氷の上のさかな

氷の上にディスプレイされたさかなの様にセカンドライフをキラキラとさせる為に今を頑張ろうといったシュールなお話。

ゆきお~カムバ~ック!

ゆきおが消えた。ゆきおがいなくなった。とっても大事にしてたのに、壊れて出ない音がある。どーしよったらどーしよ。最初から音なんか出ねぇよ。だってマスコットキャラクターなんだもん。

 

ちょうど1年ほど前になる。通っていたそろばん塾の先生に引率され、二女をはじめ塾の仲間たちは「ナガシマスパーランド」へ遊びに行った。

 

「お父さん、お土産買ってくるね」

ろくにお小遣いも渡していないのに可愛いことを言うじゃないか。

「お土産は要らないよ。これ持ってきゃ」

と3千円を手渡した。飛び上がる様に喜んでいたのは良かったのだが、後から考えたらアレは小遣いをせしめる為の作戦だったのか?

 

初めて行った「ナガシマスパーランド」は随分と楽しかった様で、中でも絶叫マシンの「白鯨」が余程お気に入りだったのか何度も何度も怖かった話を披露していた。そして要らないと言ったのに買ってきてくれたお土産が冒頭の「ゆきお」だ。

 

なんともとぼけた風味で可愛いマスコットキャラクターだ。なんでも日本全国の観光地で販売されているご当地マスコットキャラクターだとか。「天空の非公認キャラクター」とある。天空が何を意味しているのかはわからない。ただ非公認としてあるのは、勝手に各地の特産品や名物をキャラクターに仕立ててしまっているからだろう。

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ふふふ…「つぶあん派」だと。よく父親の嗜好を理解しているじゃないか。このふざけた表情といいやる気のなさそうななで肩といいまるで自分の父親を見るようだったろう、っておい。

 

お守り代わりにも良いと思い、車のキーホルダーとして使っていたんだな。それが昨日、デリバリーから帰ったら

「えっ…な、ない!」

 

それからは必死の大捜索だ。車にポケット、カバンの中とあさってみたもののまるでみつからない。けっきょく諦めた。

 

デリバリーが終わり一旦、自宅に戻ると、早くも娘達が帰って来ていた。分散登校で午前中だけの授業だった様だ。自室で「ゆきお」を検索していたら、何やら後ろに人の気配が。

「お父さん、ゆきお見とるの?」

「わっ!」

 

日曜日に車のキーホルダーとして使っていることを知り喜んでいた二女だ。それを失くしたなんてことが言えなかったので、こっそりと通販で買い求めようと思っていた。

「うん、実はさ、ごめん。アレ失くしちゃったんだよ。で、同じものが買えないかなって思って調べてた」

「あぁ、そうなの。いいっていいって気にしないで。どうせ買うなら違う可愛い奴にしたら。私も調べておくわ。じゃぁね~」

と言い、行ってしまった。調べておくということは、買わないという選択肢はどうやら無い様だ。とはいえすんなり許してもらえたことに安心した。誰に似たのか、ま、言わなくても察しがつくとは思うのだが、実に性格よく育っている。

 

と、思ったらなんと!帰ってきた━━━━!!

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店の外で寝てたんだって。スタッフが拾っておいてくれました。

おかえり~

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