生クリーム専門店「MILK」の万有引力の法則
最寄りのローソンまでテクテクと歩いていった。最寄りとはいえ往復で3.5km程度ある。たかが3.5kmと侮るなかれ。炎天下の3.5kmといえば熱中症に陥るには十分な距離だ。だったら何故そんな思いまでしてローソンになんて行ったの?ふ、そこにローソンがあるからさ。車で行けよって話だけど、なんとなく歩きたかったんだよ。徘徊じゃないよ。
ま、今までさんざん言ってきた事だからローソンに行った目的はわかるよね。そう、コンビニATMに用事があったからだ。復習してみよう。何故ローソンのコンビニATMに執着するのかといえば、ローソンのコンビニATMにだけ両替機能が備わっているんだよ。というわけで、これからもローソンのコンビニATMに執着させていただくことにしよう。
「お得なクーポン券が出ます」
とアナウンスが2度流れる。Pontaポイントがもらえるということなので素直に頂戴しておいた。
たかが10ポイントだが、10円に換算出来ることは大きい。賽銭箱に10円を投ずることが出来てもドブ川に投げ捨てることが出来ない自分としては貰えるものは何でも貰うことにしている。
そして、コンビニを利用するとスイーツコーナーをコーナーリングするのがいつものルーティンワークだ。新商品を見つけると小躍りしたい気分になる。すると、ひときわ目立つ最上段に「新発売」と書かれた商品が展示してあった。
なんだって?「MILK」とのコラボだと!「MILK」といえば日本初の生クリーム専門店として生クリームを主役としたスイーツを提供するということで今、話題の店じゃないか!Google先生、ここまでありがとう。牛の絵をあしらったパッケージが特徴だそうだ。つまりそのパッケージをローソンが丸ごとパクリ、コラボスイーツとしてしまったということか。これは是非、買ってみねば。
あ、歩いて来てるんだった。帰宅するまでに生クリームが溶けちゃうじゃん。クーッ!断腸の思いで断念した。でもね、その後にわざわざ車で買いに行ったの夢枕(爆)
今、買わないと二度と会えない、そんな気がしたからだ。
うん、やっぱり買いに行って良かった。確かに生クリームを売りにするだけあってあの「どらもっち」でさえどら焼きであることを忘れてしまうクリーミーさだったし、「生クリームチーズケーキ」に至っては甘さ控えめな生クリームがクリームチーズの酸味を引き立てフレキシブルな高級洋菓子店な味わいだった。意味が通じなくともこの際、どうでもいい。
といったわけで、また今回もWスイーツを堪能してしまった罪悪感に苛まれることとなった。もうオレ、デブでいいや。
パパはお人好し
ここのところ毎日のように3時には目が覚めてしまう。前職の時は仕入れを担当していたので当たり前のことだったが、今の私は右から見ても左から見ても正真正銘のプータロー。早起きの必要もない。が、予行演習としては良いだろうと、目を覚ましたらその瞬間から起床するようにしている。そしてすかさず顔を洗う。とはいえその後、特別やることもないのでSNSに投稿したりと一人遊びを楽しんでいるんだけど、そのSNSに絡んでくるその時刻になってもダラダラと酒を飲んでいる場末のスナックのママよりは建設的な生活だよね。当の本人に訊いてみたい。
早朝だというのに実に蒸し蒸しとした空気だった。最近はランニングだけでなく、ウォーキングなども嗜むようになった。けして世陸の競歩に刺激されたわけではない。単純にそれが競技でなければ走るよりも楽だからだ。それにランニングよりも落ち着いて景色が見られるしね。
川沿いを散歩をしていたら知らぬ間に真っ赤なハイビスカスが左岸を彩っていた。
まるで大勢の厚化粧をした美女がこちらに顔を向け一斉に微笑んでいるような光景じゃないか。此方も思わず目尻を垂らしにんまりとしてしまう。
自信満々にハイビスカスと言ってはみたが、自分で自分が信用できない自分なので写真を撮りGoogleレンズで検索をかけてみるとどうだい。ハイビスカスではなく、どうやらアメリカフヨウという呼ばれる外来種らしい。
外来種とはいえ生態系に悪影響を及ぼしているわけではないので心配はいらないそうだ。花はいいねぇ。荒んだ気持ちも和やかにさせてくれる。
