氷の上のさかな

氷の上にディスプレイされたさかなの様にセカンドライフをキラキラとさせる為に今を頑張ろうといったシュールなお話。

浦安からの使者は『味噌煮込みうどん』をかく語りき@「高松家」

「おーい、おいでよ。こっちにおいで。温まるよ」

何かに呼ばれている、そんな気がしたんだ。耳を澄ませてみる。

 

「はやくはやく、はやく来ないとなくなっちゃうよ」

やはり空耳ではない。

 

「キミは誰なんだい?」と問うてみる。

 

「ふふふ、きみが今いちばん会いたいのはだぁれ?」

「わかった!味噌煮込みうどん』だ!」

「そうだね。だから今すぐここに来なよ。でも来るならちゃんと金もって来いよ~」

 

はい、『味噌煮込みうどん』役はミッキーマウスでお届けしました。

 

というわけで妄想を現実化するために、中京圏の冬の風物詩と呼ぶにふさわしい味噌煮込みうどん』を食しに行ってきた。

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店名は「高松家」だ。名の由来はうどん県は讃岐平野の高松市に由来すると勝手に想像する。自身、この店を訪れるのはたった二度目なので全く常連ではない。ただ通りがかったらミッキーの声が聞こえてきたから立ち寄ってみた、単にそれだけのことだ。

 

味噌煮込みうどん』といえば真っ先にその名を思い出すのは「山本屋」だろう。しかしながらこの「山本屋」、実際には「山本屋総本家」「山本屋本店」がある。このふたつ、ややこしいことに全く別の会社だ。が、既に創業者の血は途絶えてしまっているが「山本屋総本家」の方が発祥らしい。ただ、そんなことには全く興味がない。

 

ごちそうさん。久しぶりに美味かったよ」

と失礼なことをいいながら出て行くオヤジを尻目懇切丁寧メニュー目を通す。「に」が三つも並んでしまった。注文は決まっていてもそこは職業柄避けて通れない義務なのだ。

 

味噌煮込みうどん』に卵と鶏肉のトッピングは欠かせない。卵入りは850円、かしわ(鶏肉)入りは950円、親子入りが1,000円とあったので、迷わず親子入りを注文。

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しかし、親子丼もそうだが誰が考えたか残酷なネーミングだ。まぁ、違う意味で『親子丼』という言葉はあるが自分はまだ経験がない。

 

「う~ん、満足満足」

さてそろそろと腰を上げようとすると、

「どうだい?あったまったかい?」

と再びミッキーが語りかけてきた。

 

「うん美味しかったよ。ごちそうさま」

「だったらまた来なよ。でも来るならちゃんと金もって来いよ~」



浦安でもきっとそう言っているだろう。聞こえる者にはちゃんと聞こえるのだ。

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