氷の上のさかな

氷の上にディスプレイされたさかなの様にセカンドライフをキラキラとさせる為に今を頑張ろうといったシュールなお話。

近未来型男子・拭く男

自動車学校に送っていけと坊主がいう。先日の日曜日のことだ。

 

「何時から?」

「2時」

「じゃぁ、その前に昼飯に行くぞ」

「わかった」

と返事し、先んじて出かけようとする後ろ姿に

「わかったはいいけど、その格好で自動車学校へ行くつもりか?」

と問うてみる。

私服姿だ。学生の間は自動車学校ですら学生服で通うことが義務付けられている。

 

「えっ、戻ってこんの?」

「いちいち帰ってきてお前が着替えるのを待ってまた送っていくなんてまどろっこしいことはしたくない」

「じゃ、ちょっと待って」

と一旦、部屋に戻ると、大きな紙袋に学生服を入れて戻ってきた。てっきり着替えてから来るのかと思いきや、学生服姿で昼食をとるのが嫌なのだとか。

 

「お兄ちゃん、どこで着替えるの?」

「あ?車の中」

「誰かにパンツ見られても平気なの?」

次女が興味本位で訊いてくる。

「別になんとも思わん」

 

ほぼ、男子校に3年もいればその程度の免疫は出来ていることだろう。自分にしてもあまり気にかけるところはない。

 

食事を済ませるとドラッグストアに立ち寄った。

「あぁ、そういえばここ大きなトイレがあるからそこで着替えれば?」

我ながらナイスアイディアだ。

障がい者用じゃないの?」

 

障がい者用駐車場などを健常者が使うことを鬼の様に罵倒する坊主のこと、それがもし障がい者用だとしたら絶対に利用はしない。

 

「違う。ここは大きな方は男女兼用、小さな方は女子専用」

「なんで女の方が優遇されるんや」

「そりゃ、女性客の方が多いからだろ」

「ふぅ~ん。まぁ、男女兼用なら西洋式トイレがあるからいいか」

「男子の立ち〇ョン用の便器があるぞ」

「おれ、座ってするからいい」

「えっ、男子の為に立ち〇ョン用便器があるのにわざわざ座ってするんか?」

「するよ」

「マジか!変わった奴だな。なぜ?」

「だって終わった後に紙で拭けるやん」

「いつも拭くのか?」

「拭くよ」

 

トイレもポットンから水洗式になり、和式が洋式に様変わりしたと思ったら、洗浄便座なるものが台頭し、そろそろ文化も行き詰まった頃だろうと思いきや、座って用を足す男子がじょじょにパーセンテージを増やし始めたのも束の間、お次は用を足した後に紙でキレイキレイとなでなでするスタイルまでが誕生するとは…。今後はどの様に進化を遂げるのか興味は尽きない。逐一報告出来ればと考える。

 

つーか、梅が咲いちゃったよ、もう。

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