というのも、少々苛立つことがあったからだ。先日の見学からさほど日を置かずして、またしても長女の就労先の参考とする事業所見学があった。喫茶店を併設するとても綺麗な施設だったので半ば見学を楽しみにしていたんだよ。ところがだ、
「さぁ、参りましょう」
と引率された先は窓の外だった。つまり建物の中には入れてもらえない。真夏の炎天下ですよ。例え日陰だとはいえうだるような暑さを生徒も保護者も我慢せねばならなかった。行くことが決まりになっているから一応、行きはしますが、私達が働く職場を真剣に見つけようなんて生徒はまずいないので、最初から皆のテンションは下がりまくってもう、地下に潜ったね。
「暑い中、ご苦労様でした。では喫茶店の方で少しお話をしましょう」
ふぅ、やっと涼しいところへ行けると思い足を踏み入れたら、
「なにかお飲み物をそちらの券売機で買って下さい」
と引率の先生が言う。聞き間違えたかと「え?」の一文字で確かめてみた。
「暑かったですから何か飲み物でも飲みながらお話を聞きましょう」
それがこの事業所見学の趣向というのならば仕方がない。コーラ450円とアイスコーヒー400円のチケットを買わせてもらいましたよ。ドラッグストアにいけば200円でお釣りが来る上に量もたんまり飲めるじゃん。セコい話はしたくはないが、セコくもなる。それよりも何よりも驚いたのが、それが参加者全員に課せられた義務かと思いきや、チケットを買ったのが先頭に入った自分たち親子だけだったという事実だ。なんてお人好しな親子だ。強いて言うならお人好しな父親だ。
まぁいいや。四の五の言っても仕方がない。ただ、この事業所に就職させたくはないと思った。
「はやし」の『パンチ焼き』&『焼きそば』からの嫁の実家最高かよ!
娘たちが母方の祖父母宅へ泊まりに行くという。毎年の夏休み恒例行事だ。嫁にとっては厄介払いで好都合だと言っていたが、自分はぼっちになってしまうので少し寂しいな、と口頭でしっかりと伝えつつ嫁の実家へと送っていった。印象操作はお手のものだ。
昼時が重なったこともあり、送りすがら食事を取ろうと、とある食堂に寄った。以前も利用したことがある「はやし」だ。
次女に言わせれば「また、きったねぇ店かよ」のうちのひとつだ。だって、恐ろしくリーズナブルなんだもん。
ただ、店の中を覗くと満席だった。テイクアウトの客も2名、カウンターに並んで待っている。
仕方がないので外で待たせてもらうことにした。カウンターの中では金色の髪のキンシコウのような女将が孤軍奮闘している。
10分ほど待たされたが空きが1卓出たので滑り込む。帰り間際に「お待たせしたね」だって。さりげない気遣いが素敵じゃないか。ま、ここに限ったわけでなく、昔から娘を二人連れて歩いているだけでどこへ行っても気を遣われるんだよね。多分、男親がひとりで、という点がポイントなんじゃないかと想像する。
オーダーをするのも憚られるほど忙しそうだったので、一段落つくまでオーダーを控えていた。そう、自分もまた気遣いが出来る奴なんだよ。もうそろそろといったところで
「オーダーしてもいいですか?」
と尋ねたところ
「覚えられへんでそこの紙に書いて」
とサイゼリヤ方式を推奨されたので素直に従うことにした。ここでも気を遣い3人が3人とも「焼きそばの肉玉入り300円」をオーダー。バラバラに物を注文するとそれだけ時間が掛かるということを娘たちも理解したようだ。さすがサラブレッド。加えてなんだか想像が出来ない「パンチ焼き」も頼んでみた。
「はい、お待たせ。お兄さん、ごめんよ。後ろの席に運んでくれない?」
カウンターに座る人はこき使われるというシステムらしい。ところが運ばれてきたのはお好み焼きだった。
「あれ?焼きそばを頼んだんですけど…」
「あ、ほんとやね。しまった。直ぐ作るで待ってて」
運んでくれたお兄さんもバツが悪そうな顔をしている。
「ママ、これ誰も食べんのやったらオレが貰っとくゎ」
「あ、そういうことでしたら自分のところも一つ貰っておきます」
いや、カウンターのお兄さん、かっこいいゎ。という事ならばお兄さんにばかりええカッコさせておくわけにはいかないでしょ。
それから待つこと数分。「焼きそば」と「パンチ焼き」がご登場。どうだい、この焼きそばの食欲をそそるフォルムは。目玉焼きの黄身の垂れ具合が如何にもセクシーじゃないか。
ところでこの「パンチ焼き」は何故パンチなんだろ?
