「クレーマー、クレーマー」主演・嫁
帰宅して玄関の戸を開けると段ボール箱が置いてある。宛名を見ると嫁の名前になっていた。
ネットで何か購入でもしたのだろうか?いや、そんなことは出来るはずも無い。先日もこれが欲しいけれど注文の仕方がわからないからやってくれと泣きついて来たばかりだ。ただ、その時に注文したものとは明らかに物が違う。比べても明らかに大きな箱だからだ。
大袈裟な梱包といえばAmazonを思い浮かべるだろう。たかが本一冊にこれ程大きな箱が必要なのか?と無理矢理にでも思わせる大袈裟な梱包はAmazonの常だ。ただその箱にはAmazonとは書かれておらず、代わりに赤い文字で「Calbee」と書かれていた。
ここでピンと来た。
「玄関の箱ってなに?」
恐らく尋ねながら自分の顔はニタニタしていたと思う。
「あ、私のやで放っておいて」
「いや、それは宛名を見ればわかる。中身の話だ」
「だから放っておいてって」
「ひょっとして、また?」
「うるさいな。言うと絶対にSNSに書くでしょ?そしたら私がまるでクレーマーみたいに思われるやないの。だから絶対に言わん」
「今度は何があったんだ?(笑)」
もう、ニタニタを通り越して笑い声になってしまっている。
「髪の毛が入っとったんやで仕方ないやろ?」
「結局言ってんじゃん(笑)」
かいつまんで説明しよう。カルビーのグラノーラを「ふふふん♪」と食すべく器に移したら、なんと!袋の中から髪の毛が出てきたと言う。にわかに信じがたいが、そう言い張るのだから恐らくそうなのだろう。
彼女は実にこういったネタに恵まれている。以前にもスガキヤのカップラーメンが大量に送られて来たり、森永からはハイチュウ、江崎グリコからはポッキー等、様々なものをゲットしている。ポッキーネタは傑作だ。既出だが思い出しついでにお披露目したい。
この時は自分も一緒にいたから証言出来る。グリコのジャイアントコーンを買ったらアイスクリームが直接紙に包まれていた。要するにコーンが無かったのだ。こんな事もあるのだからグラノーラに髪の毛の一本くらい入っていたとて驚きもしない。
さっそくグリコに電話を入れた。
「すみません。ジャイアントコーンを買ったらコーンが無かったんです。ええ、ええ、はい、コーンが無くて直接アイスクリームが…。と言うことは、これ、コーンが無いからジャイアントコーンじゃなくてただの
ですよね?」
隣で聞いていて腰が砕けた。それを認めさせたくて電話をかけたわけじゃねぇだろやーい!
さすがにアイスクリームを送り返すことは出来ないので代わりにポッキーが送られてきた。
「ほんとにやめてよ。クレーマーやと思われたら心外やで。それにクレームじゃないし。事実だし」
「だよな、事実にしてはよく起きるけど、確かに事実だもんな」
クレームではなく事実だとしたならばお披露目しても良いのだろうと受け止め、ここに報告させて頂きます。
ご清読ありがとうございました。