氷の上のさかな

氷の上にディスプレイされたさかなの様にセカンドライフをキラキラとさせる為に今を頑張ろうといったシュールなお話。

飽くなき挑戦 大いなる勇気@「鳩吹山」至る「犬山城下町」

鳩吹山。「はとふきやま」とも「はとぶきやま」とも呼ばれている。正確には全く知らない。なにせ未だかつて登るどころか触ったことも舐めたこともない山だ。

 

岐阜県可児市から愛知県犬山市にかけての木曽川の一部は、その風景がドイツを流れるライン川に似て風光明媚ということで「日本ライン」と呼ばれている。その「日本ライン」に沿うように川の左岸にそびえ立つ山がこの度の「鳩吹山」だ。

 

今回はこの「鳩吹山」にマウンテンクライミングのみならず、そのまま犬山市まで果敢にも山の中を縦走しちゃったひとりの漢の話をしてみたいと思う。

 

登山道入口は、雄大な「日本ライン」の景色を眺めながら風呂に浸かることが出来るという温泉施設「スパリゾート湯の華アイランド」の駐車場にある。

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というか、登山者は皆、勝手にそこに車を止めるので、いつしかそこが登山口と認識されることとなったのはあくまでも自説につき鵜呑みにしない様に。

 

それだけ登山口と駐車場が目と鼻の先にあるというわけさ。

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さて、登ってみましょう。

 

下山口は犬山市にある「継鹿尾観音 寂光院(つがおかんのん じゃっこういん)」という真言宗の寺の境内に直接アウトする。ここは紅葉が有名で、別名「もみじ寺」とも呼ばれているらしい。行ったことないから知らんけど。

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はい、到着

さぁ、無事に下山も出来たことですし、犬山の城下町でも覗いてみますか。

 

え、山の中での話?有るっちゃ有るが無いっちゃ無い。登って下りて登って下りての繰り返し?小学生もご老人も多く見かけたのでファミリーマウンテンと言えばイメージ出来るのではなかろうか。

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良い景色。日本ラインも丸裸。見ちゃ、いやぁ~ん

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天気が良ければ御嶽山も見ることが出来る


そう言えば御夫婦と思わしき老人が「立ち入り禁止」と書かれた看板を無視して軽やかなステップで入って行ったが、あの二人は今頃どうしているだろうか。まぁいい。

 

そうそう、縦走するには「鳩吹山」ともうひとつ、「継鹿尾山(つがおさん)」をクリアせねばならない。

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継鹿尾山の三角点 山の名前を表す看板はなかったかと思う


で、その「継鹿尾山」の山頂でお昼どきを迎えたので、例によって例のごとくカップヌードルのリフィルを大自然の中、優雅に堪能した。

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やはり室内アウトドアよりも室外アウトドアの方が何かにつけて様になる。リフィルもやっと、残すところ2個にまでこぎ着けた。

 

下山して犬山城下町までは約2km。のんびり歩いて行くのも一興だが、元来せっかちな性分なのでそこはやっぱりランニングにて向かう。お目当ては昨今、それを得る為に老若男女が犬山城下を賑わしていると聞く「インスタ映え」するスィーツ群だ。

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多くのスィーツ店が軒を連ねる中、自分が選んだのは「芳川屋」の『抹茶ワッフルコーン』だ。

 

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想像してみて欲しい。五十路も半ばのおじさんが、ひとりでスィーツを買い求める為に列に並ぶ姿を。そして、その姿を写真に収めてくれとお願いするその光景を。なんか、やることなすことに最近、羞恥心というものを感じなくなってきちゃったかも。

 

帰りは名鉄広見線犬山駅」から電車に乗り「可児川駅」にて下車。駐車場まで約2km。のんびり歩いて行くのも一興だが、元来せっかちな性分なのでそこもやっぱりランニングだ。

 

以上にて、命知らずな漢の壮大なる旅の話を終了させて頂くこととする。命があったらまたお会い致しましょう。

 