「お母さん、なんでパンチ焼きっていうの?お母さんの髪型がパンチだから?」
「焼き方違うのよ。材料はお好み焼きと全部いっしょ。お好み焼きは二枚に畳むけどパンチ焼きは畳まないだけ」
だそうだ。髪型とは関係がないらしい。といったわけで多少、寄り道に時間は掛かったが嫁の実家に娘たちを送り届けると冷やしたスイカが待っていた。
いっそのこと自分も泊まっていこうかな。我が家にいるよりも居心地がいい。
期待を裏切られた@岐阜市川原町「鵜飼茶屋しゃぐ」
昭和アイドルがCMで活躍していた頃の映像をYouTubeで見ていたら林寛子が出ていた。当時はなんとも思わなかったが、年齢を重ねるに従って好みって変わるもんだよね。めちゃんこ可愛いやんか。となれば今がどうなっているかが気になる。で、ググってみたら、今もまぁまぁ宜しいじゃないですか。相変わらずステージに立ち、歌手活動を続けているらしい。
それよりも何よりも、その同じステージにザ・リリーズがいたのには驚かされた。芸能人って思いの外、息が長いな。そしてそのザ・リリーズがこれまたご馳走状態に熟されていたのには更なる驚きを禁じ得なかった。林寛子も含め皆、還暦超えてんだよ。自分の59という年齢にしても自らが子どもだった頃にはとっくの昔におじいさん扱いされていてもおかしく無い年齢だし。だって父親の定年退職が55歳だったんだもん。
はい、林寛子にザ・リリーズの今が知りたい人は各自でググるように。
忘れもしない昨年の6月6日、かき氷を欲して岐阜市川原町にある「緑水庵」を目指した時のことだ。川原町には有料の駐車場も無いので長良川の対岸にある公園に車を止めわざわざ長良橋を渡り向かった。ところが折からのコロナによる非常事態宣言により鵜飼が中止となったのを受け、「緑水庵」もそれに従って休んでいやがったのだ。ふ、ふざけんじゃねぇぞ!
ということで3人で話し合った結果、リベンジを果たそうということになった。ただ、期待通りに間違いなく店は開いていたのだが、表に張り出されたメニューを見て狼狽してしまった。「みかん氷800円」?そんなに高かったっけ?
自分の頭の中には400円程度に刷り込まれていたからだ。いや、ま、それもかなり以前のことなので、物価上昇に伴い価格に変動はつきものかと思うのだが、さすがに2倍の価格ともなれば躊躇してしまったわけよ。
「お父さん、隣にもあるよ。隣の方がよくない?」
「え、そうなの?」
見ると確かに外のベンチでカップルがかき氷を食べている。外でしか食べられないのだろうか?
「中でもお召し上がり頂けますよ」
思っていることが見透かされたのか、店の女性から声が掛かった。
ならばもう悩むことはない。決定。ってゆーか、こんなところに店があったんだ?
