ宵闇に近い午前4時にネットをサーフィンをしていたら目に飛び込んだ。冒頭から衝撃的な始まりではあったが、そこまでの感動もなく、それどころかその商品のことを自分は一切知らない。
ただ莓というキーワードに引っかかり、「いちご狩り」で検索してみた。そういえば今年はまだ行っていない。今年どころか去年も一昨年も一昨々年も行っていないので正直、特筆することは何もない。
すると岐阜市のお隣、山県市に、本日5月16日最終日と書かれたホームページを見つけた。朝っぱらから雨降りだし、それも一日中降り続く予報だ。その後、とうとう梅雨入りしたとの報せを目にもする。ならば暇つぶしにいちご狩りもいいじゃないか。ただホームページには前日までの要予約と書いてある。開業時刻の午前9時を待ってダメ元で電話をしてみた。
「よろしいですよ」
マッハで快諾だった。まさかGWも開けて5月の中旬までいちご狩りができるなどと誰も思っていないのだろう。自分もまさしくその1人だった。ということは他に予約客がいない?後は想像に任せる。
「いちご狩りに行くぞ」
と次女に伝えると想像に易く猿よりも猿らしく小躍りして喜んでいた。が、その後に自分の元に神妙な面持ちでやって来た。
「あん子、お腹が痛いって」」
「え?」
不安が過る。
「熱は?」
「37.5℃」
「じゃ、あかんやん」
せっかく最終日に滑り込みで予約を入れたいちご狩りだったが、舌の根も乾かぬうちにお断りの電話を入れた。
「すみません。家族がひとり発熱しまして、他は今のところピンピンしてはいるのですがご迷惑をお掛けすることになるかも知れませんのでキャンセルをお願いします」
予約に引き続きキャンセルも速やかに快諾して頂いた。全く申し訳ない。
取り敢えず保健所に電話をして対応を伺うと、明日の朝にまだ熱がある様でしたら、検査対応が可能なお近くの医者、若しくは掛かりつけ医に電話をしてご相談下さい、との返答をもらったので一先ず様子を見るしかなさそうだ。
ぬか喜びさせてしまった次女には本人も辛いんだよと言い聞かせ、近所のファミリーマートに行き「リッチフラッペストロベリー2017」で我慢してもらった。
話が振り出しに戻ったがなんとかなだめることが出来たかと思う。
ただ本人曰く、いちご狩りに行けなかったことが残念なのではなく、あん子と一緒に行けなかったことが残念だったということだ。自分ひとりだけだったら行く気は無かったらしい。
あの頃、ぼくは若かった♫
案の定、雨だ。車を洗ったら雨だ。雨だらだったらすいすいすい~だ。タイミングよく水曜日はビン・カンの日だった。ふー、忘れるところだったぜ、ってそんなことはどうでもよく、何故に車を洗った時だけ雨が降るのか?洗車が先が雨が先かってくらいに車を洗ったら雨に見舞われる。それに今回はちょっと奮発してせっかく800円のワックス洗車を選んだのに。
まーしゃーない。ここは日本人特有の潔さで諦めるとしますか。というわけで折よく雨だ。外に出ることなく自宅に籠もる大義名分が出来たというものだ。ならばここのところの日課となっている大掃除に今回も性を出そうではないか。性を出してどうするんじゃ。もう、マジこのPC馬鹿。とIMEにひとしきり悪態をついたところで先に進めたいと思う。因みにGoogle日本語入力だ。
今日は家中の段ボールを片付けた。最近は至るところに段ボールやら雑紙やら雑誌を無料回収してくれるリサイクルステーションが設置され非常に重宝している。段ボールの出どころはほぼ我が家の「南米の密林王」だが、たまには自分で捨てに行けよ、じゃなくてリサイクル処分しろよ。
しかし、よくある話、大掃除にはつきものだが懐かしいアレやコレやがどこからともなく登場し、その度に掃除の手がとめられる。
アルバムなどはその最たる悪の根源だ。若き日の自らの容姿を眺めながら我がことながらついついうっとりとしてしまう。時代が時代ならジャニーズで全然いけるんちゃう?因みに年齢はマッチよりもひとつ上だ。
一通り掃除が終わると、お次は長女を学校にまで迎えに行く。昨日まで続く懇談会の為、授業は午前中のみ。本来ならばその後は放課後に通う自立支援施設に予定を入れてあったのだが、前日に行きそびれた産婦人科に連れていかねばと急遽、お休みを願い出た。