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2019年3月11日 過去の出来事・8

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スキーの計画をたてると雨が降る。先週の日曜日が雨に祟られたため、その代替日を昨日にと考えていたのだが、これまた生憎の雨。

 

「もー!なんで日曜日の度に雨が降るの?!この雨男!」


次女が憤って叫んでいる。どうやら責任の所在は自分にあるらしい。過去を遡っても真冬のスキー場で雨を降らせた男だ。そこは潔く認めよう。花粉にまみれた車を洗ったこともどうやら拍車を掛けた様だ。車を洗うと必ずと言ってよいほど雨に見舞われる。

 

「友達のうちにでも遊びに言ってきたら?」


「それもいいけど…。じゃさ、ニンテンドースイッチ買って。それがあったらココアちゃんと遊べるから」


「トイプーのくせにそんなん持っとんの?」


「だから犬じゃねぇ、つーとんの。人間や、つーとんの」


よくわからないがニンテンドースイッチがあれば親友のココアちゃんと一緒に遊ぶ術があるらしい。自分の中では知識的に任天堂Wiiが最後で終わってしまっている。

 

「誕生日でもクリスマスでもないのに『はい、そうですか』とそんなものに金を出す親だと思っとんの?欲しけりゃ自分で買え。お年玉もまだ残ってんだろ?」


「この間、お父さんにお願いして3DS買うのに使ってまったもん」


「あぁ、そう言えばそうだったな」


出来るだけ安くということで、最安値で出品されているものをネット経由で代わりに買ってあげたことがある。代金は1円単位に至るまできっちりと取り立てさせてもらった。

「じゃ、仕方ない。我慢しろ」


「だったらお小遣い頂戴よ」


「実際に家のことを手伝ってもらっているのはお母さんなんだからお母さんにもらってこい」


「わかった」

 

しばらくするとバタバタと大げさに足音をたてこちらにやって来たかと思えば、いきなり床に寝転がって
「お小遣い頂戴、お小遣い頂戴、お小遣い頂戴!」


と四肢をバタつかせるいつか見たことがある得意のパフォーマンスでもって再び懇願して来た。


「お母さん、お父さんの方がお金持ちだからお父さんにもらって来いって言ってくれへんもん!」


案の定、というか、おそらくこうなるだろうとは易く想像がついた。

 

「行きたいスキーも我慢する、習いたいと言っていた合気道も、今通っているそろばんも我慢するってのならば毎月決まった小遣いをそれこそ1,000円でも2,000円でもくれたるぞ。その方がお父さんにとっても懐が傷まなくて済むもん。我慢したくないってのならばお母さんに根気よくお願いすることだな」


「わかった」

 

あっさり引き下がったと思いきや、お次は手に何か箱の様なものを携えてまたしても戻ってきた。


「お小遣いって言うとさ、お父さんもお母さんも抵抗感があると思うんだよね。でさ、募金箱を作ってきたの。というわけで何卒恵まれないあづ紀に愛の募金をお願いします」


斜め45度にお辞儀をし、両腕を突き出す滑稽な姿はどこで身につけてきたのかは知らぬがなかなか堂に入っていた。


「(笑)わかった。お父さんな、いつもポケットにある小銭をそこら辺に置く癖があるから、それを見つけたらその募金箱に入れておいてくれ」


その様な癖は一切ないが、次女の苦肉の策に少しのってみたいと思った。

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「男梅」170個分の幸せ

「お父さん、なんか届いたよ。なに、それ?」

学校が休みなのに遊びにも行けない。いよいよゲームも飽きてきた。よって暇を持て余す娘達にとって外から来るものに興味を惹かれようともやむを得ない。

 

「ん?なんだこれ?」

何かを買った覚えも無ければ、例えそれが贈り物だとしても見た目があまりに無粋すぎる。そもそも、誰かに贈り物をされる可くおめでたき事も無ければ他にそのいわれもない。

 

