氷の上のさかな

氷の上にディスプレイされたさかなの様にセカンドライフをキラキラとさせる為に今を頑張ろうといったシュールなお話。

たぶんビールだったとりとめの無い雑記

だいたい、いつもタイミングが悪い。車を運転している時とか、食事をしている時、トイレにいる時などは音が反響してまるで教会の大聖堂の中にいるかの様だ。

 

「あ、もしもし、お父さん?」

次女の電話魔は相変わらずだ。少なくとも1日に1本。多いときは3本も4本もかかってくる。昨日は食事中のことだった。

 

「今いい?」

 

一応、配慮はあるようだ。

 

「いや、今いい?って、そりゃ、オレはいいよ。でもな、オレ以外にかけるなら、時計を見て『ひょっとしたら食事の時間かしらん』と想像してからにしなけりゃダメだぞ」

 

「うん、わかった。ところでさ、明日なにか用事ある?」

 

「用事ってのは?」

 

「いや、どこかへ行く予定があるか、ってこと」

 

「いや、特別ないよ」

 

「じゃさ、今晩からおばあちゃんちに泊りに行っていい?私とあん子」

 

再三、言うが食事中のことである。手っ取り早く済ませたかったので「いいよ」と返事をしておいた。

 

「ホントにいいの?」

 

「だから、いいって」

 

「寂しくない?」

 

「その話、まだ続くの?」

 

「ははは、私にはいいけどお母さんには言ったらいかんよ」

 

 

どうやら以前に彼女らの母親とひと悶着起こした時のことをちゃんと覚えていたみたいだ。

 

必然的に夜は自分と坊主、そして坊主の母親の3人となる。このメンバーならばいつもは

閑さや岩にしみ入る蝉の声 」と季節外れだがそうなるところだったが、昨晩の食卓に限っては、いつもむっつりの坊主がいやに多弁だった。

 

話題が「車校」に及ぶと話したいことがいっぱいあるみたいだ。珍しく母子で話が盛り上がっていたので、自分はそーっとその場を後にし、自室へ戻るとひとり晩酌に親しむのであった。昨日の昼食相手から「たぶんビール」と頂いた韓国土産だったが、飲んでみた感じでは「たぶんビール」であったかと思う。

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たぶんビール

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ついでに韓国海苔



しかし、考えてみたら、というか考えるまでもなく、今年の年末は忘年会のお誘いが一件もないことに今頃になって気がついた。

 

往年のアイドルにも陰りが生じたか。

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