店名は「鵜飼茶屋しゃぐ」、平成21年にオープンってことは、もう13年もやってるんだって。こっちの方は滅多に来ないからな~、疎くてどうもすみません。
「写真とは少々、盛り付けが違いますが良かったですか?」
まぁ、それもよくある話だが、がっかりされる前に予め伝えてもらった方が良心的だよね。
「えぇ、大丈夫ですよ」
因みに娘1号は「桃氷(桃果肉入り)400円」、2号は「ブルーハワイ300円」、自分は「マンゴー300円」だ。
「はい、お待たせしました。最初からスプーンを入れられると倒れますので上の方はかじって下さいね」
って、え?は?なにこれ?ちょっとヤバくない?てかヤバいっしょ。と言いつつも、こんなことされたら笑うしかないよね。氷はふわふわではなく自分がそう呼ぶところの頭キーン系だが、もう今年はかき氷いらんってくらいに堪能させて頂きました。また来よっと。
インドカレー屋の『Saba Curry』
学校が夏休みということは、我が家にとって日曜日のようなものだ。B型2名は仕事に出かけ、残るは普段から仲の良いO型3名ということになる。
「どうせやること無いんだから粗大ゴミを捨ててきて」
とか、
「米を精米してきて」
とか、仰せつかった力仕事をそつなくこなすと、アドレナリンやエンドルフィンを分泌したくなりませんか?かといって、このクソ暑い中をランナーズハイを求めて走ろうなどとは思わない。そんな時に手っ取り早く分泌を促すにはアレだよアレアレ、カレーだよ。
ということで、最寄りのカレー屋、行きつけのインドカレー屋を訪ねた。
頭髪育毛研究所が気になる。潰れた中華料理やの看板がそのまま。
インドカレー屋といいつつも、そこで働いているのはバングラデシュ人だ。以前も言ったがもう一度言おう。インドカレー屋にインド人はいない。インド人で来日が可能、つまり飛行機に乗ることが出来るのはカースト制度の上位の者だけなのだ。即ち元々収入のある彼らがリスクを犯してまで日本でカレー屋を開業する必要などないというわけだ。よって、一攫千金を狙ったバングラデシュ人やネパール人が多いと聞く。
この店はランチ価格が500円からと周りの店と比べても低価格設定となっている。しかしながら店が流行っているところを未だかつて見たことがない。今回もいつもと同じように貸切状態だった。
娘たちは無難に500円のカレーライスをチョイス。
「お父さん、サバカレーなんてあるよ」
サバカレーといえば千葉の銚子を舞台としたドラマで一世を風靡した『コーチのサバカレー』という缶詰が有名だが、それ以降、様々なものが世に出始め、あのココイチでさえ販売するようになった。バングラデシュ人が作るサバカレーは如何なるものか?お手並み拝見、というか、変わったものを見るとついつい試したくなっちゃうのは自分のお茶目で悪いところなんだな。
「これ、ライスじゃなくてナンでもいいですか?」
日本語がほぼわからなさそうだったので、写真を指差し「ナン、ナン、ナン」を連発するうちやっと理解してもらうことが出来た。答えはOK。
そして、待望のサバカレーが登場。
ルーは見た目にサラサラしておりまるでスープのようだ。サバは恐らく冷凍のサバフィーレだろう。ただ、それについて異存はない。弁当で使用したこともあるが、焼けば普通に脂がのっていて美味い。但し、解凍しないことが条件だ。冷凍サバは一度解凍すると生臭くなる。
「うわっ!生臭ぇ~!」
調理法は不明だが、今回は大失敗だった。サバには予め火を通してはあるようだが、カレースープの味わいがあまりにも淡白過ぎて生臭さがカバーしきれないでいるといった感じだった。
店の名誉のために一言添えるが、いわゆる普通のカレーはどれもとっても美味しいよ。ただ、慣れないことはするもんじゃないと助言したかったけれどチキンなので美味しかったふりをして店を後にした。
爆酔無駄遣い
先週末は岐阜駅前で開催された大規模音楽イベント「とっておきの音楽祭」に駆り出されることとなった。というのも、以前、自分が代表を務めた駅前飲食店集団がこのイベント会場でスイーツを販売することになったからだ。本来、自分は既に引退しているので携わっていないのだが、現代表から
「夜になると皆、店に戻らないといけないので手伝って下さい。どうせ暇でしょ?」
と電話があり、不承不承お手伝いをすることとなった。つまりボランティアだ。
地産地消推進を掲げ岐阜の夏野菜の代表ともいえる枝豆をベースにした、「枝豆de乾杯パフェ」とネーミングされた、枝豆から作られたアイスクリームをあしらったパフェだ。
