生まれた時代がよかったね、スズメちゃん。
偶然にも可愛い光景を目にすることが出来た。穴ボコだらけの道路も癒しのオアシスに大変身!といったところだろうか。但し、ハンドルさえ握っていなければである。
気配を消さず近づいても水浴びに夢中で逃げようともしない。それほどにまで渇水していたのだろうか。まるで付き合い始めの高校生の様にひと目もはばからずイチャイチャとしていた、もとい、している光景が脳裏に蘇る。
そういえば岐阜市でもまだスズメの焼き鳥を食べさせる店はあるのだろうか?最近はとんと見かけなくなった様な気がする。
その昔、柳ケ瀬に「金華ロマン」と呼ばれる映画館があった。いわゆるロマンチックでアクロバティックな映画が18歳以上限定で観られる映画館だったが、そのたもとにオープンエアで屋台チックな焼き鳥屋があったと記憶する。今は洒落たレストラン&バーになっている。
店の前のショーケースには頭付きのスズメが串にさされてディスプレイされていた。実はそれを父親に食べさせられたことがある。時代が時代ならば虐待扱いともとられかねない。ただ、生ではグロテスクなネイキッドスパローでも、火が入ると幼少期の自分にとっても美味しそうにみえたわけです、これが。
頭からガブりチキン、じゃなくてガブりスパロー。骨をバキバキと噛み砕く音が脳幹に鳴り響く。ただ、そこだけは記憶に残ってはいるのだが、肝心の味については一切合切記憶がない。
伏見稲荷辺りではまだ当たり前の様に食べさせる店があるそうだが、機会があれば…、いや、それはその時の気分に任せることにしよう。
「生きているうちが華だよ」
二羽のスズメに囁く様に教えてあげた。