送り先は「出光昭和シェル『さぁ、でかけよう統合記念キャンベーン』」事務局となっている。娘達とさっそく開けてみる。というか、

「開けていい?」

と聞くや否や娘達が開けだした。

 

「なんか紙が入っとるよ」

「ちょっと見せて」

 

見ると『さぁ、でかけよう統合記念キャンベーン』ご当選の連絡と書いてある。

 

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ここでやっと思い出した。以前、ガソリンを入れに行った時にその様なキャンペーンをやっていたことを。恐らく無意識のうちに応募していたのだろう。何せ朝なにを食べたかも忘れるほどここのところ物忘れが酷い。もう、ダメかもしれない。

 

「中の奴も開けていい?」

「いいよ」

 

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紙には「記」としてこう書かれている。

■当選コース:レシートで応募:12月商品 3,000円コース

■商品名:Under Armour® True Wireless Flash - Engineered by JBL®

 

と書いてあった。日本語で書けよ。

 

「なにこれ?」

 

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なんとなく、というかBluetoothイヤホンだった。

 

「イヤホンだな。これは走る時に便利でいいや。ちょっと嬉しいかも」

今はiPhone純正のひも付きイヤホンを使っている。別にそれに文句があるわけではないが、たま~に走りの邪魔をすることがあるのでBluetoothイヤホンが羨ましいとは思っていた。ただ買うまでの不便さを感じることは無かったのが、只で頂けるのであればちょっと嬉しい。

 

イヤホンと聞いたとたんに娘達の興味が失せる。ゲーム器、若しくはゲームソフトでも期待していたらしい。なにを根拠に期待していたのかはわからないものの、何となく気持ちはわかる様な気がする。学校が通常通り運営されていれば無駄な妄想も広がることは無かっただろう。

 

いったい幾らくらいするんだろ、と興味がわきちょっとググってみた。

 

ふぅ~ん、17,880円か…。ん?えっ!

17,880円!!マジで?!

 

横で聞いていた次女も驚いた。

「こんなちっちゃい奴がそんなにするの?なんかおかしくね?男梅170個も買えるやん」

ソロバンを習っているだけあって計算が早い。というか、何でもかんでも男梅で例えるのはやめなさい。

 

ちょっと嬉しいから超嬉しいにグレードアップしたのは言うまでもない。今のところ我が人生に於いて最高額の当選結果と報告させて頂くこととする。後にも先にもこの一回こっきりだけどね。

 

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『HOTTER THAN HELL』とは言え見たことがない地獄

「なにか温かいものが食べたい」

と自分が言うと、異口同音

「俺も」「私も」と返事があった。

 

話は日曜日に遡る。珍しく4人の息が合ったとしても、何がいい?まで進んだところで話が頓挫する。キーワードは「温かい」で一致しようとも皆の頭の中には何もない。

 

「じゃ、俺が決める」

と車に置きっぱなしにしてあったランチの割引券を取り出す。比較的、自宅の近所にあるインドカレー屋(店名は忘れた)の物だ。前回、家族で利用したときに頂いた。

 

皆に反対意見はない。なにせ、財布は自分だ。反対しようとも聞く耳を持たないことを既に奴らは知っている。

 

駐車場に到着。車が1台しかとまっていない。

「電気、点いてないよ」

車はあるが人の気配がない。駐車場に入るときは気がつかなかったが、入口に「テナント募集」と不動産屋の名前が入った看板が立っている。

「えっ!潰れた?」

前回、利用してからひと月も経っていないはずだ。

「美味しかったし、けっこう流行ってたのになんで?」

坊主も残念そうだ。仕方がない。場所を変えることにした、というか、変えざるを得ない。

 

そこで、かつて1度だけ利用したことがある、カルビ丼とスン豆腐専門店 「韓丼」を訪ねた。う~ん、心なしか昼の真っ只中だというのに車が少ない。ガラス越しに覗くと中も閑散としている。考えたくもないが、やはり例のアレが影響しているのだろうか。