長女にとっては初めての産婦人科医だ。おそらく身内を除いて彼女の◯◯◯を見たことがあるのは出産時に立ち会った先生や看護師、若しくはそれに準じた方々だけだ。そこで予め、その時間帯に女性医師が担当する病院、医院を調べると、運良く身近な総合病院がヒットした。
当たり前だが待合室は女性ばかりだ。
ただ、期待していた様な好奇な目を向けられる様なことは全くなかった。まったく、つまらん。ただ、彼女にとって相手が如何に女性であろうと、やはりすっぽんぽんを拝ませるのは抵抗感があった様で、診察室のカーテンの向こうでは看護師と本人の間でその手の言葉のやりとりが繰り広げられたのを耳にした。もちろん、その現場に自分はいない。あくまでも漏れ聞こえてくる言葉が頼りだ。
結果、思ったよりも大したことはなく、単に「にきび」の様なものが出来ていただけ、それが擦れて痛い思いをしただけと診断された。塗り薬をもらうと安堵と共に帰宅の途についた。
しかし、問診票を書かされたまでは良いものの、初潮の日や今月がいつだ、先月がいつだ、それが何日つづいたか、痛みがあるかないかなど本人もわからなければ自分がわかるわけがない。すみませんがそこはテキトーに書いておきましたので、あとはそれなりにご対応をお願い致します。
なにせプータローなんで
長女が「痛い」という。一昨日の朝、通学途中のことだ。「どこが?」と訊くと「お◯ン◯ンの辺」と返ってきた。くどい様だが通学途中だ。今ここで見せてみろとはさすがに言えない。痛みの程度はわからないが、歩けるには歩けたので気にはなったが取り敢えずそのまま学校へ送り出した。
翌朝となり、医者へ連れて行って欲しいと嫁が言う。
「え?そんなに悪いの?」
「いや、なんかお股に腫れ物が出来たらしくそれが擦れて痛いんだって」
「なんだ、そんなことか」
とはいえ連れて行ってくれと言われるならば連れて行かねばならない。なにせプータローなので断る術がない。
そんなわけで昨日は車で送っていくことになった。その腫れ物がどの程度のものかは知らぬが歩くのも痛いというのならば仕方がない。ただ、その日の午後に懇談会が行われ、その時にも体育の授業中に保健室へ行ったと聞かされた。途中で痛さの為にうずくまってしまったらしい。
腫れ物だと皮膚科になるのだろうか?ただデリケートな場所なので産婦人科にした方が良いのだろうかと思案した挙げ句、取り敢えず産婦人科にしてみるか、と一応計画だけは練ってみた。産婦人科へ行くこと自体なんら抵抗感はない。ただ、制服姿のJKと一緒ということならば話は別だ。周りからはどの様な好奇な目で観られるのだろう。なんかワクワクしてしまう。
前述した様に午後3時45分から懇談会があったので、その後に診察に行く予定であった。食卓に無造作に置かれた大量の診察券や保険証の中から長女の物を抽出する。が、見つからない。いつもそうだ。必要な物だけを出せばいいのにそれをしないからこういうことになる。結局、保険証は見つからなかった。懇談の1時間前にはそのことがわかっていたので、既読されないことを承知の上で「あん子の保険証が見当たらない」とLINEでメッセージを送っておいた。
結局、産婦人科に診てもらうことが出来ずスペクタクルに富んだネタを仕入れることも出来ず、この度はこうなった経緯と状況を述べるにとどまる。
案の定、帰宅をしてからも一向にLINEが既読にならず。業を煮やし尋問に向かう。
「あん子の保険証がない」
「え?じゃ、医者に行ってないの?」
「たりめぇじゃねぇか」
「なんや…」
なんやってなんや。
「で、どこ?」
「あー、あ。しまった!そうやった。歯医者に置きっぱなしやゎ」
「は?」
なんでも長女を歯医者に連れて行ったまでは良いものの、診察券もろとも置いて帰って来てしまったそうな。
「先に歯医者に寄ってから行ってくれれば良かったのに」
「のに」ってなんじゃ、「のに」って。そもそもそんな事情は知る由もない。もうめんどくさいからオレが悪者でいいや。なにせプータローなんで。
そういえば、自分もまた午前中に例の「頚椎症性神経根症」という謎の病を診てもらいに整形外科へ行った。
予約は9時からだったのに、9時前には会計が終わってしまった。理想的かつ、画期的な予約システムと言えるのではなかろうか?