居酒屋の店主が夜な夜な集まって試行錯誤しながら完成させた男の可愛さが詰め込まれた逸品だそうだ。男の可愛さというキャッチフレーズがキモくて残念ながら自分は食べていない。
ボランティアの条件は飲み放題だ。タンブラーを4,000円で購入すると自然に飲み放題がセットで付いてくる。つまりそのタンブラーを買い与えられたというわけだ。
ねぇ、それってボランティアなの?なんだ?オレのことを5時間で4,000円程度の安い男だと思ってんのか?ボランティアと呼ぶ以外、なにものでも無いだろう。こうなったらしっかりと元をとらねばならない。自費じゃないけどね。
最初の1時間は真面目に仕事をしていた。だが、杯を重ねるうちに何がなんだかわからなくなって来ちゃって、終いにはいちいち貰いに行くのが面倒になりビールブースの横から動けなくなっちゃって…。ほぼ、記憶を失くしそうになった頃、わざわざ友人が訪ねに来てくれた。彼こそが知っている人は知っている、知らない人はまぁ~ったく知らない、岐阜にこの人ありと言われるお城研究の第一人者な変態だ。
お城を愛でその石垣に頬ずりをしたかと思えば抱擁するだけでなく舐め回すという彼なのだが、その彼が駅前にて「BEER&CRAFT」という名の「クラフトビールとハンバーガー」を売り物にする店を始めるらしい。イベント会場に入る前に様子を伺いに行ってみた。わざわざロスアンゼルスで買付して来たというエアストリームトレーラーが銀色の光沢を放っていた。
なんでもクラウドファンディングで予算をかき集めている最中だということなので、前払いのつもりで2〜300万でいいから軽く投資してやりなさい。
さて朝になり案の定、昨晩の記憶がない。厳密にいえばどうやって会場を後にしたのかが全く記憶にないのだ。ただ貴重品等、手荷物はちゃんとお持ち帰り出来たみたいだが、スマホの中に残されたアイスクリームの写真は実に謎だ。
それと財布の中に残されたタクシーの領収書。
わざわざ節約の為、坊主に送ってもらってきたのに何してんだか。トホホ…。
知らぬ間にミミカキストにされていた
「ムヒER」のCMで大袈裟に耳の穴を痒がる佐藤あやを見て、そんな奴おるかいな!と毎回ツッコミを入れてしまう自分です。痒み止めに特化した各種「ムヒ」だが、その名の通り「比べるものがない=無比」から商品名とされたそうだ。因みに製造会社の名前は株式会社池田模範堂という。全然、知らなかった以前に全く興味を持つことがなかったけれど、どうせ皆もそうだろう。
そんなCMを馬鹿にしていた自分だったが、木菟引きが木菟に引かれた。やたらと耳の穴が痒いのだ。それほどのミミカキストでないにも関わらず、何故か左耳の穴が痒くて仕方がない。いけないと知りつつまた耳かきをしてしまう。となると一層、痒みが増すこととなり、そこに痛みまで加わるようになった。
あ、その前に解説をば。どうせまともに読める人もいなければ、意味を知る人もいないだろうから。木菟引きが木菟に引かれる(ずくひきがずくにひかれる)と読む。木菟とはミミズクのこと。昼間、目の見えないミミズクをからかいに来た鳥が、逆にミミズクをおとりとしていた猟師に捕まるといった意味だ。人生死ぬまで勉強だね。
ということで、最寄りの耳鼻咽喉科に診てもらいに行ってきた。
存在こそは知っていたが、初めて訪問する。
「ご予約はありますか?」
「予約しないとダメですか?」
「いえ、ただ予約の方から先にお通ししますので、今日は6番目になりますが良いですか?」
それくらいの数字であるならば想定の範囲内。待つことにしたが、思いの外スムーズに回転しあっという間に自分の番が回ってきた。
「耳かきはよくする方ですか?」
「いえ、たまにです。痒くなってからは頻繁でしたが」
「あぁ、赤くなってますね。炎症を起こしています。塗り薬を処方しておきますね」
「あ、はい」
この日の担当は院長だった。年齢は3〜40代といったところだろうか?マスク越しにもイケメンぶりが存分に発揮されている。
「基本、耳かきはしなくてもいいですからね。溜まりすぎて耳が聞こえなくなったらそれはそれで問題ですが、逆にいえばそこまで放っておいても大丈夫ですよ」
なるほど。TikTokで耳垢を取り除いたり魚の目を削ったり鼻の角栓をピンセットで除去する動画を見るのが大好きなのだが、いつか自分もそのモデルになる時が来るかも知れないね。
お会計の際に
「院長ってイケメンですね」
と伝えてはみたが、
「伝えておきますね」
とだけ返され診療費が安くなることはなかった。当たり前やっちゅーの。
で、処方された薬は「ムヒER」ではなく「VG軟膏」だった。
「VG軟膏」だったらうちにいっぱいあるんだけど。わざわざ耳鼻科に行く必要などなかったじゃ内科外科泌尿器科。