 

ガラス戸にメニューが貼り付けてある。予め食べるものを選んでから入店した方がスマートだと考えた。各自、メニューとにらめっこをしている。

 

「『はらみ』ってなに?」

誰しもが数多く耳にしたことのある部位かとは思うのだが、実際に答えられる者はそうそう居ないだろう。『カルビ』然り。言葉としては知っていたとて、どれだけの者がまともに答えることが出来ようか。

 

「横隔膜ってわかるか?痙攣するとしゃっくりが出るところがそこ」

「カルビは?」

「腹周りの肉。こっちは脂がのってる」

かなりザックリかとは思うが概ねそんなところだろう。ただ、はらみは厳密にいえば「内蔵」に分類されるので、例え元が銘柄牛のものであれその名を冠してはいけないと聞いたことがある。

 

「じゃ、俺『うえはらみ』でいいわ」

「なに?なんて言った?」

うえはらみ

『うえ』?(爆)『うえ』じゃねぇよ。

『じょう』『じょう』

 

と、矢吹丈並みのトリプルカウンターを食らわされKOしたところで入店。

 

灼熱の『ホルモンスン豆腐(ドゥブ』は冷めた身体を温めるには充分過ぎるほど「ホッター・ザン・ヘル」by「Kiss」なお味だった。

 

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上はらみ丼

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カルビ丼


『カルビ丼』を頼んだお姉ちゃん、いつもの食癖は健在。先にトッピングを平らげてから白飯を心ゆくまで堪能する。吉野家の牛丼然り。

「わたしは白いご飯が好きなの」

と言い切る彼女。食の楽しみは人それぞれ故、口を挟むのは無粋といったところだろうか。

 

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初めて尽くしで「もう、いやぁ~ん」

予てより約束していた通り、坊主が着るリクルートスーツを買い求めに近所のショッピングモールへと出かけた。

 

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オープン時間が10時だったのでそれに合わせて到着したのだが、幾ら時間が早いとはいえ余りにもガラガラな駐車場を見るのは驚きを通り越してもはやうんざりだ。勿論、昨晩からの雨もその理由のひとつであることは否めない。

 

車を降り入口へ向かう。何やら張り紙がしてある。

「営業時間変更のお知らせ」とある。

 

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「えっ!11時からだと。マジかぁ~」

 

客足を鈍らせる理由がもうひとつ加わったことになる。

 

「営業時間を短縮することでうつされないという科学的根拠があるのかよ」

と憤る坊主。仕方がないので車の中で時間をつぶすことにした。

 

当初、スーツなど要らぬと言っていた。事実、就職先はIT企業らしく私服での通勤となる。ただ入社式には必要だから、その時は親父のスーツを貸してくれればいいと言っていた。だが、断る。いや、断るというよりも、俺は身長で10cm以上も溝を開けられているんだぞ。その身長差を知っていて言っているのならば「親父のスーツでいい」と言われても屈辱しか感じられない。

 

というわけで嫌がるのを無理やり連れ出したというわけだった。向かう先は「P.S.FA」。紳士服の「はるやま商事」が主に20代から30代に向けて展開する、いわばちょっとシャレオツなスーツショップだ。「パーフェクトスーツファクトリー」を縮めて「P.S.FA」となる。ピコ太郎は元気にしているだろうか?

 

新卒者を子にもつ親、つまり自分の元に、様々な紳士服店よりDMが届いのだが、その中でも一段と目を引いたのがこのショップのDMだった。

スーツ、19,000円+税

靴、9,900円+税

ベルト、3,900円+税

ネクタイ、3,900円+税

Yシャツ、3,900円+税

ハンカチ、500円+税

以上、6点セット、

最大トータル41,100円+税が、15,000円+税

 

と書いてあったならば、ここで選ぶ選ばないはともかくとして、先ずは行って見たい気になる。つまり、行く前は買う買わないはまだ決めていなかった。

 

「あ”ー、もう何でもいいで親父決めて。葬式でも使えるで黒でいいゎ」

決めてはいなかったのだが、ショップに入ったとたんこうだったのでこの瞬間に決まることとなった。ただ選んでいる間も

「これ学生ズボンと変わりねぇじゃん。そのまま学生ズボン使えばよくね?」

 

とか、

「Yシャツ居るの?高校のでいいじゃん。校章が刺繍してあるけど上着脱がなかったらわからんし」

 

とか、

「靴なんかスニーカーでいいゎ」

 

とか、ある意味親思いで言ってくれている様にも聞こえるが、実はただただ面倒くさいだけの話。諸々、含めて結局、自分の買い物をしているみたいになってしまった。まぁ、いいか。息子が恥ずかしい思いをしない様に仕向けるのも親の務めと自分に言い聞かせる。因みに支払いはいつもの如く「PayPay」で。

 

ところでショッピングモールへの往復は車とは前述した通りだが、いつもと違うのは運転席と助手席に座る顔ぶれが違っていたこと。

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助手席から見る坊主の顔には逞しさよりもまだまだ狂気を感じること禁じ得ない。



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贈り物にしても女性用化粧品など買ったことがないです。

仕事中に携帯がなった。携帯がなること自体は珍しいことでも何でもないが、発信先は045から始まる見たこともない電話番号だった。小さく「神奈川」と表示されている。

 

商売柄、営業の電話はよく掛かってくる。が、0120からなる電話番号には相手が特定出来ねば出ないことにしている。100%営業の電話だからだ。そもそもフリーダイヤルから掛けてくること自体、失礼なことだと自分は捉えているということもある。

 

通話のボタンをタッチする。

「もしもし、お忙しいところを恐れ入ります。ライフカードと申しますが…」

 

なんだ、カード会社かよ。どうせ保険の勧誘か何かとのセット割引のご案内だろう。そう思った途端、嫌悪感が増したので、

「すみません。仕事中なのですが」

と話を打ち切ろうとした。

 

「それではいつ頃がお手すきですか?また改めさせて頂きます」

 

ん?やけに食いついてくるな。具体的に「いつ頃」と訊かれるということは確実に伝えなければならない話でもあるのか?

 

「どの様なご要件でしょうか?」

ライフカードをお持ちのことと思いますが、私どものセキュリティに、お宅様のカードが不正に利用されたといったデータが上がってまいりました」

「えっ?」

 

確かにライフカードは持ってはいるが、いつも財布の奥底に眠っており持っているという事実だけで使用したかどうかの記憶がない。なだけに尚更、大事ではないか。この場合の「大事」は「おおごと」と読む。念の為に。

 

「すみません。仕事を片付けますので5分後にもう一度お願い出来ますか?」

そもそも仕事などしてはいなかたが緊張感を和らげる為にもひと呼吸必要だと感じた。

 

そして5分後。

 

「不正利用って、要するに自分のカードで誰かが買い物をしたということですか?」

「因みにどこで何を買ったのか教えて頂けますか?」

立て続けに質問を重ねる。

 

「日本でのネット通販にアクセスされております。『ヘレナルビンスタイン』にて5,280円のご利用がありますが、お買い物の覚えがありますか?」

 

なんだヘレナルビンスタインって。人の名前か?慌てて目の前のPCでググってみると、女性用化粧品のメーカーらしい。女性には興味があるが化粧品には興味も知識もない。

 

「それ以前に『NOIN(ノイン)』という会社にもカードの登録があります」

 

再びググってみると、此方も化粧品のメーカー、若しくは取り扱い会社の様だ。

 

「ただ、此方は登録のみで使用はされておりません。抜き取られたカード情報が使えるかどうか確かめたということが考えられます」

「此方も身に覚えがありません。どうすれば良いですか」

「一旦、お持ちのカード情報を破棄させていただき、ナンバーを変え新しく発行させて頂きます。お手持ちのカードは裁断処理を施してから廃棄して下さい」

 

不正利用された金額についてはカード加入時の保険で対処してもらえるらしい。なにはともあれ事なきを得たことに安心をした。しかし、どうやって情報が抜かれたのかが未だに理解するどころか想像も出来ない。

 

まさか、仮睡盗(かすいとう)ではなかろうか。飲むのはいいけど寝落ちするのは危険が伴うということを再認識した。

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エコでキュートなWi-Fi工事

築33年の我がぼろ家に「エコキュート」がやって来ることになった。

えっ?「エコキュート」が何だかわかんないって?仕方ない。それでは少し説明をしてやろう。

 

エコキュート」とは、ヒートポンプ技術を利用し空気の熱で湯を沸かすことができる電気給湯機のうち、冷媒として、フロンではなく二酸化炭素を使用している機種の商品名のことだ、とウィキペディア先生が仰っていた。要するに日常使うお湯を安い深夜電力を使い沸かし、それをタンクに溜め込んでおけば使いたい時に使えるといったシステムなのだ。

 

これによりガス代が7割節約出来るという。我が家はLPガスを使用している。都市ガスに比べて料金が高いんだな、これが。直ぐ近くまで都市ガスが来ているのにも関わらず、私道を共有している住人の一人に配管工事の了解が得られず仕方なくそのままになっている。

 

ただ、LPガスにせよガス代が7割も削減となれば、例え「エコキュート」で電気代が余分に掛かろうが充分に節約となる筈だ。

 

その工事日が8日の日曜日に決定した。日曜日には朝から新社会人になる坊主のスーツを選びに行かねばならない。よって自分は不在。ということは立ち会いは嫁ということになる。

 

「工事、今度の日曜日だから」

「なにの?」

エコキュート

「なんで、直前になって言うかなぁ」

「今日、決まったから」

「なに?なら出かけられんやん」

あからさまに不機嫌な顔をしている。

 

「おかぁ、来週の火曜日、家におる?」

「あんたは何なの?」

Wi-Fiの工事が入るで」

「あんたもなんで直前になって言うかなぁ」

「今日、決まったから」

 

自宅でもインターネットは利用しているので、当然Wi-Fiは設置してある。が、通信速度が300Mbpsなのでそれでは遅すぎて作業に差し支えると以前からぼやいていた。何の作業だ?まぁいい。そこで身銭を切り独自の回線を引くというわけだ。

 

「あんたまだ稼ぎもないのにそのお金はどうやって払うの!お祖父ちゃんやお祖母ちゃんからもらったお年玉で払うつもりじゃないよね?」

聞こえていたかとは思うが返事はない。

 

「どうなの!」

「ちっ、うるせぇなぁ。声がでけぇんじゃ」

 

ジャジャーン!そこでパパが加齢もとい、華麗に登場。

「自分がもらったもんだから、どう使うかは自分で決めればいいことだろ」



そもそも何に反応して怒っているのかが全く理解が出来ない。ホルモンバランスが乱れているのか?そろそろ、そんなお年頃だ。

 

「もう、この男ら二人うざい!」

とわめいている。

 

「で?火曜日に工事ってどうすればいいんですか?」

怒り出すと言葉が丁寧語になるのが特徴だ。

 

「家に居ると工事中にブツブツと文句言いそうなんで居て欲しくないから家におるかって聞いた」

「わかったわ。意地でもうちにおったる!

絶対に出かけん!

 

なるほど。日曜日の件もそう言えば良かったのか。坊主から学びを得たある日の出来事だった。

 

しばし非常事態につき人件費の削減をば。アルバイトを休ませ現場出向。徹底的に邪魔をしてきてやった。で、昨日の賄い飯。

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鶏肉とネギの黒胡椒炒め ご飯 中華風卵スープ

 

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